そこで、僕が古本屋さんとコラボして運営している『学術書チャリティ』では、最近2つの団体をチャリティ対象として承認した。
学術書チャリティは、大学で使わなくなった不要な学術書・専門書などを、学術書チャリティのサイトを通じて寄付してくれれば、その買取額面が貧困解決などの非営利団体に寄付される仕組み。
この仕組みによって、今回承認した2つの団体の活動を資金的に支え、活動を続けさせることができる。
今回は、彼らの活動を紹介してみよう。
★KAKE COMI(カケコミ)
福島県白河市の『KAKECOMI(カケコミ)は、人間関係や家族関係、貧困や病などといった傷つきによって生きづらさを感じ、孤立した人に「安全な居場所」「相談によるサポート」「人の手できちんと作られたあたたかな食事」の3つを提供している。
「家にいたくない」
「学校にいたくない」
「仕事に行くのがつらい」
そんな当事者たちが安価で、あるいはお金にとって代わるべつの価値を提供することで、3つの支援を受けられるようにしているのだ。
しかし、それでは支援する側も、与える一方になるため、資金も労力もすぐに底をついてしまう。
そこで、最近では、弱者と一緒になって「対価交換」をする形で、支援より協働の仕組みで活動を運営することが増えている。
そのように、弱者と対等な関係を築くほうが、活動に対して共感する市民も増やしやすいのだ。
★慈有塾(じゆうじゅく)
東京都多摩市の慈有塾は、中卒・高校中退というだけで夜の世界でしか働けず、どうして良いかわからない不安を持ち、もう一度勉強をやり直したい子たちのための塾。
主に高校卒業程度認定試験の対策をしたい15歳~25歳まで(その他要相談)を対象に、無料で教えている。
生徒には、少年院出身者・性風俗産業・水商売従事者が多い。
いじめやDVによって中学から学校にまったく行けなかった人には学歴がなく、愛人稼業をずっと続けていたり、援助交際デリバリーのスタッフをしていたり、簡単な計算もできないままずっと水商売を続けている人もいる。
慈有塾では、ボランティア・インターン(ファンドレイジング・講師)や、参考書・寄付金・教室としての場所提供などの寄付も募集している。
同時に、生徒も誘って近隣の大学に足を運び、「学術書チャリティ」への参加を呼びかけている。
都内近郊の大学生・短大生なら、サークル単位で学内の不要の専門書をかき集めてみないか?
同時に、生徒も誘って近隣の大学に足を運び、「学術書チャリティ」への参加を呼びかけている。
都内近郊の大学生・短大生なら、サークル単位で学内の不要の専門書をかき集めてみないか?
●あなたの家にある学術書・専門書・洋書を寄付しよう
あなたの家に、以下のような不用品はないだろうか?
★学術書
医学・法律・経済・政治・歴史・芸術・スポーツ・理工・コンピュータなどの専門書・洋書など
★CD・ビデオ・DVD
音楽CDやブルーレイ、VHSもOK
定価が数千円する文学・日記・翻訳書など
医療・看護・福祉・建築・ビジネス・語学・工学など
★その他
放射線・原発問題に関する書籍、ソフトウェア・電子辞書
以上の不用品を合計30点以上集める。
そのうえで、学術書チャリティのページを開き、申し込めばOK。
そのページにある順序通りに梱包しておくだけで、宅配業者が希望の日時に集荷に来てくれる。
とてもカンタンな手続きだ。年末の大掃除や引っ越しなどに備え、ぜひ今から部屋の片づけをしてみてほしい。
不用品を段ボールに詰めて、ページから申し込むだけで、居場所のなかった子や、学歴を得られずに困っている若者の人生にやり直しのチャンスを与えることができる。
大学生なら、サークル単位でみんなでやってみてほしい。
教職員なら、ぜひ校内で不要な専門書などをかき集めてみてほしい。
まだ2人に1人しか大学に進学できていないこの国では、大学に行けた人たちがどれだけ、行けなかった人たちの立場を思いやれるかが、貧困対策では重要なポイントになっている。
あなたには、無理なくできることがある。
そこに気づいてほしい。
きみだって、サンタクロースになれるんだよ。
共感していただけましたら、下にある小さな「ツィート」や「いいね!」をポチッと…