花火大会、お祭り、野外イベントなどで必ず起きるのが、トイレ問題だ。
会場付近のトイレは、いつも長蛇の列。
トイレを探すだけで苦労する。
多機能トイレを必要とする高齢者・障がい者・子育て中の親にとっては、さらに大変になる。
そこで、NPO法人Check(東京・世田谷)は、「イベントのトイレマップサポートサービス」を2013年5月から開始している。
イベント主催者にとって、数時間・数日のイベントのためにバリアフリー情報を公開する予算を付けることは容易ではない。
高齢者・障がい者・子育て中の親には、夏の楽しみをあきらめてしまう人たちも多い。
Checkでは、多機能トイレの情報をインターネット上で共有・公開するサイト「Check
A Toilet」を運営している。
これまで、「スマートフォンを使った社会貢献活動」として、インテル、イー・アクセス、パラマウントジャパンなどの企業や大学生らと共に地域の多機能トイレ情報を探しては「Check A Toilet」に入力・共有する活動を続けてきた。
「イベントのトイレマップサポートサービス」は、イベントを主催する全国の自治体・民間企業向けに、地域の多機能トイレ情報を低価格で実地調査し、地図化・情報配信するというもの。
イベント会場周辺の多機能トイレ・授乳室を実地調査し、「Check A Toilet」から情報公開を行うサービスを有料で引き受ける。
「Check A Toilet」はPC・携帯電話・スマートフォンアプリ(iPhone、Android)に対応。
トイレの位置情報は、1回制作するだけで何年も使い回しができる。
イベント会場周辺の多機能トイレ・授乳室を実地調査し、A4サイズの紙の地図を制作するサービスもリーズナブルな値段で請け負っている。
既存のパンフレットや地図へ反映させることもできる。
Checkの代表理事・金子健二さんは言う。
「調布の花火大会でも、事前に地元の都立芦花高校の生徒たちと一緒に課題授業としてトイレチェックをしました。
このプロジェクトは国内にとどまらず、アジアをはじめとして世界の各都市との連携も図っていきたい」
上記のkindle版(99円)では、トイレの位置情報をネット上に登録する方法が紹介されている。
●街全体を公共トイレ化する「トイレシェアリング」
一般健常者でも、知らない街でトイレに行きたくなったとき、どこにあるかわからずに困ってしまう。
そんな悩みに対して、NPO法人Checkは、「トイレシェアリング」で解決しようとしている。
これは、街全体を「公共トイレ化」するプロジェクトだ。
商店街の組合やイベント主催者などみんなで共通の「トイレシェアリング」のマークを店の前に貼り、営業時間に観光客にトイレを無料で貸し出すことにすれば、その店の位置情報をインターネット上に登録できる。
すると、新たな来店客(潜在顧客)を呼び込み、「ついで買い」などの売上増加も見込める。
すでに横浜の元町や三重県四日市地区などがこのプロジェクトし、集客成果を上げている。
都市部はもちろん、地方の観光地なら、青年会議所や商店組合などで予算をとりつけ、早めにNPO法人Checkに見積もりの相談だけでもメールしておいた方がいいだろう。
早めに対応できれば、「トイレに不安を感じないでゆっくり買い物ができるまち」として観光客たちがSNSで早めに拡散してくれる。
訪日外国人は、年々増加している。
中国株安と人民元切り下げによってインバウンド消費に冷や水を浴びせかねないと懸念する声もあるが、それでも年間で1000万人以上もの外国人が日本を訪れる以上、他の国ではありえない最大限のおもてなしをすれば、リピーターを増やすチャンスになる。
★食事
宗教・思想・言語などの事情で食べられない食材がピクトグラムで表示されているか?
★バリアフリー
目的地までの導線が車椅子やベビーカーで移動できる無理のない高低差になっているか?
視覚障がい者でも安心な道路設計になっているか?
聴覚障がい者でも困らないよう、多言語による筆談が可能か?
★トイレ
オストメイト・車椅子ユーザ・要介護高齢者でも使える多目的設計になっているか?
授乳室や化粧室を分けているか?
駅や博物館などの公共施設以外の商業施設や、24時間コンビニがないエリアに、朝でも夜でも入れるトイレはあるか?
こうした課題に対して解決に動いている企業・NPOを紹介しておこう。
★食事:NPO法人インターナショクナル 一般社団法人ハラル・ジャパン協会
2020年の東京五輪に向けて、どこのまちも外国人観光客の誘致に躍起になっている。
しかし、「食事」「バリアフリー」「トイレ」の3点の課題を解決しないと、外国人は安心して飲食もできないし、移動もホテル予約も不安になるし、ゆっくり買い物をしようにもトイレが不安で同じ街での滞留時間が減ってしまう。
日本人が「最大のおもてなし」をしようと思えば、少なくともこの3つは緊急に解決しておく必要があるし、それは外国人のリピーターを増やすチャンスになるだけでなく、国内の観光客や移住希望者を増やすことにもつながる。
「現在日本では300万人を超える人々が、なんらかの理由により、普通のトイレでは用が足せず、多機能トイレを必要としています。
「現在日本では300万人を超える人々が、なんらかの理由により、普通のトイレでは用が足せず、多機能トイレを必要としています。
初めて行く場所や旅先で多機能トイレがどこにあるのか、わからず不安を感じ、外出や旅行をあきらめている方がたくさんいるのです」
(NPO法人Check代表・金子さん)
(NPO法人Check代表・金子さん)
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