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■「遊ぶだけで社会貢献」になる仕組み

 良いことだとわかっていても、やらない・できない・しないことは多い。
 社会貢献活動においては、誰かに呼びかけられて「みんなが参加するなら自分も…」という具合におっとり刀で参加するケースが珍しくない。

 だからこそ、同情や共感に根差した「あえてする社会貢献」だけを拡張しようとしても、動機そのものが頭打ちしてるのだから困難なのだ。

 むしろ、自分自身の欲望に素直に従って「したいこと」の中に自然に社会貢献になる仕組みが含まれている方が、無理なく活動を広げていける。

 実際、「遊ぶだけで社会貢献になる仕組み」は今日、さまざまな商品・サービスに組み込まれている。

 次々に違う遊びに誘って、参加費の一部から社会貢献活動の団体へ寄付するサークル「meets」についてはこのブログ(←クリック)に書いた。
 そのサークルと同様に、岐阜県美濃加茂市にも、バドミントンを中心に活動をしているイベントサークルMTAがある。
 MTAは、「日常から、身近なことから、社会貢献できることをしよう」と、参加費の一部(体育館代など経費を引いた分の参加費)を社会貢献の活動団体へ寄付している。

 公式サイトには、「寄付や社会貢献を難しく考えずに、運動不足解消したい人、ストレス解消したい人、みんなで楽しく運動しましょう」とある。
 楽しむだけで、これまでに災害に強いまちづくりを支援するレスキューストックヤードや、東北で被災した子どもが20歳になるまで支援するハタチ基金などへ寄付をしてきた。

 参加費の額面に無理がなければ、こうした活動を始めることは難しくないし、参加者もSNSやブログなどを通じて集めやすいだろう。

 今回は、「遊ぶだけで社会貢献になる仕組み」がいろいろなビジネスの中に組み込まれているシーンを見てみよう。


●ゲーム・カラオケなど、「娯楽で社会貢献」のゲーミフィケーション

 フェイスブック上で行われる無料ゲームWeTopiaは、子供たちが遊ぶ街をバーチャルの世界で創り出すことを競う。
 このゲームでは、ルールに従って公園等の建物を立てたり、農作物を育てたりするなど、与えられた課題をクリヤーする際に得られるポイントを貯めれば、まとまった段階で提携先である非営利団体(セーブ・ザ・チルドレンなど16団体)に対して寄付できる。
 寄付先の団体は、その資金でリアル社会で子どもたちのための本やきれいな水、医療サービスなどを購入できるのだ。

 このように、ソーシャルメディアを活用することで多くの人を引きつけるゲーム的な要素、技術、ノウハウなどを、「ゲーム以外の分野」に応用させる仕組みは、「ゲーミフィケーション」と呼ばれている。

 日本でも、スマートフォンアプリの開発会社「株式会社グラティーク」が設立された。
 同社は新たなビジネスモデルの事業として、社会問題をテーマとしたスマートフォン向けゲーム「gratus(グラタス)」を立ち上げる。
 NPO法人などの社会企業と協力してスマートフォン向けゲームを開発し、ゲームアプリの売上から一定額を継続的に寄付する。
 同社は、特定非営利活動法人NPOサポートセンターと包括的な業務提携した。

 Sonyや任天堂などのプラットフォーム側の企業が本腰を入れて、「遊べば遊ぶほど社会貢献になるゲーム」を開発するようにソフト開発ベンチャーに知恵と仕組みを出させれば、ソフトもプラットフォームも今より売れるだろう。
 日本より欧米の市場の方が、はるかに社会貢献への共感度が高い上に、「遊ぶ」ことに対する罪悪感を払拭したい気持ちが強いからだ。

 3・11以後、自社の通常業務を通じて社会貢献ができる仕組みを導入する企業は増えた。

 カラオケチェーンを経営するシダックスでは、2011 4 18 日~6 30 日の期間限定で、全店(302 店舗)に設置の DAM シリーズ機種(約 1 万ルーム)で対象チャリティーソングを歌うだけで 1 曲ごとに 1 円を、被災地の子どもたちの支援を行う「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」に寄付する仕組みを導入した。

 カラオケの鉄人では、各店舗の鉄NAVI(リモコン)からログインした鉄NAVI画面から会員ページへ進み、チャリティー参加のボタンをタッチすれば、「鉄ポイント」を寄付できる。
 100鉄=1円の換算だが、日本赤十字社を通じて被災地の支援活動に使われる。
 震災から4年後の今日でも続けられているのが、「歌うだけで社会貢献」が無理のないアクションであることを示しているといえるだろう。

 「遊びたい」という欲望で動機づけられた行為が、結果的に社会の役に立つ。

 おまけとして、犬とボール遊びをする際に使う「オービータフ・グロウボール」を紹介しておこう。
 この商品の販売価格10%は、輸入販売元である株式会社ダッドウェイを通して日本介助犬協会に寄付され、介助犬育成のために使われる。

 犬と遊ぶだけで介助犬を必要とする誰かのためになるなら、ボールひとつも選んで購入したいところ。
 そのような寄付付きの商品・サービスは増えているし、この記事(←クリック)にも書いたので参照のこと。

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