2019年の「子ども虐待防止策」イベントが、東京(江戸川区)・東京(町田)・福岡・愛知・大阪の5か所すべて無事に開催できた。
まず、地元の主催者チームのスタッフのみなさんに、「ありがとう」と言いたい。
4~5か月間という長きにわたって、イベントを準備するために、開催経費(約20万円)への寄付を募り、地元の政治家に参加を呼びかけ、参加予約者を増やすためにネットやチラシで広報し、会場にはキッズスペースも設けるなど、働く時間と子育ての時間で忙しい中、時間をやりくりしてはLINEグループで連絡し合い、開催を実現させたことは、大変なことだったと察する。
本当に「おつかれさまでした」と、万感の思いを込めて言いたい。
今年は初めて、戦略的に地元の政治家を1人でも多く参加させようというお願いをしたので、運営にかなりの負荷がかかったのに、本当によくやってくれたと思う。
僕自身、何とか会場を満席にし、開催経費を調達するために、前日までギリギリ、ネットで呼びかけたり、開催地の大学の教授に学生の参加をお願いしたり、政治家にもtwitterから誘うなど、睡眠時間や仕事時間を減らしても、やれることはすべてやってきた。
おかげで、すべての会場で赤字もなく、定員満席になり、政治家の参加も実現できた。
中でも、自治体の議員だけでなく、衆議院議員などの国会議員が参加する地域があったことは特筆すべきことだ。
子ども虐待防止にとって、自治体でできることには限界があるし、国会で親権フリー&シェアが検討される時代を導くには、どうしても国会議員の理解が必要だからだ。
大阪でのイベントのビデオは、下のYoutubeで見られる。
togetterまとめでは、各地の参加者の感想も見られる。
●「子ども虐待防止策イベント in 東京」に参加した人の感想
●「子ども虐待防止策イベント in 愛知」に参加した人の感想
●「子ども虐待防止策イベント in 福岡」に参加した人の感想
●「子ども虐待防止策イベント in 町田」に参加した人の感想
●「子ども虐待防止策イベント in 大阪」に参加した人の感想
「子ども虐待防止策」イベントでは、まず虐待サバイバーたちによる被虐待経験の告白がなされ、次に虐待の現状と新たな防止策の方向性についての解説を僕(今一生)が講演し、最後に一般市民・サバイバー・政治家が一緒になって子ども虐待防止策を議論する。
もっとも、講演部分には質疑応答を含んで実質1時間程度なので、子どもの権利ノートまで紹介する深掘りはしていなかった。
ざっくり現状を紹介するだけでも、資料画像は50点以上に上るのだ。
限られた時間内に紹介できないことは山ほどあるが、それでも真っ先に伝えるべきは、基礎的な統計に基づく現状の残酷さだろう。
講演では、多くの人が意外と知らない虐待の基礎資料として、誰もが検証できる厚労省や警察庁などの公官庁が公式サイトで発表済みの統計を引用している。
そうした公式資料を、あくまでも子どもの視点、あるいは子どもの頃に親から虐待されてきたサバイバー当事者からのまなざしから読み解くのだ。
●2020年への課題と、4つのイベントのタイプ
日本の子どもは、学校でも児相でも自分自身が持っている権利を具体的に教わることがなく、一方的に保護・支援されるjことによって支配されている。
そうした「子ども視点」で言えば、虐待してしまう親への支援を必要としつつも、虐待されている子どもは親の改心を待てずに殺されている。
そのため、そうした現実を放置している政治家への風あたりはどうしても強くなる。
「子ども視点」に立つ以上、「虐待防止のために私はこんなにがんばってきた」という議員の市政報告や活動自慢は不要だし、むなしく響く。
なので、サバイバーの参加者が自分の望む防止策を話した後で、その話を受ける形で議会にはかれるかどうかをその場の議員に尋ねるという司会さばきを僕が担当している。
実際、「18歳の大学生です。親と縁を切るにはどうしたらいいですか?」という質問に、まったく話題の異なる国政報告をした議員もいたので、僕はその話を途中でさえぎり、「この少女の質問に答えてください」と議員に注文をつけた。
他にも、家を出るための生活支援金を役所でいただきたいと発言したサバイバーに対して、ある議員にマイクを振ると、やはり市政報告や自己紹介から始めようとし、話がなかなかサバイバーの提案に対する回答まで戻ってこない。
そのため、「あのサバイバーの方の要望について答えてください」と言わざるをえなかった。
来年に向けての課題は、参加予約した議員には、あらかじめ虐待サバイバーからヒアリングした新しい防止策を送っておき、当日会場でそうした防止策についての賛否や議案提出までに必要とされる勉強会などの取り組みについて発言しやすくしておくことだろう。
誰も、子ども虐待に関する無知は責めない。
しかし、この深刻な社会的課題について無関心のまま放置することだけは、やめてほしいのだ。
約30年間もの長い間、この国が子ども虐待防止策に失敗し続けている現実を認め、票にならない子どもの言い分はもちろん、成人した虐待サバイバーの声に耳を傾けてほしい。
そうした声を表に出せるチャンスを作ること自体が、自治に基づく本来の民主主義の萌芽なのだから。
今年「子ども虐待防止策」イベントに参加した議員は、以下の通り(※敬称略)。
●東京(江戸川区)
滝沢やすこ(江戸川区議)
小林あすか(江戸川区議)
間宮由美(江戸川区議)
上田令子(東京都議)
さんのへあや(江東区議)
●東京(町田)
おくざわ高広(東京都議)
田中美穂(町田市議)
東友美(町田市議)
三遊亭らん丈(町田市議)
戸塚正人(町田市議)
おぎの稔(太田区議)
伊藤しゅんすけ(衆議院議員)
渡辺厳太郎(町田市議)
滝沢やすこ(江戸川区議)
間宮由美(江戸川区議)
●愛知
本村伸子(衆議院議員)
鳴海やすひろ(愛知県議)
富田昭雄(愛知県議)
河合洋介(愛知県議)
ひび美咲 (名古屋市議)
さはしあこ(名古屋市議)
杉下くにこ(東浦町議)
●大阪
坂井はじめ(大阪市会議員)
長岡ゆりこ(大阪市会議員)
みつぎひろあき(元大阪府議会議員)
山本とも子(大阪市会議員)
中川誠太(大阪府議会議員)
海老沢由紀(大阪市会議員)
森山ひろゆき(衆議院議員)
左藤章(衆議院議員)
仲井玲子(舞鶴市議)
●福岡立川由美(福岡県議)
後藤かおり(福岡県議)
新開昌彦(福岡県議)
成瀬えみ(福岡県議)
あらき龍昇(福岡市議)
松尾律子(福岡市議)
池田良子(福岡市議)
ついちはら陽子(福岡市議)
また、イベント運営に関してこれまでゆるい感じでやってきたが、2020年は以下の4つのあり方でイベント内容を仕分けしようと考えている。
① 今一生・企画『子ども虐待防止策イベント』(企画を受け入れる運営者を公募)
② 今一生の「子ども虐待防止」講演会(講演のみ受注。それ以外は運営者任せ)
③ 今一生の「子ども虐待防止」Skype講演会(同上。自宅と会場をSkypeでつなぐ)
④ 自治体・財団・企業・青年会議所・学校からの講演依頼(売り込み代行にキックバック)
詳細については、新たなブログ記事を書いて説明する。
お問い合わせは、今一生までメールを(conisshow@gmail.com)。
【関連ブログ記事】
★今一生のYouTubeチャンネル登録はコチラ
上記の記事の感想は、僕のtwitterアカウントをフォローした上で、お寄せください。
下の小さな「ツィート」や「いいね!」をポチッと…