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■田舎の小さな女性起業家がAPECに招待された!?


 僕の本『プライドワーク』(春秋社)や『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)、『よのなかを変える技術』(河出書房新社)をお読みの方ならご存知のMo-House(以下、モーハウス)が、今月末、ペルーで行われるAPECの「女性と経済フォーラム」に招かれることになった。

 APEC(エイペック)とは、「アジア太平洋経済協力」の略。

 アジア諸国を中心に21の国と地域が参加し、経済的に協力する枠組みだ。
 経済規模で世界全体のGDP6割、世界全体の貿易量の約5割、世界人口の約4割を占める「世界の貿易センター」だ。
 アジア太平洋地域の持続可能な成長と繁栄に向けて、貿易・投資の自由化、ビジネスの円滑化、人間の安全保障、経済・技術協力などの活動を行っている。

 APECでは、2011年のサンフランシスコ会合から、女性の経済的エンパワーメントを促進するため、閣僚級で構成する「ハイレベル政策対話」を含む民間と政府が対話を行う会合として「APEC女性と経済フォーラム」を開催している。

 一方、モーハウスとは、茨城県つくば市に本社を置く授乳服ブランドメーカー。
 スタッフ全員が女性で、育児中のママも多い、とても小さい規模の有限会社だ。
 この田舎のとても小さな会社が今、国内外から注目されている。
 なぜか?

 赤ちゃんと一緒に職場で働く「子連れ出勤」、公衆の面前でママさんたちが授乳しながら楽しく語り合う「授乳ショー」、そしてどんな環境でも母乳育児がしやすい「授乳服」。
 この画期的な3つのビジネススタイルが育児中のママから圧倒的な支持を受け、生き残りが難しいと言われるベンチャーで約20年間も商売を続け、社会起業家としても注目を浴びているのだ。

 代表取締役の光畑由佳さんは、2014年に北京で開かれたAPEC女性と経済フォーラム2014」で、日本代表の民間スピーカーとして登壇した。
 母乳育児を支援し、女性の活動領域を広げる授乳服の開発や子連れ出勤の実践と発信について発表すると、絶賛の拍手を浴びた。


上海・高島屋での光畑さんの講演(Youtubeより)


●ビジネスは小さい規模で生み出し、クオリティを大きく育てる

 2014年のAPECでは、「アジア太平洋地域の繁栄のための女性の力の結集」をテーマに、日本の女性起業家の代表としてただ一人スピーチを依頼された光畑さん。
 政府間のお硬い席ではなく、円卓を囲んでのお楽しみの一つとして行われたそうだが、2年後の今年、再び日本政府から声がかかったのだ。

 2016年27日から30日までの4日間、ペルーで行われるAPECの「女性と経済フォーラム」には、日本政府側では内閣府・外務省・経産省が三つ巴で対応している。
 そこで、光畑さんにSkypeでインタビューを試みた。

 APECへのご参加、おめでとうございます。
  どういう経緯で今回のご出席が決まったのですか?

光畑 まず、経産省からオファーが来て、「モーハウスの事例を紹介してよいか」と。
   数年前かな、内閣府の英語の資料にモーハウスの事例が紹介されていたんです。
   だから、今回は「写真を使っていいか」というお問い合わせかなと思ったんです。
   その後、内閣府から今年「APEC BEST AWARD」という賞が創設されると聞いて。
   内閣府がノミネートしてくれるなら、めったにない機会だしと。
   それで、面白そうだし、ペルーに行くことにしたんですね。
   APECでは2014年に7分ほどのスピーチをしたことがありましたし。
   ビジュアル資料を通訳なしで見せたので、それをご存知で引き継がれたのかも。

 赤ちゃんと一緒に働ける職場の写真だけでも、十分インパクトがありますもんね。
  APEC BEST AWARD」を受賞しても、おかしくないように思います。

光畑 今回の賞は、ロシアのイニシアティブで作られた賞だそうです。
   ロシア語のサブジェクトでいきなりメールが届いて。本文は英語でしたが。
   ロシア・韓国・タイ・フィリピン・アメリカなどの12団体の起業団体がノミネートされました。
   日本からの起業家のノミネートはモーハウスだけだそうです。
   アワードの審査は各国の代表の方々がやるそうで、ネットで中継するかもしれません。

 光畑さん、英語でスピーチするんですか?

光畑 そうなんですけど、英語はできませんので、いま特訓中です(笑)。
   各国の方々と通訳がいないパネルディスカッションに参加することになってるので。
   しかも、ペルー政府からのインタビューも受けることになっています。
   「女性弱者賞」の広報担当が国内外のメディアを調整したく連絡をとりたいと言われてて。
   終わったら、ナスカの地上絵やマチュピチュの遺跡を楽しんできます!


 いま、地方で女性起業家として挑戦を始める人が増えている。
 若い女性も、経験を積んだ女性もだ。
 都会で働かなくても、小さな会社でも、良い商品・サービスを作り出し、少しでも生きづらい社会に風穴を開けてみると、それだけで人生は面白くなるかもしれないよ。

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