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■日本人が韓国・中国でハグを求めたら◯◯な結果に


 まずは、以下の動画を観てほしい。
 2015年4月3日に、ある日本人青年が韓国ソウルの路上に立ち、フリーハグを試みたものだ。
 目隠しをして両手を広げる彼に、韓国人たちはどう反応したのか?



 彼は、桑原功一さん。
 大学生時代は冒険教育学を専攻し、卒業後、世界一周に出発。
 フィリピン語学留学、オーストラリアワーホリ、中国留学、ユーラシア大陸自転車横断など様々なことを経験。
 世界各地で出会った東アジアの人たちの優しさに心を打たれ、「東アジアと日本をつなげよう」とフリーハグ活動『Free Hugs 4 Peace』を2011年から続けている。

 将来は、世界の素晴らしさを語れる小学校教師を目指しているそうだ。

 では、もう1本、今度は今年(2016年)5月に公開された中国・北京での動画を観てみよう。



 なぜ、桑原さんはこのフリーハグ活動を始めたのか?
 2015921JICA横浜で行われた国際平和映像祭に「Peace begins with a hug」を出品し、横浜市国際局長賞を受賞した彼は、映像祭のサイトで以下のように述べている(一部を抜粋)。

2010年に中国に留学していた僕は、一万人以上が参加する大規模な反日デモにまきこまれました。
 中国の人々に燃やされる日本国旗、破壊される日本車や、日本のスポーツメーカーの無惨な様子をこの目で見て、言葉を失いました。
 しかし、だからといって僕は、中国人全員に対して嫌いになったり、憎しみを抱くようなことはありませんでした。
 留学中にたくさんの中国人の優しさを受けていたからです。
 むしろ、この現実を直視したことで、『この状況を打破するには、どうすればいいか?』と深く思索するようになりました。
 戦争は、そこに人間同士の交流がないから起きます。
 今の時代、交流することなら簡単です。
 誰でもできます。
 インターネットがあるからです。
 僕がやっているのはインターネットを活用し、普通の人が知らない、新しい中国や韓国の素顔を映し出すこと。
 それにより心の底に眠る不信の闇を晴らし、人間同士の交流へとつなげていくきっかけを作る。
 そして、その交流というものがゆくゆくは平和へと繋がっていくのだと信じています。
 外交といっても、やり方はひとつではなく、一人でもできることはたくさんあります。
 国ができないことを民間でやっていくのは、とても地味で目立たないし、そう簡単に結果がでるものでもありません。
 しかし、平和というのは机上で形成されるものではなく、人と人の間から生まれるものです。
 このフリーハグ活動を通して、そのことを誰にでもわかりやすいように伝えるために僕は続けています」



●ハグは、力関係を使わない平和革命の手段の一つ

 桑原さんのYoutubeのチャンネルでは、2011年から今日までのフリーハグ動画が観られる。
 その中には、公園で現地の人から「あっちへ行け!」と煙たがられるシーンもある。
 フリーハグを呼びかける現地語で書かれた看板を観ても、ふつうにスルー人も多い。
 それでも、彼が黙って路上に立つ時、どこの国の人々も笑顔になって近づいてくる。

 一瞬だけ、あたたかい気持ちを分かち合っているのがよくわかる。
 その一瞬は、バカにできない。
 なぜなら、桑原さんのたった一人で始めたこのアクションは、この5年間でいろいろな波及効果を生み出しているからだ。
 2015年11月12日、韓国人の女性が韓国の伝統衣装を来て、日本の京都でフリーハグを求めた。



 そして、2016年に入ると、着物を着た日本人女性が、「私は日本人です。一緒にハグしませんか?」と書いたボードを掲げ、韓国ソウルの路上に立った。
 怖いことなんて、起こっただろうか?
 下記の動画を見てみよう。



 こうしたフリーハグの試みは、彼女しか出来ない特別なことじゃない。
 2016年2月に、小川文子さんという若い女性も韓国でフリーハグを試みた。
 この動画が、とっても楽しそうだ。
 彼女のあっけらかんとした笑顔を見てると、「人間っていいな」と思えてくる。



 フリーハグは、一瞬で国籍も文化も性別も年齢も超えさせてしまう。
 そして、僕ら同時代を生きるただの市民が、国家によって個人どうしのつながりを分断させられているかに気づかされる。
 どこの国の市民も、自国の政治家がさほど賢くないことを知っている。
 そして、戦争なんて起こしてほしくないし、自分の仲間を戦地に送りたいなんて思わない。

 どこの国でも、政治家というものは、「自国の国益」の名の下に外国を敵視するような文脈を作りたがり、それを教育に盛り込むことすらいとわない。
 しかし、僕らただの市民は、政治力や財力、暴力といった「力による関係」なんて求めていない。
 そんなものを求めなくても、音楽や映画、本やアート、スポーツやビジネス、そしてたった1回のハグによって分かち合える「平和で安心できる関係」こそが、「自国の利益」と「他国の利益』を同時に成立させることを知っている。

 ハグは、特定の政党や宗教、思想に利用されてはいけない。
 「ただの市民」として個人が対等に平和で安心できる関係を求めていることを、確かめ合う行為なのだから。

 できれば、個人がたった一人で外国の路上に立つだけでなく、みんなでできるチャンスを増やせるといい。
 日本・韓国・中国・台湾の旅行代理店が提携し合って、お互いに自国の団体を相手国へ旅行させる際に現地でフリーハグをみんなでやるツアーを企画すれば、ただの物見遊山の見物ツアーや爆買ツアーではなく、国境を越えた心の通わせ合いを短期間に多くの人によって実現できる。

 ハグは、立派な平和運動だ。
 大勢の人の前で一人で立って身を預けている外国人を、攻撃したい人なんている?
 一度ハグした相手の国で生きる人々を憎める人なんて、いる?
 ハグは、ビートルズが『リヴォル-ション』で歌った「力を使わない上手な革命」の一つになりうるのだ。

 どこの国だって、国民を支配したがる政治家や富裕層などの一部の連中がおかしいのであって、一般国民は、敵国の人間だろうと、誰だろうと、人間を傷つけたくはないんだよ。
 支配者が作りたがるこの生きづらい社会の仕組みは、毎日の仕事によって変えられる。
 民族対立だって、たった一人の旅行代理店の社員の企画から解決できるかもしれないのだ。

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