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■メンヘラビッチバー、絶賛継続中!

 昨年(2015年)12月から実験的に始まった東京・新宿での「メンヘラビッチバー」が、共感する客たちが増え続け、2016年5月現在も継続中だ。

 5月13日には、第11回めのメンヘラビッチバーが開催された。
 この春に上京した若い人ほど、早めに知っておいてほしい。
 あるいは、上京される際は、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

 メンヘラビッチバーとは、「メンヘラビッチが楽しく働くこと」がコンセプトの完全招待制バーで、不定期に開催されてきた。
 毎度、Facebookの専用ページで開催の日時・場所が事前に告知され、予約すれば参加できる。
 Twitterアカウントは、コチラ

 建前なしの本音のビッチトークが聞けたり、店主(主催者)がメンヘラなので精神的なお悩み相談もできる。
 ただし、メンヘラビッチとの会話を楽しむお店なので、しつこいセクハラやメンヘラビッチへの糾弾は厳禁。
 スタッフを傷つけるような言動をした客には、店側が「退場権」を行使する。
 また、バーテンの気まぐれで途中閉店することもあるが、あらかじめ「メンヘラなので悪しからず」と断っている。

 「来店してほしい人」として、以下の属性が発表されている。
・だめんずうぉーかー系女子
・メンヘラ女子&ビッチ女子
・上っ面の下ネタでなく、本気の下ネタを話したい、聞きたい方
・性や恋愛やメンタルのお悩みを抱えている方

 つまり、みんなで楽しく性と愛について語り、笑って泣いて飲み明かせる場所なのだ。
 最初から「身の下」の話が歓迎されているため、ふだん会社や学校などで自分の性癖や恋愛依存症などを相談できなかったり、腹を割って恥ずかしいことが言えない人にとっては、気軽に遊べる貴重な場所だろう。
ある日のメニュー表。予約はFacebookページまで

メンヘラビッチ目線で語っても受け容れられる

 メンヘラビッチバーの現在のメインのバーテンダー(主催者)は、内田美里さん。
 彼女は1988年生まれで、「ちょっと頭のおかしい姑とヒステリックなお母さん、無関心なお父さん」のもとで育ち、中学時代にハブ、いじめに遭った。
 恋人に振られる不安に振り回され続けながら、うつ浸りな中高時代を過ごし、摂食障害、DV被害を経験後、大学在学中19歳で風俗デビュー。
 2011年「べてるの家」と「当事者研究」に出会い、自分の生きづらさや苦労を媒介に人とつながる手段を得たという。

 そんな内田さんは、「メンヘラビッチバーのブログ」に店を営む理由を以下のように書いている。

 私にとって恋愛やセックスは人生において何よりも重要な関心事項だった。
人とつながる貴重な手段であると同時に、「楽しい」や「幸せ」という言葉はそぐわない常に辛いもので長年ずっと苦しめられてきた。
 苦労を自分の言葉で語り仲間と苦労を共有していくことで格段に生きやすくなった経験はあったものの、他のテーマなら堂々と相談出来てもこればっかりはドン引きされてこちらが傷つくか、相手も傷つけるかもしれないと躊躇していたが、今回縁あって「メンヘラビッチ」という言葉に魅かれて集まってくれた多くの方と出会った。
 その中で私のイタくて本当にどうしようもない経験を話すとウケた。
 「メンヘラビッチ」目線で語っても全然受け容れられ、お金を稼ぐことも出来たのだ。
 「メンヘラビッチ」を生きることはイタくてしんどい。
 でも彼女・彼らの先達の教えスキルがあればとっても生きやすくなるはず。
 渦中の方の救いにもなれたらと思う。

 内田さんのメンヘラビッチ当事者に対する真摯な思いが伝わってくる。
 実際、性はその人の生きづらさを端的に象徴してしまう。
 性は、自尊心のありようそのものなのだ。
 それゆえ、初対面の誰かに自分の失敗談や愚かな対人関係を語ることを恐れることもあるだろう。

 それでも、ふつうの人は聖人君子のようにはふるまえない。
 ビートルズが『レディ・マドンナ』で歌ったように、子だくさんのシングルマザーとして生きていこうとすれば、「聖女」を演じきるわけにもいかないのだ。
 女性に「聖女」や「処女性」を期待するのは、男社会の病にすぎず、女性自身の求める理想の女性像とは言いがたい。

 社会常識に縛られてつらいなら、常識になじめない自分を責めるのではなく、常識の方を疑おう。
 人類は、常識を疑うことによって成長し、発展してきたのだから。

 メンヘラビッチバーは、実験的に1日だけ開催され、それ以後、マイペースで開催を積み重ねてきた。
 このように、「1日だけの店」を試みれば、自分にとって無理のないペースで、スモールビジネスが難しくないことを悟り、稼ぐことに自信も持てる。
 いずれ、週1の開催になるかもしれないし、週3になるかもしれない。
 その頃には、他の仕事で食えなくなった時のセーフティネットに育てることができるかもしれない。

 最後に、メンヘラビッチバーで以前に話題になったポリアモリー(複数愛)についての本を紹介しつつ、この記事をご覧のあなたにメンヘラビッチバーで会えることを楽しみにしよう。
 そして、あなたの住む街でも、こんな店を実験的に営んでほしいと思う。


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