動物福祉やアニマルライツ(※動物が自然のままに生きる権利)に関心を持つ人が増えている。
というのも、動物と人間が互いに相手を害さずに済むための新商品が、続々と開発されているからだ。
たとえば、こんな商品(※たった1分弱の動画なので観て!)。
ビニールパックといえば、ゴミとして海に流される。
すると、海洋生物が食べてしまい、彼らの健康を害してしまう。
しかし、Edibe six pack ringsは、「食べられるビニールパック」だ。
開発したのは、アメリカのビールメーカー。
これなら海に流されてしまったとしても、海洋生物にとって食料になるだけ。
面白いのは、ビールの製造工程で副産物として出る大麦や小麦の残りで作られてる点。
残り物でべつの商品が作れて、しかも消費者から「海洋生物を救えてうれしい!」と大好評。
動物を愛する人は、同じビールでも、このビニールパックのデザインを選んで買うようにもなる。
これぞ、消費者運動が社会を変える一つのあり方だ。

それは、「刺繍絵画」ふうの爪とぎ。
とにかくソファでも何でも爪とぎの相手にしてしまう猫さま。
でも、オランダのデザイナー・エリックさんは、「猫の爪とぎタワーを人間が見ても楽しめる形にできないか」と試行錯誤し、ついに商品化。
モナ・リザの絵を刺繍し、エリックさんのネットショップで2万円ほどで購入できるようにしたのだ。
これで壁紙やティッシュなどで爪を研ぐチャンスを少しでも減らすことができれば、安いもの。
一方、飼い主が留守でもペットをさみしくさせないアイテムも商品化されている。
それが、世界中どこからでも家のペットと遊べるスマートボール「Play Date」。
ケヴィン・リーさんが開発した。
ボールに内蔵されたカメラがペットを映し出し、それをスマホで観られる仕掛けになっており、ボールは遠隔操作で動かせる。
現在、小売価格から80ドル(8700円)引きで、このサイトで買える。
最新情報は、facebookページで確認してほしい。
●動物と住む、飛行機に乗る、気持ちがわかる日本製の商品
海外の商品ばかり紹介してきたが、日本ではSippoというサイトが日本での動物関連ニュースを集めている。
そのSippoから、動物との共生を考えた商品・サービスの最新ニュースを拾ってみよう。
賃貸住宅で「ペット共生型」を提案した旭化成ホームズ・阿久津本部長へのインタビュー記事によると、同社では1998年に「旭化成ペット研究会」を発足させ、2000年に「+(プラス)わん+(プラス)にゃん」という戸建て住宅の発売を始めたという。
そこで培ったノウハウを生かし、2006年からは賃貸住宅にも「ペット共生型」というコンセプトを広げている。
ペット共生型賃貸は、基本的にペットを飼っている人だけが対象。
だが、入居申込時にしつけや飼育の状況などを入念にヒアリングして審査をし、入居後はしつけ教室を開くなど「飼い主教育」も実施しているとか。
「ほかのペット可賃貸に住む人に比べ、しつけへの意識」が2倍以上高くなっています。これまで首都圏だけでしたが、2015年度からは全国に拡大しています」
(阿久津本部長)
朝日新聞(2016年5月24日付)から引用された「愛犬もケージで機内のツアー」という記事では、国内では初めて機内でペットと一緒に過ごせるチャーター便ANA「ワンワンフライトin北海道」ツアーが5月20日、釧路に向けて成田空港を出発したことを伝えている。
ペットは通常、貨物室で空輸される。
だが、このツアーでは、ケージに入れて機内で一緒にいられる。
このツアーは、申し込み開始から2日間で完売し、44匹の犬と飼い主ら87人が参加。
千葉市中央区の会社員夫妻は、「貨物室に預けるのがかわいそうで、空の旅は躊躇(ちゅうちょ)していた。安心して行けるので真っ先に申し込んだ」と話したとか。
こういう試みが段階的にでも増えていけば、いずれはペットのいない乗客との共存も実現するかもしれない。
最後に、やはり朝日新聞(2016年3月28日付)からの引用記事を紹介しよう。
センサーを内蔵し、首輪につけて使う「チャーム」と、カメラとデータ通信機能を持った「ステーション」がセットになっている。
歩いた歩数や、体をぶるぶる震わせた回数をセンサーで把握。
過去の行動パターンなどと比較、分析することで「リラックスしている」「落ち着きがない」といった犬の状態を認識し、飼い主のスマホに知らせてくれる。
カメラで撮影した犬の様子も送ってくれる。
価格は、税込でおよそ2万円。
ペット用品や家電を扱う量販店で販売しており、現在ではAmazonでも買える。
この商品には、前述の「PlayDate」にあったスマートボールような遊びココロが足りない。
だが、これはいずれ改善されるはず。
人間寄りの発想ではなく、あくまでも犬寄りの発想を大事にすれば、犬種によって違うニーズを把握したり、子犬と成犬では異なるニーズを掘り起こすなど、改善の余地は小さくないからだ。

この商品の定価¥6,500(+8% ¥7,004)のうち、195円は「フェリシモの猫基金」として飼い主のいない動物の保護と里親探し活動、野良猫の過剰繁殖防止活動、災害時の動物保護活動などに運用される。
もはや、このサイトで買うしかなかろう。
犬・猫を家族にする人が増えている以上、「動物視点」での商品開発を期待したい。
動物関連商品は「ユニバーサル商品」なので世界に売れるし、何よりも動物を愛する人たちの思いこそが購買欲につながるのだから。
そして、自分の毎日の仕事を通じても”動物と共生できる商品・サービス”は作れるのだと、多くの人に気づいてほしい。
そして、自分の毎日の仕事を通じても”動物と共生できる商品・サービス”は作れるのだと、多くの人に気づいてほしい。
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