(このテキストの動画版は、コチラ)
大阪万博は、4月13日から10月13日までの半年間も開催され、160を超える国が参加する。
なので、今回は外国の方にこのブログ記事を翻訳して読んでみてほしい。
万博は国際イベントなので、世界中からVIPやその家族も来日する。
当然、日本は天皇ご夫婦が開会式で開会宣言をして、最上級のおもてなしをするわけだ。
VIPにはお年寄りも多く、車いすの利用者もいれば、家族連れだと小さいお子さんもいる。
しかも、日本人と比べて、世界は人権を守らないことにかなり敏感だ。
外国人から見た時に、「おもてなし」を期待して大阪万博を訪れたVIPたちは、日本の人権意識の低さに驚くだろう。
もちろん、VIPでなくても、世界中からやってくる一般来場者の中には、高齢者や車いす利用者、子どもがふつうにいる。
大阪万博は、そうした社会的弱者にとって、あまりにも危険な環境だ。
しかし、大阪にあるテレビ局は、協賛企業になっているため、事故が起こらない限り、お祭りムードで盛り上げるだけで、さまざまな危険を報道しなくなるおそれがある。
フジテレビも、女性社員に対するスキャンダルを週刊誌が報道しなかったら、第三者委員会による調査もなく、女性社員は泣き寝入りするしかなかっただろう。
そこで、これから万博に参加する予定の方々に、3つの危険に対する準備を考えてほしい。
その3つとは、メタンガス・熱中症・子ども用トイレだ。
まず、メタンガスについては、かなり報道されたが、知らない人もために事実を拾っておこう。
会場のある夢洲(ゆめしま)は埋め立て地で、会場西側のグリーンワールド(GW)工区は、廃棄物などによる埋め立てが原因でメタンガスが発生している。
そこで、36億円の対策費をかけて、マンホールや地下ピットのふたも穴あきで通気性の高いものに変更した。
ところが、4月6日に行われた開催前のリハーサル「テストラン」を視察した共産党の市議会議員が、爆発事故が起きたトイレ付近のマンホールを測定したところ、引火すれば爆発しうる最低濃度を超えるメタンガスが検知されたと公表した。
ところが、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、このテストランと9日の報道機関向けの取材会「メディアデー」に取材を申し込んだのに、万博協会は取材を拒否したのだ。
それどころか、大阪府の吉村知事は、メディアの取材に応じ「メタンガスは空気より軽いので自然換気すれば対応できる」とコメントし、 万博協会は換気を強化するためマンホールのふたを常に開け、人が立ち入らないよう柵を設けると答えた。
メタンガスは気体なので、ふたが開いていれば、多量に吸入すると窒息する危険性があるし、吸引すると脳が麻痺して酩酊状態に陥ったり、急激な酸素欠乏を起す危険もある。
つまり、爆発で火事にならなくても、健康を害する恐れは十分にあるのだ。
万博に大人数が駆けつけて混雑すれば、敏速に移動することが難しい高齢者や車いす利用者は、窒息する危険が高まり、爆発すれば逃げられなくなる。
子どもがメタンガスを吸引すれば、苦しくなってしゃがみ込むので、大人たちの陰で見えなくなって救護が遅れて亡くなる危険もあれば、爆発の危険から逃げ遅れる恐れも高い。
次に熱中症だが、日本人の熱中症の患者数は、2021年と比べて約2倍に増えている。
万博協会は、来場者全体の0・1%に当たる1日約150人の傷病者が発生し、うち3%程度が重症と想定している。
2年前の2023年夏に千葉市で開かれた音楽フェス「サマーソニック」では、開演を待っていたファンが次々に倒れ、救護所に100人以上が殺到した。
だが、万博を所管する経済産業省の幹部は、「暑さの問題は蓋を開けてみないとわからない」と新聞に無責任なコメントをしている。
つまり、高齢者が熱中症で搬送された先で命が奪われても、学校の修学旅行として引率された子どもが倒れてしまっても、国は責任をとらないのだ。
(ちなみに、学校単位で参加した子どもの被害は、通学先の校長先生が責任を取らされる)
車いす利用者の場合、段差のある木陰に入るのも一苦労するし、熱中症を避けられても、万博会場は海に面しているため、地震や津波が起きれば逃げられないのを覚悟しておく必要がある。
さて、懸念されることの3番目に、子ども用トイレの問題があるが、ぜひ写真をみてほしい。
大阪万博の子供用トイレです。
— 毬谷友子 🕊 TOMOKO MARIYA (@mariyatomoko) April 8, 2025
全く知らない子が隣に座っている状態で、子供は落ちついて用を足せるのでしょうか?
それよりも私が1番驚いた事は、
これ、個室ではないですから、個々に鍵をかけられないのでは?
誰でも入って来られる状況というのは、このご時世、とても危険な事ではと驚いています。 pic.twitter.com/o8SSSMPJ0n
このような仕切りのない子ども用トイレについて、万博協会は「0歳から2歳児はまだ自分だけでは排せつできず、保護者等による介助が必要であることを踏まえ、仕切りのない設計にした」と説明している。
保護者の介助が必要なら、仕切りをつけて個室にし、一つのトイレスペースを広げればいいだけだが、Xでは建築設計に携わるという人が「1~3歳児用のトイレはこれが標準です」と書いていた。本当だろうか?
確かに、トイレメーカーのリクシルのホームページを見ると、幼児用のトイレには仕切りがなく、個室になっていない。
しかし、それを「標準」として受け入れてしまうと、さまざまな問題が起こる懸念が生じる。
今年7月に予定されている参院選の京都選挙区にれいわ新選組の公認候補として出馬する西郷南海子(さいごう・みなこ)氏は自身のX(旧ツイッター)でこのトイレ画像について、こんな主張をしている。
「まず、我が子が排泄する姿を不特定多数に見せたいと思う保護者はいません。個室でも盗撮は100%は防げませんが、それ以前の問題です。
保育園では2歳児クラスまでなら、個室ではないトイレもありますが、それは保育園という場所でのこと。3歳児クラス以上になると、幼稚園保育園ではトイレは鍵付きの個室です。
個室といっても万が一のときに手助けできるように、上からのぞきこむことができる低い壁のものですが、子どもを1人の人間として尊重することは教育、保育の基本です」
西郷さんの指摘は、とても重要だ。
トイレ内での性犯罪や誘拐は少なくなく、トイレから離れたところで待機する親もいる。
しかも、大阪万博は夜10時まで開いているため、トイレ利用者が少なくなった夜に闇に紛れて子どもを連れだせば、カンタンに誘拐できてしまう。
小さい子なら、横抱きにして口をふさげば、大人の男の力なら、すぐに遠くへ移動させることができる。
トイレで子どもが被害者になる事件は、後を絶たない。
性犯罪はもちろん、誘拐されたり、命が奪われたり、行方不明になるなど、トイレに関する建築には、子どもを犯罪者から守るという発想が欠けているのだ。
しかも、万博の場合、被害に遭った子どもが外国のVIPの家族だったら、国際問題に発展しかねない。
人権意識の低い日本人より、欧米人の方がはるかに子どもの被害について心を痛め、万全な安全策を取らなかった相手に対して怒り出すからだ。
外国人の子どもがトイレで被害に遭うと、来日する外国人も減り、インバウンド収益も激減する恐れがある。
それどころか、国交断絶や、輸出入にも悪影響が出ることだってありうる。
もちろん、民間人がメタンガスや熱中症、子ども用トイレで被害を負えば、欧米の感覚なら、万博協会を相手取って訴訟を起こすだろう。
ジャニーズ問題の場合、たった2人の被害者だけで、アメリカでは470億円の損害賠償を求める裁判が起こされた。
万博の場合、日本政府を相手取って裁判を起こすため、民事裁判の場合、賠償金は税金で払うことになり、大阪の人だけでなく、日本人全員が負担することになりかねない。
万博の赤字の責任すら、責任者があいまいであるため、次々に増える追加予算も今後の増税要因になりかねないのだ。
もっとも、開催期間の半年が過ぎると、万博協会も解散し、本当に責任者不在として泣き寝入りする被害者も増える恐れが高い。
こうした現実が国際ニュースも含めて報道されると、大阪万博は、自ら命を捨てたい人たちが世界中からやってくる会場になりかねない。
これは、テロリストよりはるかに危険だ。
メタンガスの匂うところに、火のついたマッチを投げ入れるだけで、大爆発と火事が起こるのだから。
(ちなみにメタンガスは無色・無臭。なので、「危険」の貼り紙を目視できると、そこが「匂う」と気づきやすくなる)
もちろん、何もなく、誰も傷つかない半年間であることを祈りたいが、恐ろしいのは、いろんなリスクを報道関係者が指摘しても、万博協会と吉村知事はその危険性を軽く見ていることだ。
それでも、彼らの愚かさを治すことはできないし、万博を中止にさせることもムリだ。
せめて、幼児用のトイレに男女の警備員を配置することはできないだろうか?
そこで、みなさんに考えてほしい。
子どもも、親も、仕切りのないトイレを安全に利用できるようにするには、どんな条件が必要だろうか?
たとえば、こんなアイデアはどう?
●トイレの周囲で音楽ライブをやって人を集める
●トイレの内外に見守りボランティアを配置する
●監視カメラをトイレの内外に置いて録画する
●保護者に目立つ名札をつけて待機してもらう
●日本版DBSを使って万博職員の前科を確認する
●万博の会長で経団連の十倉会長に署名を届ける
あなたのアイデアを、ぜひ動画のチャット欄やコメント欄に書いてほしい。
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