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■世界難民の日 生存権をすべての子どもへ

 親から虐待された100名がそのつらさを告白した本『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を刊行する前から、多くの方々にご協力をいただいた。

 そのうちの一人、日本に住む難民にネイルアートの仕事を提供している株式会社Arusha(アルーシャ)の代表・岩瀬香奈子さんから、6月20日の「世界難民の日」に合わせて情報が届いたので、紹介したい。


 616日(土)、UNHCRと国連UNHCR協会の共催で、渋谷に難民キャンプのテントが設営される(雨天決行)。

 これは、「ソーシャルアクション in 渋谷」というイベントで、渋谷駅ハチ公前広場で開催されるもので、twitterでは「#難民とともに」というハッシュタグが設けられているので、足を運べない方は、ぜひ拡散してほしい。

 世界では、解決しない紛争や迫害によって6500万以上の人が家を追われていて、2016年に新たに移動を強いられた人は1030万人。
 1分ごとに20人が自分の住む家から、町から、国から逃げ出すという究極の選択を迫られていたという。

 この難民には、当然だが、幼い子どもたちもいる。
 大人ほどの体力がない子どもたちは、難民化する中で病気になったり、亡くなることさえ珍しくない。
 しかし、世界で経済大国として第3位の日本の政府は、これまでずっと難民に厳しい政策をとり続けている。
「よその国の子どもなら、どうでもいい」
 あなたは、そう思えるだろうか?

 2016年末、世界の難民・避難民は約6560万人で、その4分の3は女性と18歳未満の子どもたちだった。

 難民生活の実際、当事者の声を通じて難民問題を理解し、支援の具体的なアクションを起こすための世界と日本の難民支援を考えるヒントが描かれた本が出版された。

 国連UNHCR協会理事長(元UNHCR駐日代表)の滝澤三郎さんの書籍で、難民に関わる様々な方が参加し、岩瀬さんも参加している。

 岩瀬さんによると、「10年で2倍に増加した難民。当問題が多角的に理解できる良書!」という。
 帯には、ミュージシャンSUGIZOさんのコメントもある。

 岩瀬さんは自社サイトで児童向け「虐待チェックリスト」(←クリック)を紹介した。

 これは、学校の授業でも十分使える。
 児童館での読み聞かせの時に子どもたちに尋ねたり、プリントを小児科の待合室に置いてもいいし、養護教諭が職員室ですべての先生に配布してほしいところだ。

 このチェックリストについて、岩瀬さんは言う。
「児童向けのものなので、教育関係者・PTA等親御さん等々に、学校に貼っていただきたい内容です。一般家庭の子どもで虐待されている可能性がある子は12万人とも言われているようです。子どもも大人もすくい上げられることを願っています」

 大地震や原発へのテロ、失政による財政破綻などで、子や孫の世代がいつか日本から外国へ避難しなければならなくなった時、難民化した日本人はどう思われるだろう?
「これまでさんざん外国からの難民の受け入れを拒否してきたのに、自分たちが困ったら受け入れろって? ふざけんな、都合が良すぎるだろ」

 そう思われても仕方がないほど、日本は世界第3位の経済大国なのに、受け入れを拒否し、難民化させない仕組みに金を出すばかりで、その金の成果や費用対効果すらあいまいにしてきた。
 そうした政策で一番割りを食うのは、病気や死亡の危険にさらされる幼い子どもだ。

 どこの国の子どもでも、安全で、安心できる環境で育つ権利がある。
 しかし、この権利をなかなか認めないのが日本。



★親権をフリー&シェアにし、日本の被虐待児を救おう!

 日本人は難民化していないのに、実の親が子どもたちを虐待し、殺している。
 しかも、虐待された子どもたちをケアできるだけの十分な予算をつけてこなかった。
 それは、子どもを大事にしない家父長制の文化を戦後も続けたために、市民が子ども虐待に無関心で、政治家に「虐待防止や被虐待児のケアにもっと予算をつけてくれ!」と迫ってこなかったからだ。

 だから、5歳女児の虐待死事件で虐待の深刻さを知って今さらながらビックリした人が多く、東京都知事と官房長官に対して「総力を挙げた児童虐待対策を求めます!」というネット上の署名が3万5000人を越えている(6月15日時点)。

 この署名には僕も賛同し、シェアもした。
 だが、「子ども虐待をなくしたい」という思いには共感するものの、その署名で提案されている”児童虐待八策”には、子どもの人権を守る意味で多くの問題が含まれている、と指摘せざるを得ない

 つっこみどころ満載なので、ここではざっくりとした指摘に留めるが、この署名は「虐待された後の子を救う対症療法を増やせ」という主旨であって、子どもが虐待されない仕組みは提案されていないことに気づいてほしい。
 つまり、この署名の「8策」は、蛇口を閉めることなく、「出てきた水は全部受けろ」という願いを政治家へ陳情しているだけなのだ。

 虐待の相談件数は、全国で年間12万件以上で、年々増え続けるばかり。
 すると、被虐待児を保護するために、新たな一時保護施設、その先の生活拠点としての養護施設を作るとなれば、建設費や、新しい施設で働く職員の人件費などの膨大な予算が、いつまでもふくらみ続けることになる。
 しかも、予算の支出は自治体が負うので、財政不足の多くの自治体は増税したり、国に支援を求めることになる(※東京都は予算があるかもしれないが…)。

 政府は、これまでずっと収入不足を借金と増税で賄ってきた(※上は財政収入)。
 支出の半分は、今でも借金(公債)と増税で埋め合わせ続けている。
 そんな政権が続けば、借金返済と税率アップの重しは、より若い世代ほど重くなる。
(※消費税率アップは、貧困家庭や養護施設で暮らす子どもの暮らしも圧迫する)

 今の子どもをハコモノによる膨大な支出で救い続けようとすれば、より重い負担を数十年後の子どもに先送りして背負わせることになるのだ。
 これは、残念ながら、次世代の子どもへの経済的虐待と言ってもいい。

 「それでも目の前の被虐待児が救えれば、仕方がない」
 そう思う人もいるかもしれない。
 その人情もわかる。わかるんだ。

 でも、たとえ消費税率が上がっても、そのまま虐待防止策に使われる保証はない。
 有権者ではない未成年から喜ばれても、選挙で票が得られない政治家は、高齢者や障害者の福祉事業に優先的に予算をつけてしまいかねないのだ。
財務省のHPより

 では、税支出を抑制し、子ども虐待防止策として成果を出すにはどうすればいいいのか?
 僕が考える方向は、以下の2つ。
① 親に虐待させない仕組みを民間で作り、同時に親権フリー(orシェア)にする
② 未成年の保護については、民間事業体や民間人に権限委譲する

 ①の民間による虐待防止策は、親から子どもを虐待する動機そのものを奪い、虐待の早期発見に期待できる取り組みが多い。
 たとえば、NPO法人マドレボニータは、産後ケアをすることで、母親の心身の健康を守り、ストレスで子ども虐待を動機づけられないようにする活動をしている。

 有限会社モーハウス(Mo-House)は、授乳していることが誰にもさとられないデザインの授乳服を販売することで、出産直後から家の外へ自由に出ていけるようにしている。
 育児や再就職などの産後の不安を相談しやすくすれば、家に閉じ込められるストレスから解放され、自分らしい人生を取り戻せる。

 株式会社AsMamaは、地域社会の中に子どもの送迎・預かりをし合える共助コミュニティを作り出し、「子育てシェア」では、1時間500円ほどの謝礼で1~18歳の子どもを預かってくれる仲間を地元で調達できるようにする事業を全国展開させている。


 こうした民間の取り組みはものすごく多いし、急増している。
 独身子無しの僕ですら、探そうとすればいくらでも見つけられるので、政治家におかしな政策を作られて新たな増税を覚悟するより、民間でできることの豊かさに気づいてほしい。

 また、①の親権フリー(orシェア)は、②の民間への権限委譲とつながっている。
 親権制度では、生み育ての父母だけに保護監督責任を課している。
 そのために、「おまえの子なんだから、おまえがなんとか育てろ」という”孤育て”が正当であるかのような根拠になってしまう。

 子どもの命や心、体は、子ども自身のもの。
 親のものではないし、ましてや政府のものでもない。
 そして、どんな子どもにも生まれつき、安心・安全の環境で生きる権利がある。
 それは、子ども自身の権利として社会からケアされることを意味する。

 ところが、親権制度では、子どもの親族が請求し、家裁が認めない限り、子どもを虐待する親権者を変更できない。
 子どもの親族が親権者の虐待に気づかなかったり、認めなかったり、認めても家裁に訴えなかったり、そもそも虐待する親以外に親族がいない場合、子どもは虐待され続ける。

 親権は、父母が独占的に子どもを支配する権利にしかなっていないのだ。
 しかも、未成年を保護する権利は、児相と親権者にしかない。
 それ以外の人が保護しても、虐待親から警察へ通報されれば、保護した人が警察に逮捕される恐れがある

 それなら、自動車免許のように、誰もが一定の資格を得れば親権者になれる(=親権フリー)か、既存の親権者とはべつに子どもが指名する成人を親権者に加えたり(=親権シェア)、生み育ての親から親権者としての資格を剥奪できる権利を、子ども自身に与えてほしい。
 子どもが小さければ難しいが、10歳以上なら弁護士が法定代理人になって家裁に訴え出られる新法に改正してほしい(※もちろん、弁護士費用は国の負担にする)。

 たとえば、親権者が3人なら、子どもの養育費・教育費の経済的な負担は3分の1になる。
 子どもが4人めの親権者を望めば、4等分で済むから、低所得者層ほど親が助かる。
 しかも、親権者は全員、同等の権利を持つため、子どもとより深い信頼関係を築けた親権者が、子どもが恐怖や不安を感じる親権者の言動を確かめることができ、虐待の早期発見にもつながる。

 虐待死は激減し、虐待されてコミュニケーションスキルを低められ、それが元で学校や社会にもなじめず、自殺してしまう若者も激減するだろう。
 若者の死因1位がずっと自殺のままであることは、虐待によって自分を責め続ける子どものまま死んでいく深刻さを文部大臣も文科省の官僚も学校教師も受け止めていないことを浮き彫りにする。

 親権制度を改革すれば、児童相談所や養護施設の役割は最小化し、対策予算を増やす必要もなくなる。
 そうなれば、職員たちは失業するかもしれないが、子どもを守るとはそういうこと。
 失業を恐れて「施設を増やせ!」としか言わないなら、それは既得権益への居直りだ。

 そもそも、多くの日本人は、子ども虐待とは何か、どれほど深刻なのかにピンときていない。
 実際、5歳の女児が悲しすぎる「親への手紙」を残さなければ、目立った動きをしてこなかった。

 だから、まずは、親から虐待された100名がそのつらさを告白した本『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を読んでほしい。
 そして、この本を活用し、誰でもできる『STOP! 子ども虐待 100 プロジェクト』に参加してほしい。

※この記事の続きは、こちら


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