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山上徹也は何を間違えたか?● 教団が解散しても 解決しない〇〇 #日本 #統一教会 #NHK #裁判 #宗教 #山上徹也 #政治 #子育て #家族 #子ども #こども家庭庁 #児童福祉 #哲学 #教育 #事件 


(※この記事の動画版は、コチラ

 安倍総理に銃を向けて、命を奪ってしまい、現行犯逮捕されて、現在は裁判を受けている山上徹也・被告(44歳)。

 総理の命を奪ったことで、山上は重罪の判決を受けるに違いない。
 つまり、彼を犯行に導いた子どもの頃の不幸な生い立ちは、情状酌量ではあまり重視されないだろうと、僕は読んでいる。

 そもそも、日本社会は歴史的に、子どもに対して不遇な境遇にガマンさせるばかりだった。
 しかも、近代化によって個人の暴力は犯罪にされ、暴力は国家が独占的に利用することになった。

 だから国家は、戦争の時ならいくらでも暴力を外国に向けて自衛のために利用できるし、平和な時でも反社会集団や犯罪的な個人、害獣に対して警察権力は暴力を利用できるようになっている。

 これを言い換えると、個人が誰かに対してどんなに憎しみの感情を抱いても、力に訴えれば、犯罪者にされてしまう、ということだ。

 安倍総理を襲った山上の目的は、彼自身の家族を苦しめた旧統一教会の問題を世間に訴えることだった。

 裁判で山上は、安倍氏の妻、昭恵さんら遺族に対し「非常に申し訳ないことをしたと思っています」と謝罪した。

 起訴前に山上の精神鑑定を行った医者の和田央(ひさし)医師は裁判で証言台に立ち、山上の言葉を次のように紹介した。

「宗教のせいで家がごちゃごちゃで立て直せなくなった」
「(教団とつながりがある)安倍氏が相手なら理解を得られると思った」
「日本の教団関係者に乱射すると確実に僕が悪くなる。あえて安倍氏にした。兄が安倍氏を嫌っていた」
「教団を撃つか、政治家を撃つか。追い詰められているところ、手の届く所に安倍氏がいた」
「とりあえず撃ってしまって、教団のことが出れば、それでいい」
「傷を負わせる程度でよかった」

 以上をふまえると、山上は事件を起こすことによって、旧統一教会が信者の家族を苦しめている現状を、世間に知ってほしかったことがわかる。


 しかし、犯行の目的はそれだけではなかったはずだ。

 統一教会の問題は、さまざまなジャーナリストによってメディアで盛んに報道されたが、政府が解散命令を請求したのは2023年。
 山上の犯行は、その1年前の2022年だ。

 山上が安倍総理の命を奪わなかったら、ここまで大きな話題としてメディアに取り上げられることはなかっただろう。

 それを考えると、山上の目的は達成されたように見える。

 それでも、彼はいくつもの間違いを犯してしまったように、僕は思う。
 その間違いをランダムに語っていこう。

 一つ目は、総理をねらえば確かに話題になったし、実際に教団の解散へと進んではいるが、山上の母親はいまだに旧統一教会の信者のままであり、お布施によって困窮した子ども時代に兄が既に一人でお亡くなりになっている。

 山上自身も、高校時代は成績優秀で、大学進学を望んでいたのに、その進路希望は叶えられず、人生を捻じ曲げられた思いを抱いただろう。


 しかし、自分の進路を子ども自身が経済的な理由で選べないのは、民法上、未成年は親に従う法的義務があったからだ。

 高校時代までの彼は、自分を貧困に貶めているものが民法という法律であったことを、学校では学べなかったはずだ。

 彼の本当の敵は、旧統一教会よりも、法律だったのだ。
 そして、そのことを今でも未成年に教えていない学校教育も、敵だったといえるだろう。

 真面目に勉強しても、親に金が無くて、大学に行けないという無力感に、高校時代の山上がうちひしがれていたことは、容易に想像できる。

 父はアルコール依存症で自殺、母はカルト教団の信者、兄は視覚障害者で自殺し、自分は貧困ゆえに高卒の学歴。

 そんな家庭環境を、山上は捨てることができなかった。
 自分を不幸にする家族を捨てる権利と自由が、日本の法律では未成年に許されていなかったからだ。

 ちなみに、親の方は、子育てができない場合、子どもをいつでも里子に出す権利を持っている。

 子ども側は、どんな毒親でも老いてしまえば介護や扶養の義務を負うことになるのだから、この国の法律は子どもを一生親の奴隷にしている。

 もっとも、成人していれば、家から飛び出すこともできたはずだが、山上は兄思いで、その兄はカルト宗教をやめない母親に悩み苦しんで、一人でお亡くなりになってしまった。

 日本国憲法では、日本に住んでいる人なら誰でも「個人として尊重される」と明記されている。
 これは、戦前まであった家父長制を完全に否定した文面だ。

 つまり、戦後は家族単位での幸福を前提にしていたが、戦後は個人単位の幸せを求める権利を憲法で明記したのだ。

 しかし、人々の間には家父長制マインドが戦後80年間も残り続け、子どもが親や兄弟を捨てることが悪いことであるかのようにふるまっている。

 その結果、山上も世間からの同調圧力に負けて、母や兄を捨てることができなかったのだろう。
 それが2つめの間違いだったのだ。

 家父長制マインドを刷り込まれている子は、そのことに気づかないままだと、自分が親になった時に、自分の親と同じような毒親になりかねない。

 家父長制は、女性と子どもに人権を認めない文化なので、子どもでいるうちは親に従わないことは悪いことだと洗脳され続けるからだ。

 親に反抗できなければ、その攻撃性は親以外に向けられる。

 それを親を苦しめるカルト教団かもしれないし、自分の苦しみを理解してくれない恋人や友人かもしれないし、顔も知らない誰かを含む世間かもしれない。

 そこで思い出してほしいのだ。
 日本人の多くは、家父長制マインドを持ち続けたまま、毒親に育てられてきたことを。

 そこで、3つめの間違いが浮上する。
 それは、安倍総理に限らず、日本人のほとんどが毒親育ちであることに気づかず、自分の家だけが特別に不幸な家族だと勘違いしてしまったことだ。

 親や教師にとって都合の良い「勉強のできる子」になってしまうと、家庭や学校で教わったことが本当かどうかを自分の頭で確かめようとはしなくなる。

 自分軸でものを考えることができず、つねに他人軸で評価されることにおびえる不安を持ち続ける。

 そうなると、苦しい家庭にいる場合、「自分さえガマンしていれば」と思ってしまい、自分を責めるばかりになるから、生きにくくなる。

 そして、「こんなに不幸なのは自分だけだ」と認知のゆがみが始まり、自分で自分を孤立化させてしまうのだ。

 安倍総理も、少年時代はプロ野球を夢見る小学生だった。それは自叙伝本を読めばわかる。

 彼の兄貴が政治家の道から外れ、はやばやとビジネスの道へ行ってしまったので、弟の晋三少年は母親からの期待を一身に受けて、政治家にならざるをえなかった。

 安倍総理も、自分の夢を捻じ曲げられた子どもだったのだ。
 山上被告は、自分と同じように夢をつぶされた痛みを持つ人間の命を奪ってしまった。

 しかし、そのことに山上は今でも気づいていないかもしれない。

 代々総理になる家系に育つ裕福な人なら、親子関係は良好だと思い込んでいる人は、実際少なくないだろう。

 残念だが、家に金があろうがなかろうが、子ども自身が社会や歴史の現実を自分の頭で検証し直そうとしない限り、生い立ちの不幸は一生続くのだ。

 僕ら毒親育ちが、山上事件から学ぶことは多い。
 それは、壊れた家からは遠く離れて、自分自身の生活を自分で守れる環境を作ることだ。

 関係の悪い家族といつまでも連絡を取り合っていると、法を犯しても自分の攻撃性を爆発させたくなってしまうかもしれないからね。

 承認欲求の過剰さは、攻撃性をコントロールできずにいることの表れだから。

 あなたは、山上事件から何を学んだだろう?

 ぜひ、僕のYouTubeチャンネルの動画にコメントで教えてほしい。




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