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■管理職から社会を変える、残業しない働き方

 生きづらい社会を変えるためには、多くの人が自分自身を困らせてる「よのなかの仕組み」について考えられる時間の余裕が必要になる。
 しかし、雇われてる労働者が、仕事を会社の求める〆切までにまっとうするには、どうしても残業をしたり、仕事を家に持ち帰ることになりがちだ。

 そうなると急いで家に帰ることも難しいし、子育てや婚活、転職のための勉強などを私生活を充実させることも難しくなり、「不自由で低収入」という不安な生活を変えられないままだ。
 個人の生活で精いっぱいでは、自分自身を困らせてる「よのなかの仕組み」が何かを具体的に見極めるのも困難になるため、改善など夢のまた夢。

 そこで、「ワーク・ライフ・バランス」(WLB)が叫ばれるようになって久しい。
 実際に会社の方針として社内で「定時に帰宅」を徹底させると、作業効率が良くなり、労働時間を短縮しても収益向上を見込めることが実証されているが、日本ではまだまだそのことを知らない経営者は少なくない。

 そうなると、仕事と私生活の上手な両立を始められないのか?
 そんなことはない。

 結婚情報誌『ゼクシィ』の編集長・伊藤綾さんは、子どもが生まれてから「定時に帰る編集長」として、午前10時~午後6時しか働かないのを基本としている。
 彼女がライフネット生命の出口社長との対談で、「定時に帰る編集長」を公言したのは、4年も前の2011年のことだ(※その記事リンクはコチラ)。

 NHKのテレビ番組「クローズアップ現代」が、伊藤さんを引き合いに「脱・長時間労働の実践」というテーマでレポートしたのは、2年前の2013年だ。


●メディア企業の従事者がWLBを実践するこの意味は大きい

 子育て中のおしゃれママからの圧倒的な人気を得る女性誌VERY』(光文社)の編集長・今尾朝子さんも、「自ら子育てのためにさらに早く帰ることで、職場の意識も変わりつつあると感じる」そうだ。

 このように、メディア従事者が自らWLBを実践すれば、「忙しい人でもできること」として他の企業に影響を与えやすいし、コンテンツの中にも「WLBを導入すれば、みんなが生きやすくなる」という実践例を紹介できる。

 この動きは、東京だけの話じゃない。
 今年は、西日本新聞の記者も、残業を1か月辞めてみた。

 その記事では、残業を避けると、同じだけの仕事量をこなせるメリットだけではなかった。
「期間中(に書いた記事)は32本。その前の4週間は33本だった。
 あまり変わらなかった。
 どうしてもやらなければならなかった時間外労働は、8時間だった」

 こうしたWLBの試みを本業の取材・執筆(あるいはテレビ番組の制作)でやれるのが、メディア業界の従事者のメリットだ。

 新聞社や雑誌社、テレビ局などで正社員として働いてる人は、ぜひ仕事の一環としてWLBを試みてほしい。
 そうすれば、読者や視聴者も「WLBは意外と簡単に導入できるし、慣れればそう難しいことではない」と気づくだろう。
 そして、メディア業界の方には、さらに気づいてほしいことがある。

 雇用されてる正社員は、WLBの導入によって「がんばらない生き方」ができるかもしれない。
 でも、フリーで取材・執筆をしている外注ライターや、番組制作プロダクションを通じて仕事をしているフリーのディレクターは、取材経費が削られ、ギャラも上がらないまま、「24時間労働」を強いられている。

 そうした外部スタッフなしにメディア上のコンテンツを作れない以上、フリーランスへのギャラや取材経費を底上げできる仕組みを作ることが、WLBによる「身内の楽」を社会と分け合うことになる。
 外部のスタッフまで守ってこそ、読者や視聴者に質の高いコンテンツを提供し、ビジネスを持続可能なものに保っていける。

 メディア業界で正社員を続けることは、社会を動かす大きな仕事を担っているのだから。

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