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トリカブト保険金殺人事件を覚えているだろうか?

 1995年、トリカブトを使って殺人を犯した男がいた。
 それは、トリカブト保険金殺人として大きな話題になった。

 当時は、トリカブトの毒性があまり知られておらず、担当の刑事は少量をなめるという自殺行為に及んでも、致死量を推察し、容疑者を追いつめる勇気を必要とした。

 この容疑者が、自分の経営するスナックで有料の記者会見を開き、連日テレビで報道されたことから、30代後半以上の世代なら覚えているかもしれない。

 そして、この事件の全貌を捜査であぶりだした担当刑事の大澤良州(おおくに・よしくに)さんが執筆した本『トリカブト 「本庄保険金殺人事件」元捜査一課刑事の回想』(宝島社)が、11月19日に発売される。

 Amazonでは、この本が以下のように紹介されている。

主犯・八木茂の死刑が確定し、犯行に関与した愛人たちもそれぞれ実刑判決を受けた。
複雑な毒殺のトリックを執念の捜査で暴いた元・埼玉県警捜査一課刑事が、
事件から20年目に「史上最大の作戦」のすべてを明かします。


 僕は、友人の大木章(元プロボクサー。現・経営者)と一緒に大澤さんに何度も会い、この本の構成にかかわっていた。
 それだけに、大木が出版社に掛け合い、ようやく出版できたことにホッとしている。



 著者の大澤さんは、TBSテレビ『ジョブチューンぶっちゃけます 警察編』のレギュラーとして出演し、警察の内情を楽しく紹介する面白いおじさんと思っている人も多いだろうが、実は命がけでこの難事件を捜査してきた男なのだった。

 埼玉県警視 埼玉県警察本部捜査第一課・主席調査官として働いてきた大澤さんの原点が、トリカブト保険金殺人
 だから、捜査の最前線で経験した知識をふまえ、TBS日曜劇場『小さな巨人』などで警察監修を務めてきた。
 そんな大澤さんは今、TBSのサイト上から依頼される講演にも応じている。

 『トリカブト 「本庄保険金殺人事件」元捜査一課刑事の回想』(宝島社)をぜひ読んでみてほしい。
 凄惨な殺人事件なのに、容疑者の人間臭さ、その容疑者を追いつめる大澤さんの人間臭さがにじみ出て、捜査一課の刑事という仕事の過酷さもわかる1冊だから。



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