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■舛添・都知事の騒動から、市民自身による社会設計へ

 舛添要一・東京都知事の不正会計疑惑をめぐる釈明会見が連日続いている。
 テレビの生中継を見ていて、「何を聞かれても『第三者の厳しい調査で~』のフレーズでごまかすのかよっ!」と突っ込みたくなった人は多いだろう。

 実際、顧問弁護士の入れ知恵なのか、今日(5月20日)の会見で舛添さんは個人的な見解は一つも言わなかった。

 面白かったのは、彼の前に不正会計疑惑で都知事を辞職した猪瀬直樹さんがフジテレビの昼の番組『バイキング』に生出演し、俳優の坂上忍さんから舛添さんの進退に関する個人的見解を尋ねられ、「僕の決めることじゃない」を繰り返していたことだ。
 猪瀬さんも自分の意見を言わないのだった。

 猪瀬さんが百条委員会で吊し上げを食う前に自ら辞職した経緯を思えば、舛添さんも百条委員会による調査を議決される直前に辞職するのではないか?
 自分の意見を言わないのは、言えば自分自身が泥沼にズブズブと入ってしまうことを恐れているからだろう。
 舛添さんの不正会計疑惑は、今に始まったことではないからだ。

 2014年7月22日付の日本経済新聞の記事によると、舛添さんは同年722日に都条例に基づき、知事就任時点での資産を公開した。
 本人名義の不動産や預金、貸付金を合わせた資産総額は約3億4723万円。
 東京都世田谷区に土地と建物を所有し、固定資産税の課税標準額は土地が約808万円、建物が約613万円。
 預金は2000万円あり、貸付金は約31301万円に上った。
 有価証券はNTT株を200株保有。
 ほかに取得価格が100万円を超える絵画1点を所有。

 ん?
 資産総額3億4723万円のうち、貸付金が約3億1301万円?
 たった2000万円の預金だけを残し、3億円以上も誰かに貸し出す人なんているの?
 木更津の宿や美術品のことより、その公式発表の方がはるかに変だし、額もデカイ!
 そこで、2年前の2014年8月に舛添さんが疑問に答えていない記事が上がった。
 つまり、舛添さんはこの2年間ずっと、不正会計疑惑をマスメディアに突かれ続けてきたのだ。


●政治家より「ただの市民」が社会的課題を解決する時代へ

 遅かれ早かれ、舛添さんは辞職を余儀なくされるだろうし、それは都議会の議員たちがそれぞれ支持者や都民から「百条委員会の調査を議決しないのか?」としつこく迫られてこそ実現することになるだろう。

 もっとも、こうした「政治とカネ」の問題は、国政でも噴出している社会的課題なのに、政治資金規正法が1948年に規定されて以後、67年間、疑惑を指摘されて自ら辞職していく政治家たちが後を絶たない。

 これは、政治資金規正法がザル法で、有効に機能していないこと以前に、国民自身が政治的関心を失ってきたことにも一因があるように思う。
 実際、国政選挙の投票率は、戦後最低レベルまで下落した(※参議院も同様)。



 日本人は、忘れっぽい属性を持っている。
 だから、不正会計疑惑や政治資金規正法違反の事件があるたびに、その政治家に怒りをぶつける。
 怒りをぶつけて批判したところで何も変わらないので、同様の不祥事が続いていく。
 それでも、少しずつ少しずつ国民の間には政治不信が高まり、上記のデータのように投票率は52%程度に落ち込んだ。
 もう、最大で「2人に1人の民意」しか政治に反映できない。

 そして、多くの人の生きづらさを解消してくれる仕組みを作れる人材を議会へ送り出すことに、僕らは失敗し続けている。
 これ以上、政治家に期待しては裏切られる屈辱に耐える必要があるだろうか?
 僕なら、金や名誉や地位を欲しない「ただの市民」に賭けたい。

 投票率の下落や政治不信の高まりの問題は、社会の仕組みを作るのが政治によってしかできないという勘違いを続けることなのだ。

 「政治がダメだから社会はおかしくなっていいくばかりだ」という失望で思考停止していても、失業・貧困・差別など深刻な社会的課題は残り続けるだけだ。

 むしろ、「政治家がダメなら民間で市民自身が社会的課題を解決できる仕組みを作り出そう」という発想を持ち、その実例を学ぶことが大切だろう。

 いつまでも政治家にばかり期待し、怒ったり失望したりを繰り返していても、それは自分自身の思考停止の悪習慣を温存するだけなのだ。

 では、民間で市民自身が社会的課題の解決の仕組みを作り出す実例は、どこにあるのか?
 「ソーシャルデザイン」や「社会起業家」の言葉でネット検索してみてほしい。
 ネット上にすでに多くの解決事例が紹介されているし、関連本もたくさん発売されている。
 昨年(2015年)、僕(今一生)が早稲田大学でソーシャルデザインについて超わかりやすく解説した講義の動画を紹介しておくので、ぜひ見てほしい。
 中高生でも面白く聞けるはずだ。



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