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■困りごとが多いほど、当事者固有の価値は豊か

 障がい者にとって住みにくい家は、その家族にとっても暮らしにくい。
 しかし、健常者は不便さに容易に気づけない。
 そのために、障がい者はガマンして暮らしていることが少なくない。

 そこで、一般社団法人からふる(埼玉県川口市)は、障がい者とその家族が安心かつ快適に住めるリフォームを提案する事業「からふるリフォーム工房」を2012年1月から始めた。
 『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)を読まれた方なら、障がい児の描いた絵をプリントした名刺を売っている団体だとピンと来るだろう。
(今日では、カレンダーなど「からふる」の商品アイテムはさらに増えている)

 同法人は身体・知的・発達など障がいのある子どもたちの将来の仕事を生み出すことを目指し、2007年から当事者の家族と一緒に活動を続けてきた。
 だから、当事者の家族が家の中で何に困っているかをよくわかっていたのだ。
 そうした付き合いを通じて、子どもそれぞれの障がいの質や程度をふまえ、家族も介護や家事が軽減できるリフォームの事例を蓄積してきた。

 同法人のリフォーム事業担当・萩原禎子さんは言う。

「発達障がいの場合、騒音や声だしで近所迷惑が気になったり、水まわりでは流しっぱなしなど、そのつど口頭で注意していてストレスを抱えるだけ。
 それでも工事などで他人が家に入ることに気兼ねしていたり、車椅子利用者にとって不便な生活動線のままでいる場合もあります。
 そのようになかなか改善に動けない方々のハードルを少しでも下げたいと考えました」

(車椅子の高さに手すりを設置し、自力でトイレを利用できるように広めのスペースに改築した例)

 同法人では、埼玉県を中心に東京都の一部のエリアを対象に、内装・外装・水まわりなどを含めたリフォームを提案。
 ニーズや予算に合わせて設備の取付工事や施工請負、小規模工事には出張して助言を行うDIYヘルプサービスまで対応している。


●困っていること、そのものが現実を変える宝

 何かに困ってる人は、その困りごとが多ければ多いほど、それを解決する商品・サービスを生み出せる「商品企画のネタの宝庫」として価値の大きい存在になれる。
 しかし、自分が何について困っているのかを具体的に誰かに伝えるチャンスが乏しければ、「宝の持ち腐れ」になってしまう。

 自分が困ってることは、それが切実であればあるほど、他の人も同じことで困ってることに思い当たるはずだ。
 このように、自分だけでなく、他のみんなも困っていることを「社会的課題」という。
 社会的課題は、商品・サービスの形にして解決できる「市場」である。
 つまり、あなたがずっと苦しんできた経験は、それが切実であればあるほど、売れるのだ。

 こうした「当事者固有の価値」については以前のブログ記事(←クリック)にも書いたが、既存の福祉・教育・医療・介護・看護などのサービスに満足できない人たちは、自分自身の日常的な困りごとを1つでも多く書き出してみるといい。
 どうしても思いつかないなら、自分が苦しんできた履歴をブログなどに書いて、家族や友人、ネットの向こうの人たちに読んでもらって、質問してみるといい。
「こんなことに困ってきた私ですが、これを解決する方法はありませんか」と。

 起業家やNPOなどがtwitterのフォロワーを持っていたら、尋ねてみるといい。
 そして、「一緒に解決したい」という人が1人でも現れれば、ビジネス・パートナーとして自分の価値を主張しよう。
 そばに相談できる相手がおらず、それでも本気で生きやすい社会を作るためにソーシャルビジネスを始めたいなら、「社会貢献活動を始めたい方へ」という僕のサイトまでお気軽に連絡されたい。

【関連ブログ記事】

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