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■マスメディアの劣化を痛感した2015上半期

 今年2015年の上半期(4~9月)に話題になった印象深いことを振り返る時、僕は以下の2点を記憶しておきたい。

 それは、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害者が書いたとされる『絶歌』本の出版騒動。
 もう一つは、SEALDsのデモの盛り上がりと、安保関連法の成立だ。

 どちらの話題も、それを伝える新聞・テレビ・雑誌などのマスメディアが正確な情報・知識を伝えていなかった。

 『絶歌』については、『絶歌』というトンデモ本に関する記事リンクにまとめておいた。
 『絶歌』の著者は「元少年A」と表記されているが、出版社した太田出版では著者の身元を確認していない。
 つまり、著者が誰なのか、わからない。

 それなのに、マスメディアはどれも「酒鬼薔薇聖斗が書いた手記」として報道していた。
 最近でも、女性セブンが神戸連続児童殺傷事件の被害者の女性にコメントを出させるために、『絶歌』を「酒鬼薔薇聖斗が書いた本」と断定している。

 断定しておいた方が、読者の関心を集めやすい(=雑誌が売りやすい)。
 だから、女性セブンは事実を確認する仕事をあえて怠り、読者を手っ取り早く味方につけようとしたのだ。

 これは、事実確認を前提とするジャーナリズムの自殺を意味する。
 事実をないがしろにする姿勢は、差別や偏見に正当性を付与する恐ろしい構えだ。

 自分の収益だけを考えるそんな記事を売って、ライターも編集者も恥ずかしくないのか?
 「これはおかしい」と感じても、そんな自分自身の良心を殺して仕事を続けるのか?




●自分の頭で考えないマスメディアは
 市民を「愚民」化する

 小学生次々に死傷させた少年が、大人になって被害者の感情を再び傷つける本を書いた。

 そういう「大衆迎合主義的なフィクション」で文脈によって炎上させ、多くの人に関心を煽った『絶歌』と同様の構図は、安保関連法や反対デモの騒動にもあった。

 安保関連法をめぐる報道は、国民を反対派・賛成派で分断し、国民どうしを対立させる構図に導いた。
 それだけでなく、民主主義がデモや選挙であるかのように印象づけた。
 その方が、大衆に受けるからだ。

 もし報道関係者がテレビや新聞などに関心を持ってもらって、自らの商売の延命を図りたいと思っていないとしたら、彼らは民主主義や国民主権が何かを、自分の頭で考えたことがないのだ。

 日本には、制度と手続きとしての民主主義はある。
 だが、市民自身が社会を作っている主人公であるというマインドや文化が育っているとは、とても言えない。
 だから、僕は「中学生にもわかる民主主義と国民主権の成立」というわかりやすいブログ記事を書いた。

 その記事で目からウロコを落とした人は、「民主主義と国民主権の意味がわかる記事5本」も読んでみるといい。
 法案に反対派だった人には、「戦争をなくしたい人には面白く読める記事4本」も勧めておこう。

 いずれにせよ、上記2件の騒動でマスメディアがいかに劣化しているのかを、僕は思い知った。
 教科書の内容を鵜呑みにするような学び方だと、国民はあっさりテレビや新聞の報道する文脈によってウロコをたっぷり目に塗られてしまうだろう。

 醒めて、歌え。

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