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政治家に子ども虐待防止策を問う:プレスリリース

報道関係者各位

 大阪での統一地方選挙では、都構想だけでなく、「子ども虐待防止策」を公約に掲げる政党が続々と現れてきました。
 大阪府では約30年にわたり、児童相談所へ寄せられる子ども虐待の相談件数が増え続け、最近では、大阪府警が児童相談所へ通告した虐待案件数が全国最多を4年連続で記録しているからでしょう。



 そんな大阪の政治家へ、親から虐待されても懸命に生き残ったサバイバー100人が勇気をふり絞って自身の虐待経験を書いた本『日本一醜い親への手紙』を読んでもらい、虐待サバイバーのニーズをくんだうえで、数十年も失敗し続けてきた子ども虐待防止策を更新する政策を発表してもらおうという『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトが、ネット市民の間で注目を集め始めています(※趣旨はこのページ)。

 ネット市民の有志がこのプロジェクトを大阪の政治家600名以上に告知し、以下の3点をプロジェクトの公式サイトまで3週間以内にメールで知らせるようにお願いしました。

★ 『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』読後感想文
★ あなたが今後の議会にはかる子ども虐待防止策の詳細
★ あなたが被虐待児だったら、自分の虐待防止策に何%満足?
 (※100%でない場合、不満な点を具体的に)


 このプロジェクトは、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』をネット市民から寄付を集めて制作したライター・編集者の今一生が発案し、大阪を中心とする全国の市民が政治家へ告知する形で進められました。

 あらかじめ組織や団体があるわけではなく、上記の3点を政治家へ問いたいということに共感した市民が、自発的に大阪府内の以下の現役議員へメール・FAX・Facebook・郵送で告知したのです。
(※本人のメールアドレスがネット上で公開されていない場合は、所属政党や所属議会の事務局へメールやFAXで連絡済みです)

 告知の対象は、基本的に4月に選挙のある選挙区の現役議員に限定。
 告知した議員の名前リストは、選挙区別にこのページに公開してあります。
 その総数は、合計661名に及びました。

■大阪府議会議員      86名
■大阪府知事+33の市長    34名
■大阪の国会議員(衆議院)  18名
■大阪の国会議員(参議院)     8名
■大阪市会議員           80名
■堺市会議員        47名
■大阪狭山市会議員     13名
■枚方市会議員       32名
■門真市会議員       21名
■四條畷市会議員      12名
■豊中市会議員       35名
■寝屋川市会議員      27名
■富田林会議員       18名

■藤井寺市会議員      14名 
■八尾市議会議員      27名
■泉大津市会議員        16名
■高石市会議員            16名
■守口市会議員       22名
■岸和田市会議員      26名
■池田市会議員       21名
■吹田市会議員       36名
■高槻市会議員       34名
■貝塚市会議員       18名
上記合計:661

(※以上の661名の中には、4月の選挙に出馬しない人も含まれています)

 政治家への告知は、2月25日から順次始められ、約3週間で上記のすべての議員へ告知を済ませました。
 最初に上記3点の文章をプロジェクト運営局へいち早く発表できたのは、堺市議の渕上猛志さん。

 渕上議員には3月3日に告知し、3月9日に3点の文章が届いたので、7日間で回答できたことになります。
 日頃から議会にはかる子ども虐待防止策を考えている議員なら、上記3点の文章を書くことなど朝飯前の作業なので、有権者から頼まれれば、サクッと公開できるわけです。

 3月22日、同じ堺市議の大毛十一郎さんからも回答が届きました。
 3月25日、同じ堺市議の長谷川俊英さんからも回答が届きました。
 以後、日を追うごとに増えていくでしょう。

 まだ発表していない政治家は、告知から3週間が経った3月19日から順次「ブラックリスト」に入り、そこから1週間以内に発表できないと3月26日から「落選させたい候補」に名前が移り、ネット上で拡散されます。
(※松井知事や吉村市長、大阪の国会議員の全員、一部の市長・府議は、既にブラックリストに入っています)

 虐待ワーストの大阪の政治家に、子ども虐待防止策の本気度を尋ねるのは、大阪の議会に従来のものとは異なる画期的な防止策をはかることこそ、日本全体の虐待防止策のモデルになるからです。

 ところが、4月の選挙の争点として、子ども虐待防止に関する公約を掲げる政党はありますが、どれも、さんざん虐待された後のケア(例:児相の権限強化、児相・警察の連携強化・児相の新設・児相での弁護士の常駐・体罰禁止など)でしかなく、これまで語られてきた防止策の拡張の域を出ません。

 そうした政策は、有権者ではない子どもを選挙で無視できるから平気で進められるのですが、その結果、この国では約30年間も虐待を減らすことに失敗し続けてきました。


 しかも、親から虐待されても懸命に生き残って大人になった虐待サバイバーは、虐待の当事者であり、有権者なのに、虐待防止策を作る際にその存在を政治家にずっと無視され続け、失礼な扱いをされてきました。
 政治家は、「子ども虐待は子どもの問題だ」という勘違いを続けているのです。

 身体障がい者はバリアフリー新法の施策の検証に参加し、LGBTがパートナーシップ条例の成立に参加したのに、子ども虐待防止策は、当事者である虐待サバイバーの存在に関心を払わず、蚊帳の外に置き、当事者ニーズをヒアリングされることもなく一方的に進められてきました。

 虐待サバイバーが求めているのは、そもそも親に子どもを虐待させない仕組みであり、さんざん虐待された後の措置やケアではありません。
 虐待後の措置やケアにしても、後遺症は大人になってから発現することも多く、医療費の当事者負担は大きく、自分を虐待した親の扶養や介護の義務を負わざるを得ない民法も長い間、当事者を苦しめ続けてきました。

 しかし、子どもの人権が法的に保証されない日本では、被虐待者に対するケアの自己負担の問題も、議会で話題にすら上りませんでした。
 そうした「子ども視点」の現状については、この記事に書いてあります。

 なお、『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトは、あくまでも「子ども視点」で運営している関係上、電話番号は公開していません。

 事務所の番号と住所しか公開していない政治家は多いですが、親から深刻な虐待をされている子どもほど家や学校、友人宅から電話相談することはできません。
 また、公衆電話も町の中から無くなりつつあるため、相談は学校やネット喫茶で取得した匿名アカウントのメールアドレスかLINE、友人のメールアドレスである場合が多いです。

 いずれにせよ、メールやLINEで連絡するのが昨今の子どもの当たり前の作法であり、大人になっても本名で虐待された経験を語ることが地域社会では難しいため、ハンドルネーム(筆名)を使う人も珍しくありませんし、電話での応対を怖がる人も少なくありません。

 そうした事情は、虐待被害の当事者と付き合ってきた政治家なら当然わかること。
 逆に、電話番号しか明らかにしていない政治家は、「被虐待児の声や虐待サバイバーの意見を聞くつもりがない」と有権者に思われてしまっても仕方ないでしょう。

 それどころか、虐待サバイバーが勇気をふり絞って書いた本を、虐待サバイバーから送られても、封も空けずに送り返してきた政治家が2人もいました(※3月20日時点)。

 虐待サバイバーも、有権者です。
 虐待サバイバーは大阪だけでなく、全国にいます。
 結愛ちゃんや心愛さんは殺されて何も言えなくなってしまったけれど、虐待サバイバーは虐待防止策のために何をしてほしいのか、してほしくないのかを話すことができます。

 被ばくについて被ばく者から話を聞かない政治家が心の痛みを分かち合うつもりがないのと同様に、子ども虐待にについて虐待サバイバーの話を聞かないのは、被虐待の痛みを他人事にしていることなのです。

 ほとんどの自治体は国税が投入されて財政を成立させているため、虐待に心を痛める全国のサバイバーが主権者として虐待ワーストの大阪の政治家に変化を求めるのは当然のことでしょう。
(※虐待サバイバーの中には、自身の虐待を人前で語れる人もいます)

 3月26日からは、「落選させたい候補」のリストに続々と大阪の政治家の名前が入るかもしれません。
 本当に子ども虐待に胸を痛めている政治家がいるなら、堺市の議員以外からも、これから回答が届くはずです。

 報道関係者の皆様。
 ぜひ、いち早く回答を寄せた2人の議員や、本を突っ返してきた議員、「落選させたい候補」に入った議員などを取材しませんか?
 「子ども虐待防止策」を公約する大阪の政治家に、以下の3つを質問してみてください。
 大阪がなぜ「虐待ワースト」を続けているのかが、わかるはずです。

Q1:虐待の4つのタイプとは?
Q2:子どもの4つの権利とは?
Q3:アダルトチルドレンとは?

●「虐待サバイバーの手紙読んでや!」
 プロジェクト事務局
 osaka2019abuse@gmail.com(今一生)


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