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■ひきこもり限定1対1オフ会 2・13(土)五井でやる

 久しぶりに、ひきこもりの人と1対1で会ってみようと思う。
(記事の最後に「1対1オフ会」の案内あり)

 これまでも、新宿でオフ会をやったり、中野にオフィスがあった頃は当事者たちとカラオケやったりするなど、「複数の人と一緒に会う」ことは何度もあった。
 でも、ここ10年間ほどは、ソーシャルデザインやソーシャルビジネスの取材を中心だったので、1対1で会う機会は減ってしまった。

 僕(今一生)がひきこもりに興味を持ったのは、20年ほど前だ。
 1995年当時、児童虐待の取材の途中から、親から虐待された人に自殺未遂者や精神科通院者が多いと気づき、彼らとBBS(掲示板)を通じて交流すると共に、東京・中野でカラオケ・オフ会を開催していた。
 別冊宝島などの雑誌にも自殺に関する当事者取材に基づいた記事を書いていたので、自殺未遂の未経験者や、精神障害の認定を受けていない人も含め、BBSを通じてひきこもりの当事者からメールをもらう機会が徐々に増えていった。

「とにかく自宅に来てほしい」
 そういう声を受け、ひきこもっている方の家や、生活保護を受給しながら暮らすアパートなどに足を運ぶことが多かった。
 そして、1対1で長い時間、話を聞いた。
 そういう話を雑誌や本などに書いていたら、僕の主催するイベントに出演するために10年ぶりに家を出た人もいたし、20年ぶりに自室を出て僕に会いに来てくれた人もいた。

 詳細は書かないが、僕が印象に残ったのは、ひきこもり当事者の言い分は、ひきこもりを「支援」しているNPOや教育専門家、福祉系の研究者などとは、まるで違うということだった。
 少なくとも、新聞やテレビなどのメディアで報じられている「ひきこもり」と、現実にひきこもっている当事者では、まるでイメージが異なるってことだ。

 ざっくり言えば、研究者メディアなどの「偉い人」たちが語るひきこもりは、常に「偉い人」自身の視点による文脈が先に作られる形で語られていたということだ。
 たとえば、親は「ふつうの人のように早く外へ出て働いてほしい」と言う。
 支援NPOは、その親の言い分に応える形で「就労支援」や「居場所」を作りたがる。
 研究者は、そうしたアクションを良いものとしてとらえ、外に出ることや会社に雇われることだけがひきこもる人の幸せだと疑わなかった。

 そうした「当事者の周囲の人々」による一方的なまなざしは、この20年間で変わってきている部分が無いとはいえない。
 でも、いまだに「ひきこもり」と聞いただけで真っ先に問題視し、「支援されるべき対象」として「下」に見る視線が変わってきたとは言いがたい。

 少なくとも、「周囲の人々」の多くは、ひきこもり当事者を自分と対等な関係を築く相手とみなしていない。
 だから、「支援」という言葉を疑いもせずに用いるし、ひきこもり当事者の幸せを「ふつうの人」の枠に押し込めることにためらいがないし、ふつうらしさに「引き上げる」活動を賞賛する。

 もちろん、ひきこもり当事者の中には、「一刻も早くふつうの人のようになりたい」と望む人はいるだろうし、その望みに十分に応えられる仕組みが社会にあるなら、その仕組みに乗っかるのもその人の自由だろう。
 しかし、それはひきこもりの問題を解決したのではなく、ひきこもっている個人を「人並」の幸せに押し込め、周囲の人々を安心させたにすぎない。
 どういうことか?


 たとえば、ある男が高校を中退し、3年間ひきこもったとする。
 そこから高卒認定を受け、大学に受かって「おめでとう」と言われ、就活も頑張ったとする。
 就活時点で25歳になっている彼は、入社した会社で年下の同期社員たちとつきあうことを余儀なくされ、自分と同い年の先輩社員が先に出世していくのを周囲から揶揄され、恋人を作ろうにも自分がなぜ年下の同僚と一緒に働いているかを説明せざるを得ない。

 なぜ彼は、3年間ひきこもっただけで、そんな屈辱に耐えなければならないのだろう?
 それは、18歳で高校を卒業したり、22歳で就職するという「ふつうの人生」だけが正しくて、それ以外の人生を負け犬のように語りたがる人たちが世間に少なからずいるからだ。
 生まれてから死ぬまで安定した暮らしを送れる幸せな人たちが、不安定な人生を選んだ個人を「下」に見る差別的な視線を温存しているからだ。

 そうしたアホな常識を塗り替えるのが、ソーシャルデザインやソーシャルビジネスだ。
 「ふつうの人生」であろうが、なかろうが、困らない生存戦略の仕組みを作り出すことこそが、本来の社会変革なのだ。
 そして、その生存戦略の切り札になるのが、長らく苦しんできた人しかもっていない「当事者固有の価値」の発見である。


●1年以上のひきこもり限定 参加予約は今すぐメールで

 本当は、人は誰もが「規格外」を生きている。
 しかし、規格外のあり方は、規格内のものさしからは勝手に「下」や「おかしな人」に見られることが多い。
 だから、ふだんは「規格外」の部分を隠したり、劣等感を覚えながら暮らしていたりする。
 でも、その「規格外」の部分にこそ大きな価値が眠っているんだ。

 不登校をしていたからこそ、学校文化に毒されずに自由な発想で仕事を作り出せる人もいる。
 長い間ひきこもったからこそ、世間のバカバカしい基準に毒されず、有名人に平気で声をかけて講演会を主催する起業家になった人もいる。
 精神障害者になったからこそ、歴史に残るアーチストになれた人もいる。
 「規格外」であることは、決して恥じることはないんだ。
 むしろ、劣等感を与えた世間の方が「規格外の価値」に気づいていないのだから、「かわいそうな連中だなぁ~」と哀れんでやればいい。

 自分を生きづらくする常識は、常識の方が間違っている。
 そういう構えで見ると、長らくひきこもることは、その長さの分だけ、規格内の基準では計れない「何か」を蓄積していることにピンとくるはずだ。
 だからこそ、僕はひきこもりの人に会いたい。

 ひきこもりの人は、長らく誰とも会っていないので、「自分には何もない」とか、「自分は人並未満」とか、とかく自己評価が低い言葉を吐くけれど、それは自分の蓄積してきた「何か」に気づいてないだけだ。
 ウンコだって、溜め込めば、美しい花を咲かせ、おいしい野菜を育てる肥料になるんだぜ。

 「俺はただずっと寝てただけ」という人もいるだろうが、そんな人、いっぱい会ってきたよ。
 でも、1人として「何をやってもダメな人」などいなかった。
 人を殺してしまったり、自殺してしまった人もいたけれど、「何をやってもダメな人」ではなかった。

 「ダメな人」は、本人が常識のメガネを植え付けられてしまったからこそ見る幻想にすぎない。
 もっとも、「自分なんてダメ人間」という幻想だって、自虐ネタとして収益化できる資産だ。
 現実には、僕にできないことを平気でやってしまえる人のほうがたくさんいたし、驚くような話や面白い話をたくさん聞けた。



 自己評価の低さというメガネをそっと外せるだけの楽しい会話をすれば、その人自身もビックリするぐらいの「規格外の価値」が豊富にあるとピンとくるし、そして長く苦しんできた人しかもっていない「当事者固有の価値」が眠ってると気づけるんだよ。 
 だから、しばらくぶりに1対1でひきこもり当事者と話をしてみたくなったんだ。

 僕なら、どんな話でもドン引くことはない。
 かといって、驚かせるような突飛な話をわざわざ言う必要もない。
 どんな人もあらかじめ「規格外」であるがゆえに、何の努力をしなくても「ふつう」なのだ。

 もちろん、僕に会ったからって、翌日から何かが変わるわけでもないだろうし、相変わらずひきこもっていてもいいと思う。
 ただ、僕の考え方に共感してくれたら、初対面でも歓迎なので、会って話してみないか?
 そんな酔狂な僕のような人が1人でも全国に増えたら、面白いと思うのよ。
 僕は、偉い人たちにほめられるより、ひきこもり当事者に選ばれる人でいたい。

 誰も来なかったら、1人でiPadで遊ぶことにしよう。
 それを「失敗」だと笑う人がいても、関係ないね。
 誰もやらないから、やってみるだけでも、僕はワクワクするし。
 まぁ、この試みは、今後忙しくなるため、今回限りかもしれない。
 けど、やってみる価値はあるはずさ。
(参加できない方も、ぜめてネット上の拡散をよろしく!)

【今一生 1対1 ひきこもり当事者オフ会のお知らせ】

◎日時:2016年2月13日(土) ※下記の時間帯から1つを選びください
 A:午後2:00-3:45 ※参加者決定済(予約受付終了)
 B:午後4:00-5:45 ※タイム・オーバー(予約受付終了)
 C:午後6:00-7:45 ※タイム・オーバー(予約受付終了)
 D:午後8:00-9:45
 E:午後10:00-11:45 ※参加者決定済(予約受付終了)
 ※終電が早いため、駅前のホテルをご利用ください
 ※当日でも、「参加者決定済」の時間帯以外なら、参加予約を受け付けます
 ※当日、僕(今一生)はメールの送受信ができるスマホを常時携帯してます
 ※遅刻、大歓迎!

◎場所:内房線 五井駅周辺の飲食店
 ※店の場所は、予約メールをいただいた方のみ、お知らせします
 ※五井駅は、東京駅から快速で1時間、横浜駅からバスで80分。
 ※Yahoo!路線検索は、コチラ
 ※五井は、千葉県市原市にある町です

◎参加資格:ひきこもり当事者
 ※性別・国籍・病歴など一切不問(ただし20歳以上)
 ※ひきこもり歴が1年以上の方のみ
 ※必ず当事者1名でご参加ください(引率者はお断り)

◎参加方法:conisshow@gmail.com(今一生)までメールで予約
 ※時間帯ごとに予約先着1名のみ(早い者勝ち)
 ※参加費は、ご自身の飲食代のみです
 ※メール予約の際には、名前・年齢・性別・ひきこもり歴と簡単な自己紹介を書いてください

◎交通費の目安
 ※五井駅~東京駅(電車で片道861円 +飲食代)
 ※五井駅~新宿駅(バスで片道1450円 +飲食代)
 ※五井駅~横浜駅(バスで片道1650円 +飲食代)
 ※五井駅~大阪駅(バス+電車で片道7432円 +宿泊代+飲食代)
 ※五井駅~青森駅(電車で片道1万8000円 +宿泊代+飲食代)
 ※五井駅~名古屋駅(電車で片道1万900円 +飲食代)

◎備考
 ※これを機に今一生の本を1冊でも読んでみて(図書館にもあるよ)
 ※ケータイをご利用の方は、電話番号もメール予約の際にお知らせください
 ※僕(コンイッショウ)が話してる動画は、コチラ
 ※当事者ではなく、周囲の人々で今一生に相談したい方は、コチラ

【関連ブログ記事】
 長期化するひきこもり当事者の「その後の人生」

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