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佐藤二朗と橋本愛のトラブル◎フジテレビの「人権」改革の失敗! #フジテレビ #ドラマ #橋本愛


(このテキストの動画版は、コチラ

 俳優の佐藤二朗(57)さんが、フジテレビのドラマ「夫婦別姓刑事」で夫婦役を演じていた女優の橋本愛(30)さんにハラスメントをしたと、「週刊文春」報じた。


 いったい佐藤さんが何をしたというのか?
 週刊文春は、次のように報じたのだ。

 佐藤が橋本のキャリアを全否定する発言をするなどし、フジテレビが外部の弁護士に調査を依頼した結果、佐藤の行為は「深刻なハラスメント」であると認定されている。(週刊文春オンライン7月1日付より)

 フジテレビが「深刻なハラスメント」とは、具体的に何だったのか?
 佐藤二朗さんの所属事務所が、次のようなコメントを出している。
 その声明文は、次の通りだ。

 二人は夫婦役で、橋本氏演じる鈴木明日香が運転中に目を瞑り、助手席に座っていた夫役の佐藤が慌てるというコントシーンでした。
 その芝居中、目を瞑ったまま口だけを開ける芝居を橋本氏がしたため、「口ではなく目を開けて」と言って、佐藤の指が橋本氏の顎に触れてしまったのです。(中略)
 その翌日、佐藤は、担当プロデューサーから橋本氏は過去のセクハラによって身体接触の制限があると聞かされましたが、具体的に芝居中にしていいことしてはいけないことが明らかにされなかった為、話し合いの場が持たれました。
 その際、プロデューサーからは「日常接触に気を付けるように」と言われました。その上で、「肩と腕以外を触れるときは事前確認が必要」というレギュレーション(規制)が決まりました。
 なぜ問題になるまで佐藤が橋本氏のトラウマを知らなかったのか。フジテレビサイドから佐藤にオファーをいただいた当初、相手役は決まっていませんでした。
 その後、相手役が橋本愛さんに決定したことが伝えられました。その時点で、番組制作側は橋本さんの事務所から過去に舞台の現場でハラスメント被害を受け、トラウマを抱えていることが伝えられていたそうですが、そのことを佐藤に伝えるかどうかについて、橋本氏の事務所は「(フジテレビに)お任せします」とお答えされたそうです。
 そしてクランクイン3カ月前に担当プロデューサーから、橋本氏が過去のハラスメント被害を受けたことによるトラウマがあることが佐藤のマネージャーに伝えられました。
 その際、担当プロデューサーから佐藤に共有する必要があるかという話になり、日常動作のお芝居には問題がないという点と、絡みのシーンもない為、佐藤の芝居に制限をかけない方が良いのではないかとプロデューサーと話をし、プロデューサーの了解を得た上で、佐藤には橋本氏のトラウマについては伝えないこととなりました
 佐藤は上記で決められたレギュレーションを守り、1話を撮り終えて出来上がった完パケを観て、素晴らしい出来だと感じました。
 そして、今後の撮影のためにもわだかまりを残さない方がいいと思い、橋本氏を労う意味も込めて橋本氏の楽屋を訪れました。
 そこにはスタッフの方もおり、3人が在室する状況の中で、俳優同士の会話として、橋本氏の演技が素晴らしかったと感じたことを伝えました。
 そして過去の心の傷は最大限、尊重されるべき社会だと心から思うが、トラウマがあって夫婦役を演じるなら先に状況を相手に共有すべきである事、その状況が続くなら俳優を続けるべきではないのではないかと僕個人は思います、と伝えました。
 この日、橋本氏は、佐藤が退室するときも笑顔でした。その後も佐藤はお約束通り、一貫してクランクアップまでそのレギュレーションを守り続けました。
 佐藤の言動がハラスメントにあたるものでないことは、専門家からの確認を受けています。(オリコンニュース7月1日付より)

 以上、ことの経過を詳細に書いてあるが、これをわかりやすくまとめてみよう。

① 過去の仕事で男性との接触にトラウマがある橋本さんは、フジテレビの番組製作側に配慮を求めていた
② フジテレビの番組製作側は、佐藤さんへ橋本さんのトラウマを伝えないまま、ドラマの撮影を始めてしまった
③ 撮影中に佐藤さんがアドリブで橋本さんの顎を触って、トラブルになった
④ 橋本さんと佐藤さんが話し合い、佐藤さんは「何故先に事実をこちらに伝えなかったのか?その様な状況では俳優業継続は困難なのでは?」と伝えたところ、橋本さんが号泣した
⑤ これが文春に出ると、フジテレビ側は佐藤さんの発言を「橋本氏のキャリアの否定」としてハラスメントだと認定した

 このように事実経過を見ると、ドラマを制作するフジテレビの監督責任が一番重い。

 橋本さんの芝居に関する身体接触の制限について、撮影前に夫婦役を務める佐藤二朗さんに伝えていなかったのだから、トラブルをドラマ制作陣が準備したようなものだ。

 以上を聞いて、違和感を覚える人もいるだろう。佐藤二朗さんが「俳優業継続は困難なのでは?」と言った点は、さすがに言い過ぎではなかったか、と。

 もちろん、トラウマや精神疾患を持っている人だから俳優が困難、というわけではない。

 だが、あらかじめ演技が制約されることを撮影前にからみのある相手の役者に伝えておかなければ、そのつもりがないのに相手のトラウマを刺激する演技をしてしまいかねない。

 あらかじめ、目の見えない人が俳優だとわかっているなら、その人に手を振っても自分の位置を伝えられないとわかるだろうから、声をかけるように配慮できる。

 それと同じように、相手が男性にトラウマがあるのに夫婦役を引き受けたとわかっていれば、佐藤二朗さんも俳優として、必要以上に身体接触をしないで済む演技を心がけただろう。

 今回フジテレビは、一方的に佐藤二朗さんの言葉尻をとらえて問題だと指摘した。

 具体的には、「当社から男性俳優の言動について、厳重注意を行うとともに、再発防止を求めた」そうだ。(オリコンニュース7月2日付より)

 フジテレビは、次のような声明を出した。

当社は、過去に辛い経験をされた方に対して、それによる不自由や制限を当然に受け入れるべきだという意見には与しません。
 そのような言葉を投げかけることこそが、二次加害や誹謗中傷に他ならず、人権尊重を掲げる当社としては、そのような行為を許容することはできません。
 当社は、引き続き、心理的安全性の保たれた制作現場づくりをはじめ、人権の尊重も含むサステナビリティ課題全般についての取り組みを推進してまいります。

 これは、佐藤二朗さんの言葉の文脈を完全に取り違えて、自己正当化している。

 佐藤さんは、前もって相手の俳優に演技の制約をせざるを得ない事情を説明しないまま撮影に入る状況では、俳優業継続は困難ではないか、と問いかけたのであって、トラウマがあるなら俳優をやめろと主張したわけではない。

 なのにフジテレビは、橋本愛さんをかばうつもりで、まったく罪のない佐藤二朗さんの人権を軽んじてしまった。

 個別の俳優の問題にして事態の収束をはかろうとする構えでは、心理的安全性の保たれた制作現場にはなれないだろう。

 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治フジテレビ社長は、6月25日の株主総会の後で、コンプライアンスを昨年1年間の改革アクションプランに基づいて進めてきた」と言った。

 昨年の株主総会は、フジテレビの女性アナウンサーを中居正広に対して献上し、身の下の接待をさせていた社内スキャンダルで大いに揺れた。

 大きな人権問題が社内にあると表向き反省をしていたのだが、今回のドラマ『夫婦別姓刑事』の俳優間のトラブルについては、フジテレビの社内のドラマ制作担当者の連絡ミスを問わず、俳優の落ち度であるかのように問題をすり替えている。

 それが、人権問題を起こした会社のコンプライアンスの守り方なんだろうか?
 フジテレビはこうしたトラブル案件が表沙汰になると、これまでずっと「外部弁護士による調査」を根拠に人権擁護を主張してきた。

 しかし、弁護士だって高額な報酬で雇われれば、雇い主に対する人権意識の低さを強く問いただすことは難しいだろう。

 それは、ジャニーズ問題でも同じで、ジャニー喜多川による被害者たちは、あまりにも低い賠償額面に悔し涙を飲んでいる。

 なのに、スマイルアップから報酬を受け取る弁護士たちは、自分たちの仕事が被害者満足度の高くないものだと知りながら、多額の報酬をもらい続けている。

 フジテレビは、社長や社員が、外部の下請けスタッフたちから人権侵害を指摘されるような番組を作り、生放送をしてみてはどうか?

 そのような覚悟も持たずに、一方的に外部の下請けの問題であるかのように世間の目をミスリードさせる態度そのものが、フジテレビの正社員の人権意識の低さを浮き彫りにさせたのだ。

 当然フジテレビでは今後も、制作現場で似たような人権侵害トラブル事案が発生することが予想されるし、週刊文春はにらみを利かせているだろう。

 もっとも、視聴者の僕らにとって、フジテレビが内部崩壊しようと、スポンサーを失って経営危機に陥ろうとも、関心外だ。

 むしろ僕が気になるのは、今回フジテレビが週刊文春に橋本愛のトラウマにふれる記事を書かないでほしいと正義感を気取ったことだ。

 何を秘密にしてほしいかは、秘密を求める当事者は自身が決めることであって、第三者が決めることではないはずだ。

 おそらくフジテレビは、今回のスキャンダルで女優を守りたかったのではなく、文春が深く取材を進めれば、番組制作部の部長の首を飛ぶぐらいの社内査定につながることを恐れたのかもしれない。

 社内の落ち度だとわかれば、テレビ局の収益源であるスポンサー企業は撤退しかねないし、そうなると大株主は経営陣の責任を追及するからだ。

 どんな会社でも、中居問題のような大型スキャンダルからたった1年の短い期間に、社員の人権意識が高まるとは思えない。

 今回の件でフジテレビは、社内の責任者が陳謝する声明を出してない。身内は悪くないという態度を貫くつもりらしい。

 今回の報道で、橋本愛さんという女優のトラウマはバレてしまった。
 しかし、それは文春が書いたからではない。

 フジテレビの正社員が、ドラマの制作現場で少なくとも橋本さんと夫婦役の佐藤二朗さんに説明していなかったという決定的なミスを犯したからだ。

 そもそも、トラウマがあることは恥ずかしいことではないし、仕事を奪われるようなことでもないのに、フジテレビは「よかれ」と思って文春の報道にストップをかけようとした。

 そのように当事者より先回りしたひとりよがりの正義感こそ、人権侵害そのものであり、当事者の自己決定権や心理的自立を奪っているのではないか?

 こうした強者による勝手な束縛は、日本ではよく見られる人権侵害だ。

 たとえば、妻が専業主婦を望んでいないのに、「俺が働いてるんだからおまえは働くな」と命令する夫は今でも少なからずいる。
 これだけ物価高で家計が苦しくなってる時代でも、働きたい妻を働かせない夫がいるのだ。

 あなたの周囲にも、あなたから自己決定権を奪う人権侵害を平気でやる支配的な権力者がいないだろうか?

 アルバイトで稼いで自分の進みたい学校に行きたいと望む高校生に、「バイトするなら今すぐ高校をやめろ!」と言う親もいる。

 うつや不眠で仕事ができない時に、「そういう時は休めばいい」と正しいだけのことを言ってくれる医者もいるけど、休むと金が入らないため生活が困窮してくるので、休めと言われても困ってしまう時もある。

 あなたにも、同じような経験はないだろうか?

 切実に困っている当事者より先回りして、一人よがりの正義を押しつけてくる人に、ほとほと弱り果てることはないだろうか?


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