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■20歳以上のアイドルに処女性を望むなんて時代遅れ

 アイドルグループ「キチョハナカンシャ」は、全員が就職活動中の女子大学生で構成されている。
 そのメンバーの一人あみさん(22歳)が、はだけた胸を若い男性に吸われているツーショット写真がネット上に流出し、所属事務所が謝罪コメントを発表した。
 同じ写真に収まっていた男性について、あみさんは213日に「今回伺う企業の人にフォローしていただいたからご挨拶しなきゃって挨拶したらこうなった」とtwitterでつぶやいていた。

 就職活動の過程で出会った男性と「深い仲」になったことを明らかにしたわけだ。
 だが、これを一部のメディアが騒ぎ立てている。
 いったい何が「問題」なのだろうか?

 「キチョハナカンシャ」には、内定が決まったメンバーから即卒業というルールがあり、内定までの就活アイドルの活動目的は「就職活動の様子を赤裸々に発信していくことで就職活動の透明化を目指す」ことだ(公式サイトより)。

 今回、あみさんは、就活中にお目当ての企業に挨拶したら、その「企業の人」と一緒の写真を公開されることになった。
 活動目的どおりに、「就職活動の様子を赤裸々に発信していくことで就職活動の透明化」したわけだ。
 誰が今回の写真を撮影し、公開したのかは、わかっていない。
 しかし、一緒に映っている男性が公開を不本意に感じているなら、あみさんと事務所が世間に対して騒動を謝罪したように、堂々と名乗り出て彼自身と勤務先に対する汚名を晴らすはずだ。

 しかし、今日現在、男性は表に一切出ていない。
 あみさんとの関係も、あいまいにしたままだ。
 このままでは、「内定を餌に女子学生に関係を迫る“パワハラ”で訴えられてもおかしくない案件」と勘ぐられ続けることになる。


 あみさんは、Webデザイナーを志望していた。
 幼い頃からPCをいじることが大好きで、自らWebデザインやコーディングをしたHPを作り、「より多くのユーザーに刺さるインターネット広告を作っていきたい」と公式サイトのプロフでアピールしていた。
 そんな彼女のtwitterアカウントのプロフと写真は、騒動の後、黒く塗りつぶされている。

 フロントに立つ「アイドルの女」は素行を問題視されるが、それに比べると、スキャンダルの相手になった男の言動はさほど取り沙汰されない。
 この図式は毎度ネット上で炎上し、何度もくり返されてきた。
 2013年にAKB48の峯岸みなみさん(当時20歳)がEXILEの白濱亜嵐さんの家で一泊したのが発覚し、真っ先に丸坊主になって謝罪したことは記憶に新しい。
 このように男女で扱いが異なる図式は、アンフェアな印象が拭えない。


 もっとも、大阪・堀江を拠点に活動するガールズグループEspecia(エスペシア ※上記の画像)や、神戸市各区の代表で選ばれたオール神戸っ娘のユニットKOBerrieS♪(コーベリーズ)は、結成当初からずっと恋愛OKアイドルだ。
 たとえ「恋愛禁止」ルールがあろうと、誰かと「深い仲」になった時に「バレなきゃセーフ」の一線を守っている限り、ファンを裏切ったことにはならないだろう。
 露骨に性的な写真が流出して一部の人たちに不快な思いをさせない限りは、20歳を過ぎた女に恋人がいたり、セックスしたりするのは、当たり前のことだからだ。



●若気の至りを許せない社会は、誰にとっても生きにくい社会

 昭和の頃と比べれば、昨今のアイドルは高齢化している。
 30代のグラビアアイドルも珍しくなくなった。
 10代からデビューし、がんばって活動を続け、20歳を超えてやっと知名度が出てきたほとんどのアイドルは、すでに出産適齢期に突入している。
 性的欲求が高まるのも当然だ。
 そして、欲求というものは、食欲にせよ、睡眠欲にせよ、禁じられれば禁じられるほど高まってしまう。

 事務所が「恋愛禁止」を公式に掲げ、ファンやメディアからの監視の目を厳しくさせればさせるほど、アイドルは欲求不満を高まらせ、陰で上手くやるスキルを向上させるだろう。
 身も心も勤務先に捧げるなんて生き方は、誰にとってもキモチワルイからだ。
 そこで、女性に対して処女性という幻想をいつまでも大事にしたい人だけをコアなファンに設定して「恋愛禁止」を標榜し続けるのは、今日ではリスク・マネジメントの点で危うい。
 羊頭狗肉になってしまい、ビジネスの持続可能性が揺らぐからだ。

 それは、「アイドルはセックスしない」というウソくさい幻想を掲げることで、「禁じられた密会!」と記事の衝撃度を演出してきたメディアも同様だ。
 独身男性が増えてファンも高齢化した現在では、どんなアイドルが誰と寝ようと今さら驚かないし、「処女性に釣られているファン」を釣るスキャンダル記事に不快感を持つファンも少なくない。

 あみさんが参加した「キチョハナカンシャ」は、就活生が企業説明会などの後に使う決まり文句の「貴重なお話ありがとうございました!」の略だ。
 公式サイトによると、「没個性化、マニュアル化する新卒一括採用に対するアンチテーゼと、その中で葛藤しながらも必死に活動するメンバーの意気込みを意味する」という。

 あみさんは、「マニュアル」にない個性的な採用のされ方に進み、「その中で葛藤しながらも必死に活動」し、事務所に要請されたミッションに忠実に働いたのかもしれない。
 少なくとも、写真に一緒に写った男が何も発言していない時点で、「就職希望先の男と寝たビッチな女子学生」というレッテルを貼って思考停止するバカにはなりたくないものだ。

 あみさんは、脇が甘かった。
 しかし、脇が甘い若者なんて、どこにでもいる。
 それをふまえて、失敗しても愚直に目標に突進できる若者を鍛えたいと採用する企業こそ、いまどき珍しい「男前」な会社なのかもしれない。
 「昭和」型の経営を続けるSonyや東芝などの大企業の凋落を見れば、たかが身の下のことで煙たがる古臭い考えの企業には、入らないほうが得策だろう。
 それとも、若気の至りで一度失敗してしまった者には居場所を与えない社会を、きみは望むか?

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