今回は基本的に小・中学生から遊べるゲームだが、もちろん大人も楽しめる。
クリスマスや年末年始に試すと、面白いかもしれない。
ランダムに紹介していこう。
まず、公益財団法人 滋賀県国際協会が販売し、“カードゲーム版”として リニューアルされた「わたしん家の食事から」。
「わたしん家の食事から」とは、滋賀県内に住む外国出身の方々が協力し、 世界の食文化について学ぶために2006 年に開発された。
世界の豊かな食文化についてカルチャーショックの機会をつくりだし、日本の食文化を受け入れられず困惑している外国にルーツを持つ児童生徒の気持ちを理解するきっかけにできる。
神経衰弱ゲームやカード合わせゲームとして遊べる他、外国人の子どもたちと一緒に遊ぶ際に「外国の方にすきやきをすすめてみよう」とか「パーティメニューを考えよう」というロールプレイで遊ぶ時に便利だ。
食文化の異なる中国、韓国、バングラデシュ、エジプト、イタリア ドイツ、アメリカ、ブラジル、ニュージーランドなどの国々に対応しているので、全国各地で外国人の子どもと一緒に遊ぶ際に食育や多文化共生を学んでもらえる。
小学校中学年以上から遊べて、値段は2200円(税別)。
同財団のホームページから購入できる。
このように、学校の授業科目や、社会で生きるのに必要な知識、いざ仕事を始める将来に備えてのスキルなどが学べれば、社会に役立つ人材に成長していける。
そのこと自体が、教育段階にある子どもにとっては社会貢献そのものなのだ。
拙著『ソーシャルデザイン50の方法』(中公新書ラクレ)でも、地球の自然環境を守るために基礎知識をカードゲームで遊べる「マイアース」という商品を紹介した。
その最新版(2015年版)が、パッケージ・デザインも刷新されて発売されている。
「マイアース」では、「生き物」カードを使って地球を守る「青い地球プレイヤー」と、 「地球温暖化」カードを使って地球を壊す「赤い地球プレイヤー」に分かれて対戦。
各プレイヤーは、切り札として「人間の活動」カードを使用できる。カードを集め、 自分だけの組み合わせ=「マイアース」を作って勝負する。
カードの組み合わせに正解はなく、自分の考える地球を自由に作れる。それによって、自分が求める地球のありようが、はっきり見えてくるのだ。
これは、自然環境を「自分事」にするためのアイテムといえるだろう。カードには、世界の写真家が撮ったダイナミックで美しい写真が載っていて、美しい。
公式サイトには、更新情報が発表されている。
次に紹介するのは、歴史暗記カード『REKICA(レキカ)』。トランプ遊びをしながら、歴史を覚えてしまえる。
神経衰弱や七並べ、ババ抜きなどと同じ容量で遊びながら、歴史を楽しく覚えられるようになっている。
テストや入試によく出る事柄を厳選し、小中学生のテスト勉強や受験勉強に役立つ。
歴史をひととおり勉強したい大人の方にもおすすめだ。
前編・後編とあり、それぞれ1800円。公式サイトもあり、Amazonで買える。
●科学、マネープラン、プログラムまでゲームで学べる時代
拙著『よのなかを変える技術』でも紹介したおすすめゲームが、「ケミストリークエスト」だ。
これは、天才・小学生起業家が考案した化学結合ゲーム。
水素・炭素・窒素・酸素の原子カードを中心に、CO2(二酸化炭素)やH2O(水)などの分子を作っていくカードゲームだ。
最終的に、多くの分子を結合させ、原子カードをたくさんもっているほうが勝ち。
科学という言葉さえ知らない小学生でも、科学のワクワクを分かち合える。
幻冬舎エデュケーションから、1435円。
なお、手札の元素記号を組み合わせて化学式を作り、得点を競い合うゲーム「物理・原子 原子モデルカードゲーム」(アーテック/740円)というものもある。
授業科目とはべつに、マネー教育も現代っ子のニーズかもしれない。
「遊んで身につく!お金の感覚 New おこづかいゲームブック 」は、おこづかい帳をつけながら、ゲームを進めるうちに、みるみる金銭感覚が身につくゲームブックだ。
6歳からの大きい子用、4歳からの小さい子用の2通り遊べる。
著者の羽田野博子さんは、一級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)。
資金計画・保険・マイホーム・年金など、家計に関わる個別コンサルティングやセミナー講師として活躍中という。
3人の子どもへのマネー教育実践体験をもとに「おこづかいゲームニーズ&ウォンツ」を考案し、2005年に金銭教育啓蒙活動のためのNPO法人 マネー・スプラウトを設立した。
このゲームは、アスキーから1389円で発売中。
なお、認定NPO法人 金融知力普及協会では、「経済TCGエコノミカ」という金融商品や経済用語などの知識が身につくゲームを開発・販売している。
「新興国株」とか「ゴールド」「定期預金」「日本国債」「ドル」などのカードがあり、公式サイトではルールについてもわかりやすく紹介されている。
2015年には、第一回SMAMカップ全国大会も開催された。
これは、どちらかのプレイヤーの山札がなくなるとゲーム終了。
その時点でより多くのストックを持っているプレイヤーが勝利するというもの。
Amazonでは、1296円で買える。
最近は、プログラムを学ぶというニーズもあるので、これもゲームで覚えられる仕組みが増えている。
カルタで遊びながらHTML5の108のタグを学べる学習ゲーム「HTML5KARUTA」は、エンジニアに大人気のアイテムだ。
HTML5以前から変わらず残っているタグの「初級セット」、HTML5でコーディングをするときによく使うタグの「中級セット」、あまり使われることのないタグや解釈の変わったタグの「上級セット」があり、それぞれ36のタグで構成された名刺サイズでのカルタだ。
プログラムを学び始めた人なら、子どもでも、知識の確認と記憶の定着ができるだろう。
PDF版の無料ダウンロード、あるいはレベル別の各セット(1980円※税込)の購入は、公式サイトを参照されたい。
一方、「CodeCombat」は、ロールプレイングゲームを楽しみながらJavaScript言語を効率よく学習できるWebサービスだ。
「ゲーム画面」を見ながらキャラクターのすべての操作を「エディタ」へ直接プログラミングしながらコントロールし、仲間を見つけて敵を倒していくと、自然にJavaScript言語を扱えるようになる。
トップ画面のメニューから「EDITOR」をクリックすれば、自分だけのオリジナルゲームも作れる。
問い合わせは英語を使うしかないが、何より無料でできるのは、ありがたい。
インターネットに接続できる環境にいれば、どんな子どもでも自発的に学べる。
良い時代になったものだ。
ちなみに、前述した「マイアース」は、大学生が学生時代に発想・試作したものが、商品化された事例だ。
学生時代から楽しく社会貢献になるゲームを作り出せば、ゲームの顧客であるユーザに近い感覚で開発できるだろう。
開発した青年のレクチャー動画があるので、遊ぶだけで社会貢献になるゲームを開発したい方や、子育てや教育の現場で「遊ぶだけ社会貢献になる仕組み」を作りたい方は、見てほしい。
遊ぶことは、主体性と継続性を担保しながら、自然により良い社会を作っていけるのだから。
ちなみに、前述した「マイアース」は、大学生が学生時代に発想・試作したものが、商品化された事例だ。
学生時代から楽しく社会貢献になるゲームを作り出せば、ゲームの顧客であるユーザに近い感覚で開発できるだろう。
開発した青年のレクチャー動画があるので、遊ぶだけで社会貢献になるゲームを開発したい方や、子育てや教育の現場で「遊ぶだけ社会貢献になる仕組み」を作りたい方は、見てほしい。
遊ぶことは、主体性と継続性を担保しながら、自然により良い社会を作っていけるのだから。
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