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■政治家まかせから、自分で課題解決する社会へ

 戦争法案の可決が、賛成派が勝ったかのように受け取る人が少なくない。

 しかし、違憲の法案を可決させたのは法的にはクーデター(立憲主義の破壊)そのものなので、これは政治家が国民に勝った(=賛成派も含めて国民が負けた)ことを意味している。

 そのことは、このブログにあるリンク記事に詳しく書いた。

 さて、問題なのは、今後の日本社会の動向だ。


 政治は社会の中の一つの動向でしかないが、早くも「落選運動だ!」と声を上げる向きもある。


 その主張そのものが、「社会は政治でしか動かせない」というとんだ勘違いなのだが、安倍総理が日本国民の生活を危うくする時限爆弾なのは、外国から見た方がはっきりするのかもしれない。


 

●政治家まかせの他人事から、国民自身が課題解決する文化へ

 チョムスキー先生は、はっきりと安倍総理を「超国家主義者」と指摘している。


 著名な投資家のジム・ロジャーズ氏は「安倍首相は日本を破綻させた人物として歴史に名を残す」と言い切っているし、アベノミクスの失敗は、ピケティ先生も指摘しているのだ。

 こうした外国から見た「安倍総理、勘弁してくれよ。こえーよ!」という声は、山ほどある。

 では、来年の国政選挙で自公政権が負けて、野党連合政権が樹立するだろうか?

 前の選挙では投票率が戦後最低を更新しており、60年安保デモ後の選挙では自民党の勝利だった。

 いくら戦争法案のデモに大人数が集まろうとも、投票に行かなかった層、行きたくない層・関心を失った層に「行けよ」というメッセージは、投票しない国民と敵対するようなもの。

 自殺志願者に「死なないで」と言えば、死なないでいてくれると一方的に期待するようなものだ。

 それに、自民党が万が一負けても、それにとって代わる野党が、政策立案能力の乏しい「ミニ自民党」あるいは「自民党の劣化コピー」だったら、結局、民主主義は始まらない。


 それを事前に防ぐには、国民自身が真っ先に「民主主義とは何か」を理解しておくことが不可欠のはずだろう。


 だから、「中学生でもわかる民主主義と国民主権の成立」という記事まで書いた。



 僕(今一生)は「非戦」主義者だが、リアリストなので、戦後70年間の長きに渡ってしみついてしまった「社会の仕組み作りは政治家に任せとけ」という他人事の文化を、数年程度で劇的に変えるなんてできない、と考える。

 数年以内で確実に野党が勝てる具体的な戦略があって、それが誰もが納得できる戦略なら、わかりやすく教えてほしいものだ。

 むしろ、新しい文化(=社会の仕組み作りを政治家に任せず、国民の私たち自身がやる)は、日々の仕事によって少しずつ10年単位くらいで醸成されていくものだと考えた方が、地に足がついていると思わないか?

 そこで、長期的スパンで民主主義国家を誕生させるために世界中でムーブメントになっているのが、「社会起業家」という新しい市民運動(社会運動)だ。

 俗に「ソーシャルビジネス」と呼ばれる社会起業家には、以下の3つの特徴によって政治や行政、既存の企業が満足に解決できずにいる社会的課題を次々と解決に導いている

☆社会性 みんなが切実に困っている課題(社会的課題)を解決すること
☆事業性 自らのビジネス(商品・サービス)で収益を出し、解決活動のコストを賄うこと
☆革新性 これまでなかった解決の仕組みを新たに創出し、社会インフラに育てること

 社会起業家には、株式会社やNPOなど法人格は問われない。

 問われるのは、社会的課題を解決できる仕組みなのかどうか、もし優秀な仕組みなら社会インフラとして広く定着できるように収益事業が成り立つかどうかだ。

 よのなかには、貧困、自殺、環境破壊、難民、子育てと仕事の両立、動物の殺処分、LGBTの人権、戦争など、切実かつ深刻な社会的課題がたくさんある。

 しかし、たとえば、子育てと仕事の両立の場合、政治や行政だと「託児所をたくさん作ろう」と税金をジャブジャブ使うが、その割に遠くて不便だったり、気軽に利用したくても予約で定員が埋まっているなど、課題に取り残される人が必ず出てくる。

 そこで、AsMama(アズママ)という社会起業家は、自分の家の近所に自分と同じ子育て中のママたちと会える機会を作り出し、そこで仲良くなったママどうしで子どもを預け合える仕組みを事業化した。





●社会起業家が増えれば、自治=民主主義の文化が生まれ

 AsMamaでは、集めたママさん向けに企業がマーケティングができるようにしており、その企業から収益を得ている。
 そのため、子どもの預け合いをするママさんたちの当事者負担は1時間500円程度。

 いつでも子どもを預けられる便利さから、AsMamaの仕組みは今、全国に急増中だ。

 選挙では、数年に一度の投票で国民の意思を示すしかできない。

 一方、社会起業家が作り出す社会的課題の解決の仕組み(=商品・サービス)は、常に市場で価値を問われる。

 消費者=国民ニーズに寄り添わない商品・サービスは淘汰され、ニーズに合致する商品・サービスだけが残る。

 しかも、仕事だから毎日、1日8時間、給与を得ながら課題解決に取り組む。
 デモや集会のような非日常的なボランティアではないのだ。

 社会起業家のように、自分が見過ごせない社会的課題の解決を仕事として取り組めば、費用対効果が良く、解決精度の高い仕組みを作り出せる。

 「誰の何をどれぐらいいつまでに変えたら、社会は変わるのか」を具体的に突き詰めて考え、困ってる当事者たちのニーズに合う解決の仕組みを作り出す社会起業家の仕事ぶりを知ってほしい。

 それをあなたが知るとき、「みんなが苦しんでることを国民の私たち自身で解決したい」と動き出した人たちが、世界で、日本全国で同時多発的に動き出している現実に驚くはずだ。

 そして、そういう社会起業家が増えていくことこそが、この国に自治=民主主義を生み出し、育て、定着する大きな起爆剤となることもわかるだろう。

 それこそが、「どうしても民間でできないことを国民の代理人である政治家にやらせるのだ」という主権者の権利に目覚めさせ、自分の意思表示の機会としての選挙の価値を国民自身に自覚させ、投票を動機づける。

 この国は、安倍総理をトップにしてしまった国民自身の「他人まかせ」の文化のままなら、今後さらに生きにくい時代状況になるだろう。

 それは、自分自身が「政治が作り出した社会的課題によって苦しめられている当事者」として自覚できるチャンスが増えることもである。

 その時、あなたが切実に欲しい解決の仕組みを提供してくれるのは、政治家でも役人でも既存の企業でもなく、社会起業家だと気づく日が来るかもしれない。
 
 今日ですら、政治家が作った福祉作業所では、就労支援と称して障がい者が働いてる。 
 だが、彼らの平均月収は、たった13000円だ。

  一方、そうした障がい者を雇い、健常者並みの月収を払える仕組みを作った社会起業家は全国で急増中だ。

 きみが障がいを負ったら、政治家に対して「福祉作業所の工賃を上げろ!」とデモで叫ぶか?
 僕なら、迷わず社会起業家の経営している会社に入るだろう。

 政治家が作る課題解決の仕組みより、民間で作る仕組みの方がはるかに優れているからだ。

 それは、たとえば、受験にとって、公立の学校より塾のほうがはるかに優れた成果を出してるのを観れば、誰の目にも明らかであるはずだ。

 公立の学校に起こる問題は、政治家のずさんな仕事の結果だ。
 先生の解決スキルの程度も。

 なのに、いつまでも政治家に真っ先に解決を期待するの?
 僕はより多くの日本国民に社会起業家の仕事を知ってほしい。

 安倍総理や自民党政権が延命しても、すぐに国民全体を巻き込む戦争をおこすわけじゃない。

 平和維持の仕組みを民間から作り出すには、まだ間に合うはずだ。

 その仕組みを作り出すには、さまざまな社会的課題を解決してきた社会起業家の仕事や価値を知ることが、数少ない希望の一つになる。


 もちろん、早めに知っておけば、個人を苦しめる社会的課題によって自殺まで追い込まれることもない。


 自分が切実に困った時、そして国民全体が困る前に備え、社会起業家の仕事を学んでみよう。

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