新型コロナウイルスの感染拡大で、政府は小学校などに一斉休校を要請した。
しかも、東京都まで、ライブハウスや風俗など飲食店を含む「夜の仕事」への立ち入りを業界名指しで自粛するよう呼びかけた。
こうした現状に鑑み、厚生労働省は子どもの世話で仕事を休んだ保護者向けの支援のしくみを発表。
ところが、性風俗や、キャバクラなど客の接待を伴う飲食業で働く人は対象外。ツイッターなどで「職業差別だ」「命を選別するのか」と批判が噴出した。
そこで、僕の友人の要友紀子さんは、SWASH(Sex Work and Sexual Health)代表として、風俗の仕事をしている人にも給付するようネット署名を集め、加藤勝信・厚生労働大臣と厚労省雇用環境・均等局長宛てに、「新型コロナウィルス感染症による小学校休業等対応支援金に関する要望書」を提出した。
SWASH(Sex Work and
Sexual Health)は、主にセックスワーカーとして働く人たちが安全・健康に働けることを目指して活動しているグループ。
メンバーは、セックスワーカーとそのサポーターで構成されており、現在は特にHIVなどの性感染症対策に焦点をあてて活動している。
セックスワーカー当事者によるこうした職場改善の活動は、風俗業についてほとんど知らない一般市民にとって、ずっと関心外だったろう。
しかし、セックスワーカーに限らず、自営業者なら現金収入が得られない事態に対する補償がなければ、飢え死にしてしまう。
そこで、命の選別をしてしまうのは、今回のウィルス騒動を「平時」だと誤解し続けているからだ。
あの愚かな安倍総理ですら、「戦後以来の国難」と国会で答弁しているぐらいだから、現状は既に「有事」なのだ。
有事の際に、職種や業界で命の選別を平気でやる政策は、狂っている。
それをふまえつつ、風俗で働く人の現実を知らないまま、それを自覚もできずにセックスワーカーを差別してしまう人は、小説『ヘドロの国』を在宅で時間のある今、すぐに読んでほしい。
この小説は、風俗の中でも最底辺のセックスワークでしか働けない事情をもつ少女の物語だ。
僕も、自分自身の執筆仕事で寝るヒマもないほど疲弊しているけれど、それでもなんとか読了した。
感想は、あえて書かない。
風俗を取材したこともない人にとってこの作品は、「作者の体験をもとに書かれたフィクション」と銘打たれている以上、どこまでが読者を釣るための演出上の「フィクション」(虚構)なのか、どこまでが事実に基づく内容なのかがわからないだろうから。
これが「ノンフィクション」(事実)を書いた作品と銘打たれていたなら、その方がはるかに読者の心に響いただろう。
なぜなら、作者はその「事実」によってのみ傷つけられ、それでも必死の思いで生き残ってきたからだ。
もっとも、作者の新月さんは「虐待→家出→風俗と数奇な半生を送りました。元最貧困女子。元ホームレス。スライバー。自力で這い上がってる途中」と自己紹介し、次回作はノンフィクションで執筆中とのこと。
できれば、紙の出版をしている大手の出版社と契約し、より文章力を磨ける編集者とタッグを組んでノンフィクションを出してほしい。
それぐらいの価値は、十分以上に小説版の内容に込められている。
電子書籍で0円で読ませるには、あまりにも、もったいない内容だ。
紙の本なら最近は1800円ほどの定価で、印税率は10%だとしても、初版3000部は出す。
1800円×10%×3000円=54万円(※10%の所得税込み)
初版は売れ行きに関係なく支払われるのが通例なので、約50万円弱の印税を手にできる。
それに見合うだけの価値は、ノンフィクションなら確実にある。
今回の電子書籍の「0円」には、作者の「最底辺」を伝えたい心意気が込められている。
その「事実」の重みは、読んだ人にしかわからないだろう。
ウィルス騒動で飢え死にの不安を抱えてるセックスワーカーはもちろん、風俗業を「わかったつもり」でいる一般市民にも読んでほしいし、読むのがつらい人は、ぜひこのブログ記事を拡散してほしい。
今すぐ読みたい方は、以下の要領で。
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