でも、テーマソングに起用された SEKAI NO OWARI(以下、セカオワ)の『SOS』という歌は、かなり良かった。
『SOS』の歌詞のモチーフは、サイモン&ガーファンクルの世界的ヒット曲『The Sound of silence』(沈黙の音)からインスパイアされたものだろう。
この歌詞は難解だが、とても良い和訳(意訳)があるので、このページを参照してみるといい。
『SOS』も英語で歌われているので、訳詩のサイトから一部を引用しよう。
●きみには、「見過ごせない」と思える人はいるかい?
「助けを求めている人は 毎日『助けて』と叫んでる」
「誰かを救うことは 自分を救うことと同じ」
「SOSに答えることは 『自分自身を大切にするには?』という疑問に答えること」
「教えてもらったことを伝えられたらいい 誰かのために一生懸命になれる人が教えてくれたことを」
生きづらさを感じる若者が増えた昨今では、誰もが孤独を感じている。
自分自身の苦しみやさみしさにとらわれるばかりで、「助けられたいのは自分。自分のことで精いっぱいの私が誰かを助けられるなんて…」と思い込みがちだ。
でも、そうなると、一人で苦しみやさみしさを抱え続けることになり、出口なしのまま、閉塞感を持て余しながら今日も明日も明後日も生き続けることになる。
今、そうした状況にいる人に『SOS』はやさしく語りかける。
「誰かを救うことは 自分を救うことと同じ」と。
「仕事は自分が食うためにするもの」としか周囲の大人に教えてもらえなかった若者にとっては、生活を維持するために仕方なく仕事をしてしまう。
そして、いつのまにか自分がその仕事を続ける意味を見失ってしまう。
自分の仕事を「誰にでも当たり前のようにできること」のように勘違いしてしまう。
でも、他業種から見れば、その仕事は魔法使いのようなんだよ。
他の職種を観れば、誰だって「あれは私にはできそうもない」と思うこと、いっぱいあるよね?
あなたの仕事も、他の人からそう見えてるんだよ。
本当は、誰もが魔法使いなの。
そして、仕事はこの生きづらい社会を変える魔法なの。
仕事は、誰かの役に立つ価値あるものを商品・サービスという形で提供し、その対価としてお金をお客さんからいただき、そのお金が自分の収入=生活を維持してくれるよね。
つまり、あなた自身が提供している価値に対してお金を払ってもらってるのだから、人生のほとんどの時間を使って「誰かを救うことは自分を救うことと同じ」を既にやってるわけだ。
それなら、今よりもっと価値の大きい仕事にしたい。
助けを求める人の声を、もっと聞きたい。
日本には、LGBTや障がい者など「マイノリティ」(少数派)ゆえに人権が守られてない人たちもいるし、親から虐待されてる子もいれば、年間で約3万人が自殺しているし、数万頭の犬猫たちが殺処分されている。
心を痛めるだけでスルーするのではなく、1個でもいいから問題を解決したい。
そう思えた人から、自分の毎日の仕事を通じて生きづらい社会の仕組みを変えるソーシャルデザインやソーシャルビジネス(社会起業)などに取り組み始めている。
実際、ソーシャルデザインやソーシャルビジネスを始める際に最も大事なのは、コンパッション。
コンパッションとは、「あの人の苦しみをどうしても見過ごせない」と思える気持ちのこと。
ソーシャルデザインやソーシャルビジネスを教える学校の授業で、このコンパッションを感じられるチャンスを十分に提供しているかどうかと問えば、残念ながら「NO」と言わざるを得ない。
コンパッションなしに、ソーシャルデザインやソーシャルビジネスは生まれない。
コンパッションを忘れれば、「自分の仕事は誰かを救える魔法」という気づきも見失われる。
それをふまえると、『SOS』という歌は、まるでソーシャルデザインを手がける社会起業家を応援しているかのように聞こえてくる。
セカオワのメンバーは、ソーシャルデザインやソーシャルビジネスについて知らないだろう。
でも、この生きづらい時代に一番必要なことが何かは知ってる。
だから、ヒットしてるんだろう。
ソーシャルデザインを手がける社会起業家も、日本全国の各地で、そして世界中で急増しており、同時多発的な社会変革のムーブメントになっている。
きみも、この動画を観て、気づいてくれるといいな。
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