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■電気代0円で暮らすソーラー女子の本が出るよ!

 電力会社との契約をやめ、自宅で「電気代0円」の暮らしを2012年から続けている「ソーラー女子」の藤井智佳子さんについて、以前のブログ記事で紹介した。

 その藤井さんが1月26日、『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』(フジイチカコ&東園子・著/1200円+税/カドカワ)というコミックエッセイ本を発表する(電子書籍も同時発行)。
 また、出版に合わせてインターネットの「ダ・ヴィンチニュース」128日~22日の6日間、この本の冒頭の数ページが日替わりで掲載されるそうだ。
 しかも、出版記念セミナーも予定されている。

 知って得する!ソーラー女子の省エネ・エコの知恵とワザ
★日時:228日 午後1時半~
★場所:角川第1本社ビル2Fホール
★入場料:2500円(※サイン本付き)
★申込み・詳細:下記リンクを参照


 Youtubeには、藤井さんへのインタビュー動画がいくつか紹介されている。
 その一つを観てみよう。



 自分の使う電力が誰かの不幸と引き換えのものだとしたら、あなたはその電力を何のためらいも感じずに使えるだろうか?

 3・11の東日本大震災に伴う福島原発の事故によって、原発立地エリアの周辺のまちは立ち入り禁止になり、たくさんの市民が故郷を離れざるを得なかった。
 福島原発の作っていた電気は、遠い東京のような大都市に住んで働く人たちにも供給されていたものだ。

 もちろん、千葉に住む僕の家も、東京電力からの電力供給を受けてきた。
 しかも、老いた両親は、電力自由化に伴う選択の自由を行使しようとはしない。
 忸怩たる思いは、常にある。

 原発立地エリアに住む人々に放射能汚染とその不安を与えながら、安全圏で電力を使う人たちの一人として、今なお故郷に帰れないでいる避難者たちの境遇を忘れるわけにはいかない。
 かといって、原発で作る電力を使い続ける人を「意識が低い」なんて責めたくはない。

 ただ、前述の藤井さんのように少しでも使う電力を減らしたり、太陽光による自家発電を導入するなど、必要最低限度の電力で暮らす仕組みを取り入れていくことは、意外と簡単であることぐらいは知っておきたいと思うのだ。


●広告に踊らされず、1人1人がビジネスを学ぼう

 声高に脱原発を叫んだり、何度もデモ行進をするよりも、日常的に1人、また1人と電力消費を減らし、電力会社への依存度そのものを低めていけば、勤務先の企業や役所などに対しても節電や省電力化を求める人が増えていく。
 そして、やがてそれが電力を大量消費している企業などの法人にも及んでいけば、電力に今ほど依存しなくても暮らせる新しい時代を切り開けるかもしれない。

 それこそが原発という危険で生きづらい社会を変えることだし、ソーシャル・イノベーション(社会変革)になりうる道筋の一つだろう。
(少なくとも、日立グループのTVCMのように、原発で儲けた金で横並びの技術開発や公共事業を行うことは、ソーシャルイノベーションではない)

 原発は、原子力の平和利用という名目で「原爆」を開発する技術を温存するという軍事戦略上の存在価値しか持っていない。
 だからこそ、立地するまちの市民がどんなに危険にさらされても、東京に住む政権与党の政治家は、莫大な国税を投入してきたのだ。
 原発で地方の市民がいくら死のうと、それ以外の多くの国民の命が軍事的な平和を保てればいいという思想が、日本では正当化されてきたのだ。

 原発立地エリアに住む市民は、日本にとって平和を維持するための人身御供(いけにえ)だ。
 米軍基地が建てられている場所も、同様だろう。

 しかし、なぜそうした危険な施設が戦後70年間、日本のあちこちの地方に作られてきたのかといえば、その土地の自治体が財政面で大きな不安を抱えていたからだ。
 税収の少なさを補い、自治体運営を健全化させるために、国からの補助金を当てにした。
 国は、そうした不安につけ入り、原発や基地を建てることを条件に補助金を出した。

 もっとも、福島原発のように事故がおきれば、国は地元市民に満足な保証などしない。
 現在の日本は借金と増税でしか歳出を埋め合わせられない状況だし、そもそもこれまで出してきた補助金には「慰謝料」的な意味合いが入っていたからだ。

 自治体は、税収を増やせるよう、地元市民が1人でも多く稼げるだけの教育の仕組みを導入すべきだったのだ。
 しかし、国からの補助金を引っ張れる人材を自分たちのリーダーとして選択してきたのだから、自業自得かもしれない。

 今日では、その選択の方針が間違いだったと気づく人も増えている。
 必要なのは、国に依存する自治体ではなく、市民にビジネスを理解させ、市民自身が地元でより多く稼げるようにビジネス教育を提供し、「あの街に住むと稼げるぞ!」と市外から移住者が続々と増やせるようにすることだ。

 起業教育を老若男女に提供すれば、市民一人一人の「稼ぐ力」が増すのだから、市立・県立の公立校に実践的な起業教育を導入するだけでも、地元に残って稼ぐ人材を年々増やしていくことh難しくないはずだ。
 それには、経営実績のある人材をリーダーに選び必要があるだろう。

 もっとも、そうした試みの抵抗勢力になるのが、電力会社のCMに加担している有名人だ。
 彼らは「原発は安全だ」というメッセージを、品良く、口当たり良く発信してきた。

 以下のリストは、My News Japanに2011年4月に掲載された記事にある資料だ。
 原発PRを目的とするCMに出ていた著名人12人をピックアップし、過去5年間(200641日~2011331日)の全国紙(朝日、読売、毎日、日経、産経)で記事の見出しに名前が出ている数(連載記事、特集記事、インタビュー記事)の合計を「オピニオン度」と定義した「原発CMワーストランキング」として発表されている。


 今日では、こうした著名人たちが、何食わぬ顔でテレビやラジオなどの仕事に復帰している。

 莫大な出演ギャラを受け取りながら、原発の安全性を無責任に訴えてきた彼らと、彼らに広告の仕事を渡してきた電力会社や広告代理店には、故郷を失い、家畜を見殺しにせざるを得なかった福島の人たちの痛みはわからないだろう。

 僕らはそうした広告にあるメッセージの意味に対して、もっと敏感になる必要がある。
 莫大な金が動く時、そこにはうしろめたさを蹴散らす目的があるのだ。
 国からの補助金も、広告の出演ギャラも、そうした目的を果たすために支出された。
 被災者の暮らしを救うためではなく。

 金も、電力も、なるだけ少なくて済む暮らしを心がけたい。
 自分から遠い人たちの暮らしに不安を与えないために。

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