9月8日(土)、僕の地元である千葉県市原市の自立援助ホーム「みんなの家」でBBQを楽しんだ。
自立援助ホームとは、親からの虐待・貧困などの事情によって生まれ育った家にいられなくなり、働かざるを得なくなった原則15~20歳の若者たちが共同で暮らす民間の施設で、全国に約160か所も存在している。
税金で運営される児童養護施設には定員があり、運営予算も少なく、育てのノウハウを十分に持ってないなどの課題を解決できずにいる(※脱走する子も珍しくない)。
そのために自立援助ホームは、養護施設からの受け皿になっており、家族・親族・養護施設から追い出された子どもにとって、安心できる生活環境として数少ない選択肢の一つになっている。
僕は8月に地元の五井駅に直結しているサンプラザ市原の会議室で、子ども虐待の防止策を語り合う会を企画・開催した。
そこに足を運んでくれた人材の一人が、「みんなの家」を運営するNPO法人 光と風と夢の代表理事で、「みんなの家」の施設長である社会福祉士の小倉淳さんだった。
僕らは会議室で話した後、駅前のカフェでも語り合い、僕自身、ホームを見てみたい気持ちがあったので、そのきっかけを近日中に作ろうと思っていた。
そこで、女性タレントチームで自治体などに児童虐待防止策の申し入れを始めた犬山紙子さんへtwitterで「みんなの家」で若者への取材ができることを伝えると、9月10日にバズフィードの取材として訪れることが決まった。
それなら、その前にホームに顔を出し、若者たちに挨拶の一つもしておこうと思った僕は、「8日(土)にBBQをやろう」と小倉さんに持ちかけた。
もちろん、食材は僕の方で調達すると言うと、小倉さんは即決OK。
僕自身が2万円の自腹を切って、若者たちやスタッフと一緒に、肉を死ぬほど食って楽しみたいと思ったのだ。
もっとも、自立援助ホームについてはまだまだ認知度が低く、世間では知られていないので、親や児相・養護施設の職員などの大人たちに虐待されてきた高校生(※すでに退学した人も含む)の暮らしている施設であることをtwitterで伝え、同時にネット市民から食材への寄付を1000円単位で募った。
すると、4日間で19名の方々から合計5万9000円が集まった。
本当にありがたい!
(※右上の画像をクリックすると拡大表示され、寄付者の方々は振込確認ができます)
9月8日の午後2時、僕は自転車で家を出て、業務用スーパーで肉・野菜・ジュース・サラダ・約肉のたれ・塩コショウなどを次々に買い込んだ。
肉は、アメリカ産の牛ステーキ、国産の牛カルビ、牛シマチョウ、牛サガリ、国産焼き肉用ハラミ、豚ロース、豚白モツ、チキンステーキ、徳用フランクフルトなど。
野菜は、キャベツ、ピーマン、にんじん、たまねぎ、かぼちゃ、なす、パイナップル、サニーレタス、もやし、エリンギなど。
これだけ買うと、とても自転車では運べない。
ダンボール箱2つに、ビニール袋4つ分もあるのだ。
僕の家の近くの業務用スーパーから「みんなの家」までは、同じ市内といっても5キロの距離。
そこで自転車を店の前に置き、タクシーを呼んで、後ろに詰め込み、「みんなの家」の近くにあるスーパーせんどうまで行き、買い足すことにした。
せんどうでは、国産牛うサーロインステーキ、和牛ミックスホルモン、アスパラベーコン巻き、こてっちゃん、若鳥もも肉などに加え、豚汁ミックス、ウーロン茶なども購入した。
ビニール袋4つにそれらを詰め、「みんなの家」に到着。
タクシーを降りるなり、BBQテーブルに炭をおこしていたスタッフや若者たちに手伝ってもらって食材を下ろし、僕はそそくさと玄関から台所へ駆け込み、包丁とまな板を借り、挨拶も先送りして野菜のカット仕込みを始めた。
BBQを始める予定は夕方5時だったが、到着したのが4時40分頃だったので、とにかく急いでいたのだ。
●子ども虐待防止100プロジェクトに、あなたもご参加を!
野菜のカット仕込みが終わると、それらをボウルに入れ、肉の包装を破り、炭焼きの上の鉄板に並べていった。
2階建ての民家を活用した「みんなの家」の庭で、BBQの始まりだ。
三々五々、バイトから帰ってきた若者たちが紙皿に盛られた野菜や肉をつっつき始めた。
ホームのスタッフやその家族、小倉さんのお兄さん夫婦やお子さんも含め、10人以上が鉄板の回りに座り、これでもかと次々に鉄板に乗る肉をたいらげてゆく。
(※この記事にある写真では、ホームで暮らしている若者たちの顔は、プライバシー保護のため、出していない)
美味しい肉を仲間と一緒にむさぼり食う。
もう、それだけで幸せだ。
僕も久々に気持ちよく野外BBQを楽しんだ。
一通り腹もおさまり、小休止をしていると、若者たちがラップバトルを始めたり、自分の部屋を見せてくれたり、散歩しながら話してくれるなど、自然に交流ができた。
いきなり、知らないおっさんの僕が来たんで、最初は距離の詰め方がわからずにいた若者たちも、一人また一人と少しずつ僕に声をかけてくれるようになっていた。
やっぱり、うまいもんを一緒に食うというのは、仲良くなる儀式として最高さ!
僕を歓迎してくれた「みんなの家」の10代諸君、スタッフのみなさん、ありがとう!
僕を信用して寄付をしてくれたネット市民のみなさん、ありがとう!
またいつか、楽しい企画を呼びかけたいと思う。
帰り際、経費を精算してみたら、次のようになった。
★業務用スーパーでの買い物 1万6545円
★スーパーせんどうでの買い物 1万7400円
★タクシー代 4690円
合計 3万8635円
そこで、ネット市民のみなさんからの寄付金(合計5万9000円)から1万8635円をその日の食材として使わせていただき、僕自身は2万365円を払い、残った4万円をまるまる「みんなの家」の今後の食費代として寄付させていただいた。
なお、当日の食材は、半分も残ったのだけど、すぐさま冷蔵庫を満杯にした。
翌日も、さらに翌日も、食べ盛りの若者たちの腹を満たしたことだろう。
(※10日の犬山紙子さんらの取材に挨拶がてら立ち会ったら、ランチタイムでもBBQの食材が使われていた)
実際、民間で自立援助ホームを運営するのは大変なのだ。
スタッフは3人以上も必要で人件費がかかるうえに、若者が5人も住めば、食費代だけでなく、光熱費もバカにならないし、そもそも民家をホームへ変えるための莫大なリフォーム代も先にかかっている。
若者たちにも、家賃(※食費込み)や自分の衣類代・趣味代などを自己負担し、ホームを出る時にかかる引っ越し代やその後の生活費などへの蓄えを準備する必要があり、このへんの同世代が当たり前のように東京へ遊びに行くような余裕はなく、バイト三昧だ。
スタッフも、若者たちも、自力で金を稼ぎ、生きて続けていくためにかかるコストをなんとかひねり出しているのだ。
僕は今後、彼らと一緒に何か面白いプロジェクトをやりたくなっている。
若者たちそれぞれの夢が叶えられる仕組みを生み出すことに関心があるし、全国の市民が若者たちの夢を無理なく下支えできる仕組みも作りたいと思ってる。
また、地震で被災した北海道や、台風で被害に遭った四国・関西のエリアにも、経済的に苦境に陥った自立援助ホームがあるだろうことが察せられるので、そこで過ごしている若者たちにも何かできないかと考えている。
今一生(左)と、「みんなの家」ホーム長の小倉淳さん(右) |
もっとも、子ども虐待そのものへの関心が、この国では低すぎる。
そこで僕は2020年までに虐待防止アクションを100個作って進める『STOP! 子ども虐待 100 プロジェクト』を続々と新たに立ち上げている。
その一部を紹介しておくので、リンクに飛んで、あなたも参加してほしい!
★毒親カフェ(※開催マニュアルあり)
http://con-isshow.blogspot.com/2018/01/tegami-teaparty.html
★『日本一醜い親への手紙~』の読書会・朗読会(※開催マニュアルあり)
http://con-isshow.blogspot.com/2018/01/read-letters.html
★虐待防止ソング公募2018
http://letters-to-parents.blogspot.com/2014/08/2018.html
★仲間を募って、虐待防止策の講演会の開催を!
http://con-isshow.blogspot.com/2018/09/2018kouen-offer.html
★『日本一醜い親への手紙~』を大佛次郎賞の候補に!(※9月末が〆切)
http://con-isshow.blogspot.com/2018/06/osaragi.html
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文化的虐待 ~金の切れ目が親との縁の切れ目
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