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■おっぱい募金・主催者への質問と、アダルト社会貢献

 おっぱい募金を企画し、「エロは地球を救う!」という番組を制作したリーレ株式会社は、社内に未来支援委員会という非営利組織を新設して寄付先にしている。
 社員数50~60人しかいない中小企業のリーレが、社内に非営利組織の事務所を持ち、担当の人員を割いたとなれば、大変なコストを負ったといえる。

 この事実だけで勝手に憶測を語りたがる人たちが出てきたので、僕は12月16日に未来支援委員会に取材申請のメールを送った(※18日付で先方から「来週改めてご連絡」の返事あり)
 寄付の主催者に情報公開を求めるのは、寄付の正当性や社会的信頼を保つために必要不可欠なことだからだ。
 その回答を待たずに憶測で語ることはフェアではないし、大変に労力・時間・経費がかかる寄付アクションの運営者・参加者にとって失礼極まりないことだからだ。
 主な質問事項は、以下の通り。


リーレさんは一昨年、貴社のプレスリリースでそれまでの寄付額を公表しましたが、募金を受け取ったはずのエイズ予防財団側が、その額面を公表していなかったのはなぜですか?
 また、それについて、どうお考えですか?

未来支援委員会は、「寄付金をティーンエイジャーのエイズまたは感染症の予防のための支援を行っていきたい」と発表し、4団体の助成したことが発表されています。
 その具体的な用途(助成先の団体名など)の詳細の公表が来年4月になってしまう事情は何ですか?
 4団体の名称だけでも現時点で公表できませんか?

なぜ今年(2015年)から、「エロは地球を救う!」関連のチャリティよる募金の入金先がエイズ予防財団から未来支援委員会へと変わったのでしょうか?

24時間テレビ エロは地球を救う!』の公式サイトに、①②③に関するわかりやすい説明が書かれていなかったのは、なぜですか?

結果的に「おっぱい募金のみ」(2日間で7175人分)でいくらの募金額になったのですか?
 未集計なら、いつ頃、どういう形で発表されるのですか?

 未来支援委員会の公式サイトには財務諸表が公開されていません。
 そもそも委員会の立ち上げ資金はいくらで、どこからその資金を調達されたのでしょうか?

 おっぱい募金を中止してほしいというネット署名では、以下の指摘がありました。
「募金とは名ばかりで、寄付する人はおっぱいを触るための対価としてのお金を払っている。実際にはおっぱいを触らせている女性たちがその対価として受け取るはずの報酬を(全部か一部かはわかりませんが)放棄することで、お金が集まっているだけでは?」
 こうした疑問に、明快な回答をいただけますか?

 未来支援委員会の連絡窓口には「阿部」という名前が書かれていましたが、フルネームと組織内の役職を教えてもらえますか?
 また、代表者はリーレの社長・芝強さんで間違いないですか?
(オンラインニュース記事内で芝さんもしくは阿部さんの顔を紹介したいので、画像ファイルを送っていただけますか?)

 今後も募金で助成活動を行う委員会としては、「おっぱい募金」に改善すべき点はないとお考えですか?
 改善したい点があれば、具体的にどういうところに課題があるとお考えなのか、教えていただけますか?

 未来支援委員会の公式サイト上に情報が少なすぎるのが、多方面で不安を招いていると思います。
 寄付者からの信頼を得るためにも、今後、公式サイトに委員会の代表者の名前や顔写真、経歴などを公明正大に情報公開していく予定はありますか?

●性に関わる産業ほど、エイズ予防の活動が熱心

 おっぱい募金は、エイズ予防の事業活動の資金を提供するという目的のために企画されたチャリティ・アクションの一つだ。
 セックスを見せる仕事のAV女優を起用したアダルト番組の制作会社が、セックスに伴う性病リスクに対して予防教育や社会啓発などの活動に資金を提供できる仕組みを作るのは合理的だ。

 しかも、HIV/AIDSの新規患者数がうなぎのぼりになっている現実の深刻さを考えれば、緊急に、かつ、より多くの人々に対して関心を高める必要がある。
 そのためには、善意に訴えるだけでは難しく、「エロで釣る」演出も仕方ない部分がある。
(※おっぱい募金では、AV女優自身が楽しく参加し、達成感と募金者への感謝を表明した) 

 「エロ」「アダルト」「セックス」に関わる企業は、表向きの卑猥なイメージだけで語られやすい。
 しかし、今日ではCSR(企業の社会的責任)として、収益の一部を社会貢献に寄付や投資をする企業は増えている。

 このCSRはまだ日本人にとって親しまれているとはいえないので、知らない人が大半だ。
 それでも、そうした地道な社会貢献活動を知ろうともしないまま、表のイメージだけでものごとを判断したがる人が多いままでは、日本に寄付の文化は根付きにくい。
 そこで、「エロ」「アダルト」「セックス」に関わる企業のCSRを、ランダムに紹介しておこう。


 コンドームメーカーのオカモト(株)は、若者たちに蔓延する性感染症(HIVを含む)や望まない妊娠を防ぐためにコンドームの使用を啓発する活動として、チャリティーコンサートへの協賛をはじめ、HIVエイズ撲滅活動を支援するなど社会貢献活動を行ってきた。

 ガーナ家族計画協会は、1985年からジョイセフの家族計画・母子保健活動の共同事業実施団体だ。
 ジョイセフは、2004年よりガーナ・アシャンティ州アハフォ・アノ・サウス郡で、母子保健とHIVエイズ対策を統合したプロジェクトを国際家族計画連盟(IPPFとガーナ家族計画協会との連携で実施している。


 コンドームメーカーの相模ゴム工業株式会社は、毎年クリスマスイブに日本最大級のクラブイベントSABISHINBO NIGHTを女性の入場無料で開催し、参加する若者たちにセーフセックスの重要性を訴えかけている。
 イベントの公式サイトを見ると、そうそうたる顔ぶれのミュージシャンやお笑い芸人などが参加しているのがわかる。

 このイベントの来場者には、「サガミオリジナル」ブランドのコンドームが無料で支給される。
 コンドームを支給することで、性病やエイズから身を守ることを啓蒙しているのだ。
 同社では、「LOVE FOR ALL」という商品の売上の一部をエイズ予防財団に寄付している。

 コンドームメーカーのジェクス株式会社でも、AIDS・HIVに対する理解と支援を進めるレッドリボン運動に参加し、コンドームを正しく使用して男女が性と正しく向き合うことを啓発する「ラブ活」と称した社会貢献を行っている。
 2014年は、 大阪府健康医療部感染症グループを通じて、6月と12月にHIV感染拡大防止を目的とした啓発活動に協賛する形で、コンドームサンプルを各1万個も提供した。



●アニエス・ベーもビル・ゲイツも、エイズの感染拡大を恐れてる

 ジェクス株式会社は、1988年、WHO(世界保健機構)が世界的レベルでエイズまん延防止と患者・感染者に対する差別偏見の解消を図ることを目的として、121日を“ World AIDS Day ”(世界エイズデー)と定めたことも、自社サイトで紹介している。

 もっとも、エイズ予防に関する啓発に取り組む企業は、コンドームメーカーだけではない。
 ファッションブランドagnès b.」(アニエスベー)は、エイズ予防啓発運動に1993年から取り組んでいて、1993年から世界中のブティックで毎年約6万個に上るコンドームの無料配布を行ってきた。
 2013年には、コンドームのパッケージデザインにはこれまで有名無名問わず、多くのアーティストが参加。

 日本からも草間彌生、リリー・フランキー、UA などの著名人がデザインを手がけた。
 同年には、Facebook のアプリ上でコンドームのパッケージデザインを公募するワールドワイドプロジェクト“GIVE LOVE !”を実施。
 世界中から応募された多数の作品より、アニエスベー自身のお気に入り5作品と、「いいね !」を多く集めた上位5作品がデザインとして採用された。

 20133月、マイクロソフト会長のビル・ゲイツは、夫妻で運営する「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」が快感を得やすい次世代コンドームのアイデア募集を始めたと発表した。
 アイデアの開発者には、最大110万ドル(約1億450万円)を提供するという。
 さらに開発資金として、100万ドル(約9500万円)を追加援助する用意があると、日刊スポーツが伝えていた。
 同紙には、「全世界のエイズ感染者数は昨年(2012年)までに3400万人にふくれ上がり、次世代コンドームの開発によって感染者の増加を止める効果が期待できる」と書かれていた。

 もちろん、エイズ予防ばかりが社会貢献活動ではない。

 成人用玩具(オナニーアイテム)を開発・販売しているTENGA(テンガ)の商品は、園子温・監督のTVドラマ・映画『みんな!エスパーだよ!』でかなり多くの青少年の目に触れた。

 同社では、障害があるために自分の手でマスターベーションができない人でも、より快適なマスターベーションを楽しめるようになる活動を推進している。
 その一つが、TENGA用カフ(自助具:写真)。
 共に活動している作業療法士と共同で、手に障害がある方や握力の弱い人でも、簡単にTENGAを使えるよう開発したという。

 また、身体障害者のセクシュアリティに関する支援を行っている「特定非営利活動法人ノアール」の活動も支援している。
 実際に障害のある人と共に、TENGAを使ったSOM(サポート・オブ・マスターベーション)について議論、研究を重ねているとか。

 エイズ予防にせよ、障がい者の性を守る活動にせよ、どんな人も安心してセックスできる社会環境を作る活動は、十分に足りているとは言えず、それゆえにHIV/AIDSの新規患者数は増えるばかりだ。
 社会啓発ひとつとっても、活動には莫大なお金がかかるからだ。
 おっぱい募金の是非の議論が盛り上がるなら、寄付アクション自体を増やすことや、その先にある募金の使われ方にこそ関心を持ってほしい。

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