まず、それを報告したい。
金を巻き上げるヒモ男の元から避難しようと、勇気を振り絞って2月末にバスで東京を目指した彼女は、上京後に実際に「所持金0円」になってしまい、着の身着のままで漂流せざるを得ない状況だった。
そこで、ネット上で連絡を取り合いながら、僕の友人の女性によって当座のお金を借り、女性用サウナを泊まり歩き、公的なシェルターで一時保護された。
しかし、シェルターではスマホを取り上げられ、外出時にも門限があるため、仕事探しもアパートとの契約も難しく、pinkumaさんは数日間で出ることを決めた。
その後、ネットカフェや女性用サウナなどを転々とし、ようやく1週間前(3月11日)に関東某所で定住先を確保し、落ち着けることになった。
この間、僕は前述のブログ記事でpinkumaさんの緊急事態について書いて拡散し、彼女の描き下ろす絵を前払いで買っていただける方や寄付者を募ったところ、3月17日までの3週間弱で総額22万円を調達できた。
このお金で彼女は定住先を得て、週5で働ける場所も自ら見つけ、生活のメドが立った。
そこで3月18日、pinkumaさんの絵を見て購入してくれた方や寄付してくれた方に声をかけ、都内某所でpinkumaさんから直接感謝の気持ちを伝える集まりを開催した。
以下の動画が、その模様だ。
冒頭に上京したpinkumaさんを最初に救った尾野さん、絵を発注してくれたイチミヤサライさん、お金を寄付してくれたみみずさん、既に発注した絵を受け取ったyukkoさん、そしてpinkumaさん、最後に僕がコメントしている。
みんな、古着やお菓子などをpinkumaさんのために持参してくれた。
まだ、避難して3週間であり、ヒモ男がpinkumaさんを追ってこないとも限らない状況であるため、彼女が顔をさらすことができない事情をご容赦されたい。
今回、pinkumaさんの既存の銀行口座からヒモ男が勝手にお金を引き出す恐れがあったため、彼女が新たに口座を開く前に、僕自身の口座を公開する形でお金を集めた。
漂流生活がいつまで続くかわからず、友人からの借金だけでは日々の飲食費や宿泊費などが持ちこたえられないため、彼女自身が描きおろす絵を前払いで購入していただき、僕の口座へ振り込まれたお金を彼女に手渡しすることにしたのだ。
問い合わせ窓口も、wifi環境が得られる保証のなかった彼女の代わりに、僕のメールアドレスを公開しておいた。
もっとも、僕(今一生)が誰で、どんな男かわからない人の中には不信感を持つ人がいたり、pinkumaさんが実在しないかのように疑って問い合わせてきた人までいた。
ネット上ではそういう疑いを持たれても仕方がないので、お問い合わせの一つ一つに丁寧に答えてはいったが、現実にある深刻さはなかなか理解されないものかもしれない。
もっとも、僕も個人情報であるメールアドレスも、SkypeのIDも、銀行の口座番号も、プロフィールも公開しているのに、何ら確かめようともせず妄想で噂を流す人たちの疑心暗鬼は、容易に取り除けるものではないだろう。
ヒモ男との軟禁生活を強いられていたまちの方々からは、「あんなに仲良さそうにしてた夫婦なのに逃げるなんておかしい」という指摘もあったが、そもそも夫婦ではなく内縁だし、どこに行くにもなかなか1人にさせてもらえなかった不自由がpinkumaさんを苦しめていたことを地元市民はまったく知らず、にわかに信じられないようだった。
●もっと生きやすい社会を市民が作り出すために必要な起業
世間体を重視する田舎では、あたかも問題がないかのように振る舞うしかない。
ご近所に心配され、噂にでもなったら、その噂を聞きつけた男が家の中でどんな顔になり、どんな悲劇が始まるか、想像するだけでも恐ろしい。
しかし、ヒモ男が油断した突然のチャンスに賭けるしかなかったpinkumaさんの不安の大きさは、「超・束縛男」と付き合ったことのない人には、わからないのかもしれない。
いずれにせよ、これでpinkumaさんの緊急事態は一件落着。
「みんなが一人のために」お金を出してくれたり、ネット上で拡散してくれたことに、僕からもお礼を言いたい。
本当にありがとうございました!
pinkumaさんは今後、絵を描くことを本格的に仕事の一つにしていくそうなので、これから彼女に絵を描いてほしいという方は、いまごらんのブログ記事にあるpinkumaさんの絵や前のブログを参考に、彼女の下記のアドレスから直接、条件交渉をしてほしい。
xxxpinkumaxxx@gmail.com(pinkuma)
なお、このように僕が自分の銀行口座までさらして個人の急場を救うことは、最初で最後にする。
根拠のない疑いをかけてくる人に対応するのは人生の時間のムダ使いのように思えたし、政治や行政がお金のない国民が満足できる速さで就労支援のチャンスを提供することがないことは僕にとってわかりきっていたことだからだ。
一時保護の後、らちのあかない就労支援を待つばかりでは希望がない。
むしろ、自分で自分の仕事を作り出して急場をしのげるノウハウの方が、餓死を免れる生存戦略になる。
pinkumaさんの場合、絵を描けたので、彼女自身の力でお金を得られた。
他の人なら、家事手伝いや料理・裁縫・HP制作などだったかもしれない。
自分で自分の仕事を作り出すノウハウを教える(=食べ物の魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える)という取り組みは、世界では貧困者支援の王道だ。
なのに、日本ではまだお金や食事を恵んでやればいいと思考停止している活動団体の方が圧倒多数のままだ。
だから今回のpinkumaさんの件では、彼女自身ができることで彼女自身ががんばれば救われる仕組みで応援することにした。
このように、困ってる本人自身が自力でできることを見つけてあげるアクションは、10代の頃から「進学して就職すれば良い所得を安定的に得られる」という幻想だけを植え付ける教育がバージョンアップされないまま残っている点に起因するのだろう。
だから、子どもの頃から自分のやりたい仕事を自分で作り出せるようになり、会社に雇われなくてもべつに困らないようにするため、今後、起業について学べるチャンスを作り出していく必要がある。
pinkumaさんの一件は、それを痛感させるのに十分なほど、政治や行政に頼ってもらちがあかない現実を浮き彫りにさせた。
たった一人の貧困女性を短期間に救うには、多くの方々からの資金援助・拡散の労力・相談時間などが費やされたのだから、そのコストを賄える仕組みを作れないままでいる政治や行政に期待するより、その仕組みを民間でサクッと作った方が誰にとってもセーフティネットになる。
この社会を生きやすい場所に変えるには、結局は民間で市民自身が動くしかないのだ。
今年(2017年)からは、僕自身がそれをはっきりとした形で見せていきたい。
乞う、ご期待!
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