わかっちゃいるけど、自力ではもはや辞められない。
それが、依存症という心の病気(精神病)だ。
買い物依存症やアルコール依存症、薬物依存症や摂食障害、盗癖や恋愛依存症、仕事依存症(ワーカホリック)などまで、その依存症対象(あるいは行為)は広い。
もっとも、自分が依存症という病気にかかっていることを自覚できなかったり、軽視している人は多く、すべての病院に依存症の患者を診察できる医者がいるわけでもない。
もちろん、依存することで日常生活を安定させることができるだけで、借金による生活破綻や人間関係の破綻まではしておらず、やめようと思えばいつでもやめられる程度にセルフ・コントロールができているうちは、ただの趣味であり、病気ではない。
ところが、ビジネスでは、「その商品なしには生きられない」仕組みを仕掛けることによって、消費者を依存症に導き、利益を増やし続けるビジネスモデルを採用している会社もある。
その象徴的な会社の一つが、旧ジャニーズ事務所(現スマイルアップ)かもしれない。
依存症の当事者には、人間関係を共依存に導く傾向がある。
共依存では、自分の孤独や空虚感を埋め合わしたいという欲望を果たすために、自分より弱い立場にいる支配したい相手に対して自分の存在なしにはいられない依存関係を仕掛けるのだ。
ジャニー喜多川は、子どもを支配するために性とビジネスを利用した。
喜多川は「私に気に入られないとデビューできないぞ」と子どもたちを脅し、自分に依存するように仕向けた。
同様に、テレビ局に対しても「他の芸能プロの男子グループを出演させるならうちの会社のタレントは出演させないぞ」と脅した。
そして、男性アイドルグループの独占企業として、芸能界で莫大な利益を作った。
その結果、この依存の構図はファンに対しても同様だった。
イケメンのアイドルグループのファンになる=ジャニーズ所属のタレントのファンになる、という図式が長らく続いたのだ。
ファンがジャニーズの利益を支えることで、喜多川は次から次へとジュニア(もしくはその候補者)を襲うことができた。
その不都合な現実を社員やファン、テレビ局が「噂レベル」として見ないふりを続けることで、被害者の子どもは増え続け、被害の一部はもみ消された。
もし、子どもを守るという文化が日本社会にあったなら、「噂」を検証してから子どもを預ける親もいただろう。
しかし、日本には子どもを大事にする文化が歴史的に無く、今もない。
だから、新聞記者もテレビ局も「男が男に」の被害を想定していなかったという的外れな反省を続け、子どもを守るための再発防止策をスマイルアップに対して厳しく求めない。
日本の子どもは今日も、仕事先で、通学電車で、学校で、塾で、被害に遭っている。
しかし、性のことは相談しにくいし、自己認知も難しい。
大人が関心を失えば、日本の子どもはいつまでも心身を壊されていくだけだ。
子どもを犠牲にして成り立つ社会は、いずれ滅びる。
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子ども虐待の現状と、新しい防止策