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■統一地方選挙、大阪の争点を「子ども虐待」に!

 子ども虐待の通告数が、全国最多を4年連続で記録している大阪。

 その大阪の政治家(市議・府議・市長・府知事・国会議員)に、「虐待がどれほど子どもにとってつらいのか」を強く認識させ、結果の出せる子ども虐待防止策を作らせる市民アクションが、『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトです。

 親から虐待されて苦しいのは、リアルタイムで虐待されている子どもだけではありません。
 虐待されて大人になり、心の傷を抱えながら必死に生き延びてきたサバイバー(生還者)も、今なお大変な思いで日々を生き延びているのです。
 虐待問題は、親という権力者が一方的に子どもを支配するという「関係」の問題。
 「小さな子」という年齢の問題ではないのです。



 しかし、そうした虐待サバイバーの当事者の声は、マイノリティ(少数派)のように思われがちで、「彼らの問題と自分とは関係ない」と感じている日本人は多いでしょう。
 実際は、自覚していないだけで、虐待の加害者も被害者も多いのです。

 日本には、子どもの人権が法的に保証されていないため、親からの虐待に耐えるしかないまま大人になるのが「ふつう」です。
 なので、子どもの頃に抱いた違和感も支配される悔しさも、親元から離れてしまえば、多くの人は「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ことになり、あたかも「なかったこと」のように認知してしまう人がほとんどなのです。

 そこで、2017年に20年ぶりに虐待サバイバー100人の声を集めた本『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(dZERO刊)を作りました。
 100人の体験を1冊で読めて、短時間で深刻さを学べる本は、この本しかありません。
 さまざまな虐待の痛みや当事者のニーズを知ろうとするなら、他にないのです。

 「他人事と思ってたら自分のことだった」と被虐待を自覚させる本も、これだけです。
 もともと、この本は、子ども虐待の現実を多くの人に知らしめるアイテムとして出版するために、2017年に製作費400万円をネット市民からの寄付によって調達して作りました。

 この時のお礼の意味も含め、出版後はこの本を活用して虐待サバイバーの声を広く市民に届け、新しい虐待防止策を市民みんなで作り出すアクション『STOP! 子ども虐待 100 プロジェクト』を立ち上げ、プロジェクトは既に45本まで進んでいます。

 その最新アクションが、『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクト。

 このプロジェクトでは、『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』を大阪の政治家に読んでもらい、彼らの感想文と虐待防止策、その防止策に対する自己評価の3点を集めて、プロジェクトのサイト上で発表します。
(※ネット市民は手紙本シリーズの過去作品や古本を政治家に提供してもOK。政治家自身が図書館で借りてもOK)



 もちろん、政治家にはこのプロジェクトへの参加を拒否する権利もありますが、4月には統一地方選があるため、プロジェクトに参加しない政治家は「落選させたい候補」のリストに入れ、ネット上で拡散することにしました。

 何を選挙の争点にするかは有権者側の自由ですし、子ども虐待に真剣に取り組んでいる政治家なら、次の議会にはかる虐待防止策を公表するのは朝飯前の作業だからです。

 4年間も全国最多の子ども虐待通告数という「汚名」を返上しなかった責任を政治家に問うには、今回の選挙の争点を「子ども虐待防止を作れるのかどうか」に設定する必要があります。
 虐待問題を4年間も放置してきたツケは、それだけ大きいのです。

 政治家が、虐待され続けてる子どもを見殺しにしておいて、虐待防止策から目を背けるなら、誰が子どもを救えるんですか?
 政治家の命は、国民のために捨ててこそ値のつくもんじゃないんですか?

 この4年間どころか、大阪府内では約30年間の長い間、子どもの虐待相談が増え続けており、市議会や府議会の議員も、国会議員も、誰も虐待の発生件数を減らす防止策を打ち出していません。

 大阪府内の子どもたちは今でも、親による虐待で殺され、傷つき、精神病や自殺にまで追いつめられているのに、政治家はそれを解決できる予算をつけてこなかったどころか、選挙の争点にすらしてこなかったのです。

 3月14日、大阪維新の会は、大阪府知事と大阪市長のダブル選で、大阪都構想を前面に打ち出した公約を発表。市長選では「未来を担う子どもが笑う大阪」として虐待ゼロを掲げていますが、公約における虐待防止策は従来とさほど変わり映えのしないものです。

 有権者のあなたは、成果の出せる子ども虐待防止策を作れない人をまた当選させたいですか?

 子どもには選挙権がないので、虐待防止策を作らない政治家を見ても唇をかみしめるしかできませんが、大人になった虐待サバイバーには選挙権があります。

 だから、政治家に「当選したら議会にはかりたい」と考えている虐待防止策を尋ねてみて、虐待防止にかける本気度を確かめたいし、子ども虐待の防止策ひとつ満足に公約に掲げられない政治家はむしろ落選させたいのです。


●たった1回もOK! それが『虐待サバイバーの手紙読んでや!』

 そんな『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトでは、すでに以下の政治家にプロジェクトを告知済みです(※3月13日時点)。
 以下のリストのうち、大阪府議会から富田林市議までは全員に告知済みです。

■大阪府議会議員      86名
■大阪府知事+33の市長   34名
■大阪の国会議員(衆議院)  18名
■大阪の国会議員(参議院)     8名
■大阪市会議員           80名
■堺市会議員        47名
■大阪狭山市会議員     13名
■枚方市会議員       32名
■門真市会議員       21名
■四條畷市会議員      12名
■豊中市会議員       35名
■寝屋川市会議員      27名
■富田林会議員       18名

上記合計:431名

■藤井寺市会議員      10名 
■八尾市議会議員      13名
■泉大津市会議員        7名
■高石市会議員         8名
■守口市会議員       10名
■岸和田市会議員      10名
■池田市会議員       14名
■吹田市会議員       28名
■高槻市会議員       14名
■貝塚市会議員       15名
上記合計:120名

 すでに、大阪府内の551名の政治家に『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトの告知をすませています。
 大阪には、4月に選挙のない市の議員や町の町長・町議などを含めると1000人以上の政治家がいますから、およそ半数の政治家に虐待防止策を問いかけたことになります。
(※基本的に4月に選挙のある議員を中心にプロジェクトを告知しています)

 この告知をメールやFAX、facebook、郵送などで行っているのは、このプロジェクトに共感した全国のネット市民です(※大阪府民が多いです)。
 政治家からの回答は最大4週間も待ちますので、最初に告知したのは2月25日ですから、3月25日以後から続々と「落選させたい候補」リストに名前が入る政治家が増えるかもしれません。

 日頃から子ども虐待に胸を痛めているなら、防止策を公表することなど朝飯前。
 なので、早くも一人の政治家が回答を寄せています。

 真摯に子ども虐待防止策を考え、当選の暁には議会にはかるという政治家こそ、1人でも多く議会に送りたいです。

 もちろん、市議会の議員は今、予算会議や選挙準備で多忙を極めているでしょう。
 しかし、虐待に苦しんでいる子どもたちは、4年間も解決を待っていたのです。
 その中には、虐待で殺されてしまった子もいれば、殺される不安に日々恐れおののいている子もいるでしょう。

 虐待防止策は、もう「待ったなし」。
 4年間も責任放棄してきた大阪の政治家は、「多忙」を言い訳にはできません。
 しかも、虐待サバイバー100人が書いた手紙本は、1997年以来、21年間でシリーズ累計で約31万部を記録しており、子ども虐待に少しでも関心のある人なら既に読んでいるため、読書に時間を割く必要すらないはずです。

 大阪の政治家には虐待防止策を作り出すために被虐待児にヒアリングしていても、虐待サバイバーを招いて勉強会を開催したことなど、一度もないはずです。
 そのヒアリングをわざわざしなくても、1冊で100人分の虐待事情がわかる本を読む方が効率的ですし、虐待サバイバーが有権者であることにも思い当たることでしょう。

 プロジェクトを主催する僕(今一生)は、電話番号を公開していませんし、このプロジェクトはネット市民の不特定多数による参加で成立するので、団体主導でもなく、特定の組織があるわけでもないのです。

 責任はすべて僕一人が請け負いますが、参加するかどうかはネット市民それぞれの自由意志によって決まります。
 それは、大人たちによって自己決定権を奪われている「子ども視点」でこのプロジェクトが運営されているからです。


 いまどきの子どもは、虐待されていることを誰かに相談したくても、学校でバレてしまうと大人が勝手にその秘密を公開してしまうので大ごとになり、親からの虐待がさらにひどくなるので、言い出せません。
 電話で相談したくても、家や学校では無理だし、公衆電話は撤去されてありません。

 だから、僕に相談をよこしてくる子どもは、メールかLINEを使っています。
 学校のパソコンからメールしてくる子もいれば、友達のスマホを借りて相談してくる子もいます。
 そこで僕はいちいち電話番号を尋ねたりはしません。

 「電話番号を示すのが礼儀だ」「顔も知らない人からの告知など相手にしない」と平気で言いながら、電話番号しか公開していない政治家は多いですが、LINEでもfacebookでもSkypeでも無料で通話できる時代に、わざわざ電話番号(しかも家の電話)という個人情報をリアルやネットでさらすのは愚かです。

 不在であれば何度もかけなければならない電話より、メールやLINEの方がよっぽど時短になりますし、何より相手の都合を考慮した連絡手段だと考えます。

 虐待されている子どもには、自分の顔や本名を知られるのを恐れている子も珍しくありません。
 虐待サバイバーも同様です。
 そうした被虐待の当事者たちと深く付き合ってきた政治家なら、相手のアノニマス(匿名性)を大事にすることが相手に安心を提供でき、当事者自身が切望している本当の虐待防止策を学ぶチャンスだとピンとくるはずです。

 「メールやLINEしか公開してないプロジェクトだからあやしい」と思うとしたら、それは既に時代遅れの関係作法であり、子ども視点に立った考えとは言いがたいでしょう。

 たとえば、ある子どもが面前DVのような心理的虐待を訴えてきたとしても、何度もやりとりしているうちに、何年か経ってようやく「実は最初から性的虐待を受けていたんだけど、なかなか言い出せなかった」と告白することはしばしばあります。

 当事者にヒアリングするとは、知りたいことを根掘り葉掘り聞きだすことではありません。
 相手がその時に言えること、言いたいことに、否定も助言もせず、ただ聞くことです。
 相手が言いたくなった、あるいは言わないと苦しくなってきた時に、それを言える相手として信頼されるようになるには、安い同情やわかったふりは避けるべきでしょう。

 そうした関係作法が求められるのは、政治家も同じはずです。
 虐待サバイバーから信頼を得たいなら、サバイバーの意見を尊重して虐待防止策を作る意志があるのなら、「こんな選挙前のプロジェクトは脅しだ」とか、「自分に対して礼儀を欠いている」と思う前に、結果の出せる虐待防止策を打ち出せず、今なお子ども虐待を放置している自分自身の罪の深さを痛感してほしいです。


 子どもは大人の事情などわかりませんし、わかる義務もありません。
 しかし、大人になった虐待サバイバーは、大人から発言の機会すら与えられない子どもたちのつらさや悔しさを知っているので、この『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトに次々に参加しています。

 いったい何年経ったら、大阪の政治家はワーストの汚名を返上する気ですか?
 いったい何人の子どもが虐待死で亡くなったら、本腰を上げるのですか?
 こうしている間にも、大阪府内のどこかで子どもが親に虐待され続けています。

 ある子どもは、やりたくもない幼稚園受験の教育虐待を受けています。
 べつの子どもは、信じたくもない親の宗教に無理やり入信させられて友達を失う文化的虐待を受けています。
 あるいは、一生懸命働いたお金や、その金で買った本当に大事なものを、親に奪われ、壊される経済的虐待を受けている子もいます。
 もちろん、父親の子どもを妊娠・中絶している子どもも…。

 そうした虐待は児童相談所では発覚しにくく、保護も解決もされません。
 しかし、虐待ワーストの大阪の政治家が虐待の現状や新しい発想の防止策を学び、心底変わろうとすれば、日本全体に虐待防止の機運が生まれます。
 そのために、一般市民のあなたにも今スグできる超カンタンなアクションがあります。

 『虐待サバイバーの手紙読んでや!』プロジェクトに参加してください。
 政治家へのメール・FAX・facebook・郵送のどれかを、1回だけでもやってみませんか?
 本当に1回だけでいいので。


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