と同時に、同日までにこの本の制作費400万円を先払い購入と寄付によって調達しようと、企業経営者や著名人などへ手紙やメールを送り、大量購入や寄付を打診してきた。
しかし、速報の記事に書いた通り、30日の正午頃までに集ったのが102万円だった。
そのため、制作費の内訳の中で本自体の経費(デザイン代・紙代・印刷費・流通諸経費など)のみに相当する200万円に達した時点で、当初予定していた9月の出版に間に合わせようと、とりあえず100万円を早急に調達したい旨を訴えていた。
つまり、あと100万円さえあれば、9月に本を出版できる。
残りの200万円は、100人分の採用謝礼(1人1万円☓100人=100万円)、僕やdZEROの利益(仕事ギャラ)、信田さよ子さん(臨床心理士)などの選考委員への謝礼金、見本本の発送費などの諸経費として必要だが、それらの支払い時期は応募要項に明記した通り、12月末までなので、先払い購入・寄付を継続して7月~12月の6ヶ月間に調達する。
だから、とりあえず100万円が緊急に必要だ。
そのことを速報の記事に書き、SNSで拡散した。
しかし、これまで大量購入を打診した先の企業経営者や著名人からの返事はほとんど来ず、彼らから1冊の注文も届かなかった以上、正直、心が折れそうだった。
僕が10代の頃から心底尊敬している方々にも手紙を書いたので、まったく返事が来ないことは、体がきしむような感じで、かなり痛かった。
この3ヶ月間、休み無しで情報を拡散し、約400通の手紙を書き、慢性的な睡眠不足と歯痛、金欠、無理解な両親などに悩まされながらも、突っ走ってきた。
もう、いろいろとボロボロだ。
しかし、公募〆切りの6月30日の夕方6時、先払いの振込口座を確認しても、200万円には遠く及ばなかった。
そこで、毎週金曜夜9時からやっているツイキャスの生配信で、まるで選挙前日の立候補者のように「あと100万円!」と、これまでの経緯について吠えまくった。
2時間の配信が終わり、夜11時過ぎ。
またコツコツとtwitter上の情報拡散を再開していると、電話が鳴った…。
「今からそっちへ行っていいですか?」
●5日経つごとに1人の子が親に殺されているこの国で…
電話の主と僕は、僕の自宅の近くにあるファミレスで合流することになった。
「海くらげ」と名乗るチームの面々は、封筒を僕に差し出した。
30日の夜11時50分だった。
彼らは、各自が個人的に拠出した合計100万円の現金を、僕の住んでいる千葉の片田舎まで届けにやってきたのだ。
「子ども虐待をなくしたい。
そのための道具として本を出版したい!」
そう、僕は訴え続けてきた。
「海くらげ」の方々はその呼びかけに応じ、「絶対に出版してほしい。でも、この本の価値がわかる人から制作資金を集めてほしい」という思いで駆けつけてくれたのだ。
車で去っていく彼らを見送り、帰宅して封を開けて万札を100枚数えても、なんとも不思議な感覚で、にわかに現実感がなかった。
裕福どころか、むしろ平均所得より低いかもしれない彼らが、「子ども虐待をなくせる仕組みを作る」足がかりとしてこの本の出版に賭けて、こんなに大きなお金を預けてくれた。
よのなか、捨てたもんじゃない。
同時に、奇跡だ、とも思った。
あまりに想定外のことが起こると、喜びも感謝の気持ちも驚きもごちゃまぜになって、どうリアクションをとればいいのか、わからない。
「ありがとう」という言葉以上の表現があるなら、それを伝えたい。
虐待される痛みを分かち合うこの本は、ただ虐待された読者を慰めるためのアイテムではない。
あくまでも、子供が虐待されない社会の仕組みを作り出すための突破口なのだ。
僕は彼らに、今後、新規で企業や著名人に手紙で大量購入を打診するのはやめて、地道に残り200万円を調達していくことと、9月に必ず出版することを約束した。
この本の価値もわからず、ただお金が余っているという理由で出資されても、僕自身、うれしくない。
実際に残り200万円をどう調達していくかは、新たなブログ記事で詳細を書くとして、今日はとりあえず休ませてほしい。
一昨日からろくに寝ておらず、何度もパソコンの前で机にズドンとおでこを打ち、そのたびにハッと目覚めるくり返しなんだ。
お時間がある方は、『新編 日本一醜い親への手紙』の先払い購入と寄付を呼びかけるこのブログ記事のリンクを、あなたのSNSで拡散してほしい。
とりあえず、9月には本を出せる。
7月3日(月)に出版元のdZEROに200万円を振り込み、やっと本の制作にとりかかれる。
同時に今後半年間は、残り200万円の調達も進めていく。
ますます寝られなくなるかもしれないが、僕は絶対に希望を捨てない。
この本を売ることによって、多くの人々に親から虐待される痛みを知ってもらうところから、子どもが虐待されない社会を作り出したい。
数十年前はあれだけひどかったセクハラやパワハラを、今日ではかなり減らしてこれたように、人間の中でもっとも弱い子どもへの虐待だって絶対に無くせる。
きみが望めば…
★先払いで本を買う! 1冊2000円(税・送料込み)
★買わずに出版制作費へ寄付する
★「親への手紙」を書いて応募する (※7月3日午前まで受付)
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「親への手紙」は届けたい相手に匿名で贈れます
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