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■電気代0円の「ソーラー女子」 藤井智佳子さん

 311の東日本大震災以後、エネルギー対策への関心は個人や企業を問わず高まっている。

 とくに原発による放射能汚染を環境問題としてとらえ、電力に関する活動や商品開発、啓発活動などは盛んに試みられるようになっている。

 2013年、オリーブ染めの布製品が人気のブランド「糸へんのものづくり」(東京・国立)の織物・染色作家・藤井智佳子さんを電話取材した。

 彼女は、自宅アパートのベランダの手すりにソーラーパネルを結びつけて必要な電力を調達している。
 東日本大震災が起きた20113月。
 その5ヵ月後の8月から、藤井さんはソーラー発電を試してきた。

「震災・原発事故による計画停電があり、防災用にソーラー発電がほしいと考えたんです」
(藤井さん)

 20129月、彼女は、東京電力からの電力供給の契約を解除した!
 家電を省エネタイプに買い変え、仕事で毎日使うアイロンも炭アイロンを中心に使うようになった。
 手回しラジオ、ソーラースタンド、らんたんなどを使うことで節電を工夫し、エアコンや冷蔵庫も手放した。

 20133月末、原発に頼らずに自然エネルギーでの暮らしをめざす人たちの情報交換の場として「ソーラー女子」というホームページを開設。
 「電気代0円」の生活を紹介すると、知り合いやご近所、OLたちなどが藤井さんの自宅に続々と見物に訪れた。

 同年6月には、ペダルを踏むサイクル式の健康器具にモーターがついた人力発電機も導入し、洗濯機を使えた。
 1時間こいで60wの電力を作れるため、日照時間が少ない梅雨時でも安心だ。
 藤井さんは、同サイトでこう書いている。

「エクササイズと発電が一緒にできます。
 これで梅雨時もばっちりです。
 風力でもなく雨水でもなくなんと人力!
 都会のアパートならではの発電ですね」


●個人でも「エネルギーの地産地消」はできる

 2013年84日、ソーラークッカーのワークショップを開催すると、「さつま芋はおいしく『やさしい味!』と評判も良く、枝豆はぎりぎりで食べられる状態で、シャリシャリした食感はちょっと不思議」だったそうだ。
 これで、災害時には水なしで食材の加熱ができる。
 冬の暖房とお風呂を沸かす時だけはガスを使うが、「省エネ意識がついたのか、以前よりガス代もかからなくなった」とか。
 8月13日には足踏みミシンを導入し、仕事でもほとんど電気を使わずに済むようになった。

 2012年の夏は記録的な猛暑だったが、藤井さんは「国立市は夕方になると過ごしやすく、去年より暑さに慣れて元気です」と言った。

「ベランダにすだれや打ち水をしたり、首に水に濡らすだけで冷たくなるタオルを巻いてしのげました。
 扇風機も30Wのものから直流で3.5Wというワット数の少ないものを使っているので、つけっぱなしで朝まで使っても、ソーラー発電で十分賄えます」

 藤井さんの1日あたりの平均的な電力消費は、「300w程度」。
 2012年、NPO法人 アジア太平洋資料センターの企画するPARC自由学校の講師として、彼女は「まじめに10A(アンペア)東電と契約終了しました必要な電気はベランダで自給自足だ!」と題したワークショップを自宅アパートで開催した。

 電力自給に関心を持つ人向けに、藤井さんは言う。
「まずは自分が今使っている電化製品のW数を把握することと節電から始めましょう」

 今年(2015年)9月1日、彼女は公式サイトにこう書いている。

「祝3周年。電気代0円生活を始めて、3年経ちました。
 ガス代もどんどん安くなり、先月は最低記録更新で1200円代へ。
 エネルギーの地産地消の比重も大幅upです。
 身をもってエネルギーシフトを実感した3年間になりました」

 なお、今年4月の『女性自身』の記事では、藤井さんのご自宅が紹介されている。
 また、Youtubeに動画も上がっていたので、紹介しておこう。



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