とんでもないニュースが飛び込んできた。
今年8月から政府案件として新設に動き出した「こども庁」の名称を、「こども家庭庁」にしようという動きが出てきたのだ。
政府は、12月15日の自民党の会合で、名称を「こども家庭庁」とし、令和5年度の早い時期に創設し、名称は「こども家庭庁」とするなどとした基本方針の案を示した。
「家庭」という言葉を入れるかどうかで、会議は紛糾。
1時間半に及ぶ議論となり、改称派の一人である山谷えり子議員は、テレ朝の取材に応じて、こう言った。
「『家庭』が入って良かったと思っております。家庭的というつながりのなかで、『子ども』というのは、本当に『子ども』真ん中で育っていくと思いますので、しっかりと全体を見ながら支援が行き渡るように、これから努力をしていきたい」
長島昭久・議員も、以下のように解消を歓迎するツィートをした。
しかも、公明党も「こども家庭庁」の名称を提言。
こうした流れをふまえ。野田聖子・こども政策担当相が最終案を取りまとめ、年内に閣議決定するそうだ。
(※閣議決定後は、国会で予算をつける際に議論になるので、まだ正式に「こども家庭庁」という名称に決まったわけではない)
ちょっと待ってほしい。
上記の議員さんたち、なぜ「こども庁」という組織名になったのか、ご存じないのでは?
昨年(2020年)12月、『子ども虐待防止策イベント in 東京 2020』に参加した自民党・山田太郎議員(参議院)は、そこで虐待サバイバーと出会った。
そして、今年3月に始めた自民「若手」の勉強会にそのサバイバーを招いた。
そこで、親から虐待を受けた当事者として、サバイバーが「チルドレンファーストなら、家庭はセカンド。子ども家庭庁という仮称ではなく、こども庁にしてほしい」と発言。
すると、その場に参加した自民「若手」議員が満場一致で「こども庁」の仮称に賛同し、創設を進めることになったのだ。
詳細は、以下のリンク記事を読んでみてほしい。
親から虐待される痛みを知っているなら、「家庭」という言葉が虐待される苦しみをフラッシュバックさせる恐怖の言葉だと知っている。
それが、政府の公式の組織名に入れば、これはセカンドレイプそのものだ。
なぜ、虐待された子どもに寄り添ったやさしい配慮を、あとから踏みにじろうとするのか?
もちろん、子育て支援をすれば、虐待が減るかのような勘違いをしている人も少なからずいる。
しかし、親を支援するにも、優先順位はあるはずだ。
たとえば、父親にレイプされている子どもがいる。
娘かもしれないし、息子かもしれない。
その父親に対してどんな支援が必要かを考える前に、子どもの人権を守り、一刻も早く家から加害者の親を追い出せる権利を法的に保証するのが、法律を議決できる政治家の責任だろう。
あなたは、レイプした加害者に「あなたも愛されずに大変だったのね」と声をかけることが、レイプされた被害者の子どもを守るより優先したいか?
この国で一番遅れているのは、人権を守られていない子どもを守ることなのに、なぜその被害者の子どもがいることをわかっていて、わざわざ地獄を意味する「家庭」の言葉を入れたがるのか?
それは、伝統的家族観を守りたい老害議員の声がいまだに大きいからだ。
伝統的家族観とは、「家事・育児・介護をすべて女性に強制し、子どもは虐待する親でも文句を言わずに黙って従え」という考えで成り立つ家父長制に基づく「男性(家族=イエ)優位」思想である。
当然、男は家を守る義務を一人で負うことが義務づけられているがゆえに、家族の中では王様のようにふるまうことが許される。
そんな思想は今日、恐怖政治を家に持ち込んでオンナコドモを支配したがる「モテない男」に特徴的な愚かな考えであることは明白になっている。
そんな人たちが大きな声になってしまえば、子どもの権利を法的に守られることがまた遅くなる。
日本の子どもには、親にレイプされる毎日でも避難する権利はないし、経済的自立をしたくてもバイトを親が許可しなければ家を出る資金も作れないし、親を訴えたくても同居中の親を訴えることは事実上無理。
そうした子どもの基本的人権を法的に守らず、子どもは親権者に一方的に従えという民法が戦後から一切変えていない。
児童虐待防止法は虐待相談の8割以上を保護できず、家出をすれば虞犯少年として非行扱いされるのが、今日の子どもをめぐる現実なのだ。
(※詳細は、拙著『子ども虐待は、なくせる』を読んでみて)
■「こども庁」に戻すために、誰もができること
以下の方法で、僕らは「こども庁」に戻すことができる。
これまでも、反対の声を上げて変化を導いたことは山ほどある。
やってみよう!
① 以下の議員のtwitterアカウントに、#こども家庭庁から家庭を外そう というハッシュタグをつけて、「家庭」を公式の組織名に着けられる時の虐待サバイバーの「痛み」を伝えてください
子育て支援や家庭支援は、厚労省の管轄。
なので、こども主体で政策を組み直す趣旨で新設されるこども庁に入れる必要はない。
② 2022年7月の参院選で、前記4名の議員に対する落選運動をしてみよう。
現時点でも、前者4名に対して「こども庁に戻さないなら、次の選挙ではもうあなたには投票しません」とツィートしても効果的。
(※政治家は、落選が一番怖いのだ)
③ 前者4名の事務所に苦情の電話やメールで、反対意見を伝えてみましょう
(※アドレスをコピーし、匿名アドレスで送ってみよう)
④ スマホの「twitterスペース機能」やclubhouseで、こども家庭庁について語ろう!
1人でもこの問題の本質に気づく人を増やせば、「自分も本当は親に虐待されていたんだ」と気づく人を増やすことにつながる。
⑤ サバイバーの女性が、各政党に「こども庁」の名称に戻すよう訴えるネット署名アクションを拡散しよう!
「家庭単位じゃなく、子ども個人に目を向けてほしい!
再度「こども庁」に名称変更を!
共感いただけたら、この記事を下にあるSNSボタンで拡散してほしい。
1人1回だけでも、こういうアクションをやれば、彼らの周囲はざわつく。
僕自身、虐待死を隠す千葉県の行政に対して、原則公開を求めるChange.orgを毎日botでツィートしたら、原則非公開を180度転換し、原則公開に変えられた。
保守系の議員は、世間体が悪くなり、世論から反対されて、選挙で落ちることを恐れている。
有権者がギャーギャー騒げば、まだ決まってない事案については、いくらでも現実は変えられる。
騒ごうぜ!
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