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■やりたい仕事を自分で作る、ということ

 僕は、自営業者だ。
 自営とは「自分で営業する」わけだから、どこかの会社に雇われてるわけではない。

 自分で商品・サービスを考え、その考えを企画書などに書いて人に見せ、相手がその企画に関心をもってくれたら、その企画が商品・サービスという形で値付けされ、その収益が僕に入る。

 誰かに「何かをやれ」と命令されることがなく、自分の作り出したい商品・サービスを自由に発想し、マイペースで仕事をする。
 それが、自営業者として働く醍醐味なんだよね。

 僕がこれまでに企画して収益源としてきたのは、以下のようなもの。

★雑誌記事の執筆
★書籍の編集・執筆
★テレビ番組の制作
★広告の記事・映像の制作
★イベントの制作
★講演・講義
★各種の相談

 こうした仕事のフローとしては、企画→企業へのプレゼン(売り込み)→企画通過後に商品制作→商品の広報→収益化になる。
 ただし、そうしたプロセスの問題より、はるかに大事なことがある。
 「なぜ自分は仕事をするのか?」という自問だ。



●自分が切実に困ってることから、自分の仕事を作り出そう

 僕が自営業者(フリーランス)になったのは、25歳の時だ。
 詳細は、『プライドワーク 自分を作る働き方』(春秋社)に書いてあるので、参照されたい。

 それ以前は広告業界にいて、コピーライティング(※広告の文章を書く仕事)や、企画ディレクター(※どんな趣旨でどんな表現で広告するのかの方針を具体的に企画する仕事)などを、正社員としやっていた。

 都合3年弱、広告業界にいてわかったのは、広告の仕事は良い収入になるということ。
 その荒稼ぎを続けるためには、広告制作を依頼してくる企業(スポンサー)の要望は、それがどんなに間違っていても全部受け入れて、注文された通りの美辞麗句を並べる必要があった。

 それは、少なくとも僕にとっては、社会的責任や表現欲求における「魂」の部分を確実に壊していった。
 原発の安全広告を請け負った人たちも、その時は荒稼ぎして喜んだろうが、今はみんな無かったことにしたいようだ(※僕はそんな大きな仕事は請け負ってない)。

 こんなキナくさい業界からは、一刻も足を洗う必要がある。
 そう感じていた矢先、勤務先の小さな広告制作プロダクションが倒産した。

 『AD年鑑』に広告作品が載った僕は、べつの広告会社に再就職する道もあった。
 だが、注文通りに執筆するのはウンザリ来ていたので、ギャラが安くても書きたいことを書ける仕事をしようと、出版業界に流れ、雑誌を主戦場に仕事をするようになった。

 雑誌で書いたことが無い駆け出し当初は、「何を書きたいか」よりも、書かせてもらえるよう、あいさつ回りをして、とにかく仕事をいただけるよう、売り込みに奔走するだけだった。
 売り込みの甲斐あってか、半年後、雑誌に毎月10本以上のレギュラー仕事を得て食えるようになった。

 その後、さほど関心の高くない内容を、書ける内容だからといって書き飛ばすだけの仕事に耐えられなくなった。
 売り込めば売り込むほど仕事をいただけるゆるい業界で、金に不自由はしなくなったものの、自分にしか書けないものを書かないと先が無いと思った。

 そして、次第に自分自身の困っていた親子関係の問題が、多くの人たちにも共通している苦しみ(=社会的課題)だと気づき、その話題を突破口に取材を進め、雑誌記事や書籍に執筆・編集する仕事にシフトしていった。

 親子関係を取材すれば、児童虐待・家出・援助交際・貧困・精神病・自殺などの関連テーマにも関心が及び、どんどんそれらの当事者たちの話に耳を傾ける機会が増えた。

 すると、個人の資質や属性を既存の社会の仕組みに合わせようとすればするほど募る生きづらさにも気づいた。
 そこで、社会の仕組みの方を変えて個人が生きやすくなる実例を探していくうちに、社会起業(ソーシャルビジネス)やソーシャルデザインの試みがすでに世界的なムーブメントになってることを知った。

 取材をすればするほど、新聞やテレビ、雑誌などのメディアではなかなか取り上げられない文脈や現実がどんどん見えてきた。
 つまり、伝えたいことがどんどん増えてきたのだ。
 だから、活字だけでなく、テレビ番組を作ったり、相談サービスを始めたり、イベントを開催してきたのだ。

 知っておけば苦労しなくていいことや、早く学んでおけば苦しみからその分だけ早く解放されることが、よのなかには日々たくさん生まれている。
 しかし、テレビや新聞などのマス向けのメディアほど、そうした解決事例を豊かに提供しておらず、いまだに問題提起でお茶を濁している。

 大手の新聞が毎年どんどん売れなくなってきているのは、ニーズに応えてないからなんだ。
 僕らの知りたいことは、問題提起以上に、解決事例そのもののはず。
 だから、僕はまだしばらくは社会起業やソーシャルデザインに関心を持って取材・執筆の仕事を続けるだろうし、その取材から学んだことを活かして新たな仕事を始めると思う。

 なぜ僕は仕事をするのか?
 この社会にはまだ「多くの人が知らない価値あること」がたくさんあって、しかも日々新たに生まれてきて、それを早く広く伝えたいからだ。
 伝えられた人は、この社会を今よりもっと生きやすいものへ変えていける仕事を始められる。
 それは、僕自身や僕の友人、大事な仲間を救うことにもつながる。

 あなたが今、何かに切実に困っているなら、その困りごとをすでに解決した人たちを探し、次々に会って話を聞いてみよう。
 彼らから話を聞くことで、あなた自身のそれまでのキャリアを活かす形で、あなたにしかできない仕事を新たに生み出すことができるかもしれないから。

 いつでも自分以外の誰かに入れ替えられる仕事で低賃金にあえいでいるなら、スパッと退社し、自営業者として自分のやりたい仕事を始めてみても、人生はなんとかなるもんだ。
 背水の陣だと、人間、自分でも意外なほどパワーが出るもんだよ。

 本気でやりたい仕事で独立・起業しようと考える頃合いで、相談相手に困るようなら、僕はいつでも相談に乗ろう 


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