親から虐待された方々から「親への手紙」を公募し、100通分を収録したものだ。
2ヶ月間の公募で300通以上が集められ、この本には9歳から80代までの「親への手紙」が収録されている。
厚労省は、児童福祉の実態調査の結果として、全国の児童相談所に寄せられる相談件数を1990年度から発表しているが、『日本一醜い親への手紙』という本が出るまでは、件数は1000~4000件程度だった。
しかし、『日本一醜い親への手紙』の続編『もう家には帰らない』が翌1998年に出版されると、児童相談所への相談件数は増え始め、翌99年(平成11年)にはついに1万件の大台に乗ったのだ(下記の画像をクリック)。
つまり、虐待された当事者が書いた「親への手紙」の本の出版によって、児童虐待の深刻さが多くの人に伝わり、親も子も自分のしたこと・されたことが「虐待」であるという気づきを得たり、虐待をやめられずにいる自分(あるいは虐待されたことで苦しみ続けている自分)を発見したのだ。
親から虐待された当事者たちの声は、児童虐待に無関心だった社会を変える力を秘めていたのだ。
あれから20年が経った2017年の今、ふたたび「親への手紙」を公募して本を作ることにした。
理由は主に3つある。
① インターネットの普及によって、1997年当時は集めにくかった10代(未成年)のリアルタイムな虐待の実態を、今なら浮き彫りにできるはずなのに、誰もやっていないから
(※リアルタイムな虐待がわかれば、児童相談所へ通告し、問題の早期解決へ導ける)
② 身体的虐待・心理的虐待・ネグレクト(育児放棄)・性的虐待だけでなく、子どものお金を親が不当に奪う「経済的虐待」や、親自身が精神病やカルト宗教団体の信者、過激な政治思想の持ち主などによって子どもが一般社会となじめなくなる「文化的虐待」など、新しい虐待のタイプを伝える必要があるから
③ 安倍政権下の日本では、軍事費ばかりが増え、児童福祉への予算割当が少なく、虐待された子どもを救うのもままならないどころか、虐待を減らす仕組みすら作らない「政治的虐待」ともいうべき深刻な現実に、子どもを守るはずの大人たちがあまりに関心が足りてないから
『新編 日本一醜い親への手紙』は、そうした趣旨で企画書を作り、20年前に版元だったアスキー・メディアワークスはもちろん、大手の出版社に打診したが、次々に断られた。
理由の多くは、「売れない」だった。
それは、20年前に初めて宝島社に企画を持ち込んだ時も同様だった。
しかし、メディアワークスに当時新設された一般書籍編集を担うオルタブックス編集部では、企画を軽く話しただけでゴーサインが出た。
おかげで「親への手紙」は3部作のシリーズとなり、角川文庫にも収録され、その後も『日本一醜い親への手紙 厳選版』(ノンカフェブックス)というアンソロジー版が復刻出版された。
これだけ長く支持され、しかも上記のように児童相談所への相談件数が右肩上がりで増え続け、25年間で約100倍もの増加率を示している以上、20年前より確実に児童虐待への関心は明らかに高まっており、児童虐待の本の商品価値に対しても追い風が吹いていると見る方が自然なのではないか?
左:信田さよ子氏 右:今一生(Create Media) |
いずれにせよ、大手の出版社では出せないのならと、『日本一醜い親への手紙』の解説を書いてくださった臨床心理士の信田さよ子氏を通じて知り合った編集者であり、大手から中小までの出版社を渡り歩いて株式会社dZEROを立ち上げたベテラン編集者の松戸さち子さんに相談すると、「出しましょう」と快諾してもらえた。
●みんなの思いで、この本を出版させてください!
しかし、dZEROは2013年にできたばかりの会社で、資金的な余裕がない。
しかも「親への手紙」は1人1万円の謝礼を執筆者100人に提供するため、通常の出版コストに100万円以上のコストが上乗せになる。
これでは、創業まもない出版社としては早期に利益を上げる負担が大きすぎる。
そこで、クラウド・ファンディングによる制作費の調達を試みることにしたのだ。
今回のクラウド・ファンディングでは、『新編 日本一醜い親への手紙』(仮題)を全国やネットの書店で流通する前に先払いで買っていただける。
1点2000円(※郵送費込み)から気軽に買えるが、大量購入ができる企業などの団体にこの応援プロジェクトを知っていただく必要がある。
通常の出版コストは、300万円弱。
100人の謝礼を加えると、400万円以上。
そこで、みなさんにお願いしたい。
以下の団体に声をかけ、今ごらんのブログのURL(ホームページアドレス)を伝えてほしいのだ。
★児童福祉の学校の学生向け副教材として…
★劇団で児童虐待をテーマにした演劇を始める際の元ネタとして…
★青年会議所やNPOなどで地域の児童虐待の実情を学ぶ資料として…
★弁護士会で児童虐待の防止・保護の活動に取り組む動機づけとして…
★政党内で児童虐待の防止・保護を進める議員研修・勉強会の資料として…
★小・中・高校の校長会・教職員組合・PTAなどで児童虐待を学ぶ研修資料として…
★子ども向け商品を扱う企業のCSRアクションとして…
★子ども向け商品を扱う企業の販促&自社ブランドアップの頒布物として…
★保育・養育・福祉の学校の受験・入学・卒業の記念プレゼントとして…
★こども食堂を営むボランティア団体などで児童虐待の防止を啓発するアイテムとして…
上記の団体で働く人を直接知っているなら、メールでこのブログ記事を伝えてほしい。
twitterのフォロワーに上記に関連する人がいる心当たりがあるなら、@でつぶやいてほしい。
「どんな本なの?」と尋ねられたら、「そのブログにある動画を見て」と教えてあげてほしい(以下の動画)。
すでに、この本に「親への手紙」を書きたい方向けに公募サイトを作り、原稿を募っている。
先着順で選考するので、応募者が見逃すことがないよう、公募サイトもtwitterやfacebookなどで拡散してほしい。
公募サイトも、動画も、クラウド・ファンディングのHPも、僕がたった一人で作っている。
孤独な戦いだ。
でも、あなたがほんの少しでも助けてくれるなら、「親への手紙」を出版でき、みんなの元へ本を届けられる。
その本が生まれれば、今この日本で起きている児童虐待の深刻さを思い知った人たちが、親から虐待される子が1人でも減るよう、動き出すかもしれない。
僕も、その一人になるつもりだ。
児童相談所も予算不足で機能不全である日本では、民間で子どもたちを守り抜く仕組みを作り出す必要がある。
この本の出版後、僕は虐待を受けた子たちが優先的に働ける場所を作り出し、働きながら起業ノウハウを学び、それをより若い世代へ教えていけるようにしたい。
そうすることで、虐待する親から避難できるだけの資金を自力で作れるようになる。
そのために、ソーシャルビジネスを行う事業型NPOを立ち上げる。
僕には、夢がある。
昼間はコ・ワーキング・カフェとして機能し、夕方からは毎日トークライブなどを行う多目的ライブハウスとして利用でき、地下には音楽スタジオ、2階より上はシェルターにもなるシェアハウスがあるハコモノを運営したい。
そこを地域の文化拠点として、さまざまな人材が子育てに関われるようにし、親がいなくても、みんなが子どもを育て、社会全体で子どもを愛する文化を育てたい。
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