以下、全50問の「解答篇」を公開する。
(※「問題編」は、このリンク記事で公開)
「解答篇」のPDFは、こちら。
リンク先の右上にある下の画像の中から真ん中をクリック→ダウンロード。
ダウンロード&プリントし、活用してみてほしい。
児童福祉を学ぶ学生はもちろん、子ども虐待に関心のある人に読んでほしい。
制限時間15分で解答し、50問中、いくつ正解したかを、今一生のtwitterや、facebookまで教えてほしい。
初心者向けなので、半分以上が正解なら合格。
地元の政治家や、自分の親に解答してもらうのもいいかもしれない。
あるいは、児童福祉を教えている大学の先生に解答してもらうと、その先生が厚労省の統計や子ども虐待に関する最新状況をどのくらい知っているかを判断できる。
PDFがダウンロードできない場合に備えて、以下に解答編を公開しておく。
以下の文章をコピー&ペーストしてワードファイルに貼り付け、プリントしよう。
■子ども虐待検定(初心編) 解答編
1.20%未満
虐待通報ダイヤル189を広めるオレンジリボン運動では、虐待防止にならないことが明白に。
2.400件ほど
欧米なら万の単位になっているので、日本がどれだけ虐待した親を放置し、子どもの命と権利を守ろうとしてないかがわかる。
この深刻な事実を多くの日本人が知らないのも、うすら寒い現実だ。
3.警察
虐待通報の約7割は、警察を中心とする役所筋から。
子ども本人からの通報は、通報者全体の1%しかない。
虐待とは何か、189とは何かを教わってないないから。
近隣知人は、未確認のまま近所の人を密告すれば、事実でない時に地域社会で自分が浮いてしまう。
あなたは、虐待が疑われる近所の人に気づいた時、密告できる?
4.10年で時効、起訴されず泣き寝入り
時効後では、裁判できない。
子どもでも法定代理人を立てることでどんな裁判も起こせるが、子どもは「虐待とは何か」を学校で教えてもらえず、性的虐待だと相談しにくいので、年月が経過し、時効になる案件がほとんど。
5.160倍
1990年度は1000件レベルだった。
もっとも、約160倍に虐待相談が増えても、それに見合うだけ虐待対策の予算が増えたわけではない。
いつまでも子ども虐待を温存し、虐待を減らさないことで対策を担う仕事を続けたい官僚と政治家に対して、多くの国民は怒りの声を上げないまま。
6.10%台
厚労省の官僚は、親に虐待されたなどの理由で家にいられない子どもを児童養護施設で暮らさせても、大学進学のチャンスを一般の児童と同等に守る制度を設計しておらず、ほとんどの国会議員もその不平等を問題視していない。
7.10%台
通常時でも児相の職員は激務だが、コロナショックで子ども虐待が急増している今、過労死の恐れすらある。
それでも、すぐに職員は増やせない。
虐待相談は29年間、一度も減らずに増えるばかり。
8.50%以上
一時保護所には、子どもが定員オーバーで詰め込まれているところも増えている。
当然、クラスター(集団感染)のリスクが高いが、政治家は対策を議会で質問せず、報道機関は取材しない。
3・11の際、大川小学校で子どもたちが、親権者の代わりとなる学校・教師の引率に従わざるを得ず、自分の意志では避難が許されずに津波に飲み込まれてしまった悲劇を忘れてしまったのだろうか?
9.父母の親権
民法第818条には、こう明記されている。
「成年に達しない子は、父母の親権に服する」
これは、子どもの生命が親権者の良心のあるなしで左右されることを示している。
良心がない親権者でも、子どもは黙って従わなければならないのだ。
戦後すぐに作られた民法は、すでに制度疲労を起こしているといえよう。
10.80%~90%程度
「親が育てられない子どもに家庭を!里親連絡会」のホームページより
コロナ禍で在宅ワークが増えている今、子ども虐待の相談が激増中で、一時保護所や児童養護施設の定員オーバーと、クラスタ(集団感染)が懸念される。
11.心理的虐待
2004年に児童虐待防止法が改正され、父母間の暴力を子どもが見たら「面前DV」として心理的虐待をされたとみなすことを明記され、警察も児相に通告することになった。
親権を持つ夫婦間の問題が子どもの恐怖につながることが法に認められたのだ。
相談しにくい性的虐待は、暗数になりがち。
12.350人程度
厚労省の集計は各都道府県などからの報告をまとめたもの。
日本小児科学会は「医療機関や行政、警察の間での情報共有や検証が不十分で、多くの虐待死が見逃されている恐れがある」として国に対応強化を求めている。
13.児童養護施設
平成30年度では、継続事例39件を含む事例285件のうち、事実確認を行った事例は280件。
その中で虐待の事実が認められた事例総数は、95件。
一番虐待が多かったのは児童養護施設で50件。
被措置児童等虐待の調査では、届出・通告件数のうち、3割程度しか事実が認められていない。
14.75%以上
里親の要件(※里親になれる条件)をかなり緩和しても、この目標値は絵に描いた餅。
厚労省の官僚に有識者会議に招かれた「専門家」「学者」が、統計にくわしい人なのかは疑わしい。
里親・ファミリーホームで虐待される子どももいる。
増やせばいいと思考停止すれば、割を食うのは子ども。
15.5000人
児童福祉司を増やせば、その分だけ相談窓口が増える。
窓口が増えれば、相談件数も増える。
件数が増えれば、職員を増やす予算がまた必要。
相談件数と児相福祉司のいたちごっこは、虐待を防止できない。
虐待されてからそのほんの一部を保護するのでなく、親に虐待をさせない仕組みが必要。
16.約8%
新型ウィルスの感染により、在宅ワークと休校が増えたため、児相への虐待相談が急増中だが、職員も施設も不足しているため、48時間ルールの徹底はかなり困難。
被害者の子どもを保護するのではなく、加害者の親を逮捕し、逮捕と同時に親権を停止し、生活保障金を出す制度に変えれば、養護の施設や職員の予算に子どもは振り回されなくなる。
17.25%程度
正確には、全国の26・5%(4か所に1か所)の一時保護施設で「定員オーバー」による弊害が懸念されている。
新型コロナウイルスによる在宅ワークと休校で、親が子どもを虐待する相談が激増中の今、一時保護所に保護される子どもの激増による施設内虐待や集団感染が懸念される。
18.100億円
住宅評論家の櫻井幸雄さんは、児相ができたことによる影響事例を探したが、「みつからなかった。ひとつ、公共の葬儀場ができたときの影響がみつかった。葬儀場建設にあたって、周辺住人の猛烈な反対が起きたが、葬儀場を建設。結果、地価への影響はなかった」。
19.子どもが事情を説明せず、一人で保護を求めてきた
これまでも、一人で児相に助けを求めてきた子どもが門前払いされたり、さまざまな理由で事情を話せないために保護されなかった子どもは珍しくない。
なお、児相では虐待相談の8割以上を保護していない。
20.山田太郎
「こども庁(仮称)の創設の必要性を訴えるに至った理由は、児童虐待が増加の一途を辿っているのが背景」と書かれている。
コロナショック後には、必ず「子ども庁」を作っていただきたい。
21.アドボケイト
子どもにとって制度の壁の高さに対する納得感しか守れないが、ないよりマシなのが大人の代弁者。
子ども自身の権利として生活拠点を選べたり、親権者を指名できる制度への改革こそが、本筋の支援だろう。
プロとして正当な報酬が得られる仕組み作りも課題だ。
22.実父
なお、警察による児童虐待での検挙は、この15年間で急増中。
児相より警察の方が身近に相談できる場所にある。
23.法定代理人がつけば、できる
2015年、10歳の女児が「実母と祖母から虐待を受けたのに児相が適切な措置を取らなかった」として、長崎県を相手取り、慰謝料50万円を求める訴訟を地裁に起こした。
24.明石市
子どもの頃に虐待されたトラウマで精神病になった人には、大人になっても医療費を自己負担してるケースが珍しくない。
その医療費全額を市が負担し、同額を親に請求し、取り立てるという条例も、虐待サバイバーや市民が声を上げ、市長に申し入れすれば、作れる。
25.「支払わない場合、強制執行に異議はない」
「約束通りに支払わない場合は強制執行で差し押さえられても異議がない」ことを意味する「認諾」の条項を、公正証書の内容に入れておけばOK。
ぜひ、シングルマザー予備軍の仲間どうしで、この情報を共有しておきたい。
26.6か月
強制わいせつ罪の法定刑は、6か月以上、10年以下。
6歳で強制わいせつを受けたら最短で半年、最長で16歳の時に家に自分を虐待した親が帰ってくる。
模範囚なら、刑期を待たずに仮釈放も…。
3年以下の懲役刑なら、初犯だと執行猶予付き判決が出され、家に帰ってくる。
27.「犯罪とは無縁」と書き置きして失踪した人
警察は、刑事事件が起きた後の捜査機関。
遺書を残して自殺のおそれがある者や精神障害者、危険物の携帯者などで自傷他害のおそれのある者は「特異家出人」と呼ばれ、緊急性が高いと判断されて捜索されるが、その他の家出人は基本的に捜索されない。
28.51%
刑法犯の認知件数は2002年に戦後最多を記録し、2003年から16年連続で減少し続けているのに、親族間の殺人だけは相変わらず殺人事件の半数のまま。
親権を父母だけに独占させている限り、虐待家庭への早期介入は難しく、子どもが割を食う。
29.1.8%
同年度で犯罪の被害に遭った家出人は、年間313人。
313人÷1万7634人=0.0177…(約1.8%)
100人の未成年の家出人がいても、犯罪の被害に遭ったのは1人か2人。
大人にとって不都合だから家出を非行と呼びたがる人もいるが、親に毎日虐待されるよりはるかに安全。
30.0.16%
福祉犯被害少年における家出少年の推移を見ると、同年に被害に遭った未成年の家出人は、被害者全体の中で5.2%(319人)
0.031×0.052×100=0.16%
被害の家出人が1000人いても、暴力団等関係者に関わるのは1~2人。
取材不足の報道によって、印象操作された人は多い。
31.3ヶ月以上、5年以下
刑法 218条1項より
成人は自分の親を保護する・しないを選べるように法改正すれば、親は自分の老後の心配から子どもを虐待することが難しくなる。
虐待された子どもが親から解放されるためにも、一刻も早い法改正を政治家に求める必要がある。
32.4日間
同年度に大阪の児相に寄せられた虐待相談は、1万2208件(速報値)。
児童福祉司1人が年間で対応した件数は
1万2208件÷177人=68・9…(約69件)
年間で248日間も働いて対応したとすると
248日÷69件=3.59…
相談1件の対応に使えたのは、平均4日間。
しかし、虐待の相談対応以外にも職員の仕事は多いため、虐待相談そのものに使える時間は、実質的に最大2~3日。
33.約0.12%
0歳から19歳までの総人口は、2018年11月1日時点で約2132万人。
すべての未成年のうち、児相が保護した子の割合は
2万4846件÷2132万人=0.00116…(1件=1人換算)
児相に相談が届いても、虐待の程度が軽かったと判断されたり、一時保護所の定員超過などの理由で保護されない子も…。
34.409件
社会的養護の施設内では、子どもどうしの性暴力もあるが、職員から子どもへの性暴力もある(同性どうしも)。
職員からの性暴力は厚労省が公式サイト上で公表済みだが、性暴力はとかく発覚しずらいため、公表される数字は氷山の一角。
35.沈没家族
子育てを助け合える仕組みも必要だが、一時的にでも子どもの面倒を見てくれる人たちは、意外と近くにいる。
「手伝って」と声を上げてもいいのだ。
恥ずかしいことじゃない。
36.殺し合い
現代のように親子間で文化(価値基準)の差が大きいようになると、親族間の殺人も殺人事件全体の半数を超える。
子育てのミッションは、子どもにより早く稼ぐ技術を教え、家から出すこと。
逆に、子どもをとにかく支配したがる親は、子どもをスポイルする。
37.参加する権利
子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮しなければならない。
あなたの家庭や学校、地域社会では、子ども自身に子どもの意見を大人に言える団体を作るよう教えてくれている?
38.AsMama(アズママ)
モーハウスは、授乳服で産後の母親の自由を作り出した。
マドレボニータは、産褥期の母親を支援。
マザーハウスは、バングラデシュ産ジュート製のバッグブランド。
39.福祉事務所
児童虐待を発見した国民全員に通告義務が課せられているが、実際に一般市民が通告するのはレアケース。
こうした密告は、虐待防止の制度としては失敗。
むしろ、子どもに虐待とは何かを教え、子どもからの訴えで親を矯正施設に保護しない限り、虐待は減らない。
40.虐待回避型非行
平成17年度少年非行事例等に関する調査研究報告書
「非行」にも、親からの虐待を回避するために、そうせざるをえない行為があることを、内閣府は少年非行に関する「新たな視点」として提示している。
家出は、親による虐待からの自主避難なのだ。
41.個人
憲法に照らせば、「成年に達しない者は父母の親権に服する」という民法は、明らかな憲法違反。
子どもが個人として尊重されず、基本的に親権者に従うことしかできない存在として法的に位置づけられているのは、子どもが国民として認められていない証拠。
42.教員
「学校や児相のルールを知っているため無意識に子どもを言いくるめてしまう可能性があるからだ」(堀教授)
法知識を知っているだけでは、子どもの意見表明権を守ることはできない。
民間の救済の仕組みや、正解のないところに正解を作り出す工夫も問われる。
「当時は子どもの取引を問題ととらえる認識が必ずしも共有されていた訳ではなかった。子どもを買った側の農家からは、可哀想なので連れてきた、家族と同じ待遇をしている、と説明され、子どもを買った側が篤志家として扱われることも」(加藤さんの発表より)
44.家族の婚姻や分家は戸主の同意なしにできる
戦後、家父長制は制度として解体されたのに、「未成年は父母の親権に服す」など子どもを親に従わせる民法が残った。
この民法条文はすべての国民は個人として尊重されるという憲法に明らかに違反しているが、問題視されない。
45.1万7634人
未成年の家出人は、受理件数で言えば年々、減少傾向にあるが、それでも10年間なら約17万以上、30年間なら約50万人以上が家出している計算になる。
それだけ家の中が危険だから家の外へ避難しているのだ。
親権者としての責任を果たさない親は、行方不明届も出さないことも。
46.毒親アートフェス
8月23日〆切で、今年も作品を公募中。
過去作品は、データ貸し出しで全国で巡回展の申し出を常時受け付けている。
学校・企業・NPO・病院などで、子ども虐待に関して多くの方に考えてほしい方は、上記リンクから巡回展の申し込みを確認されたし。
47.15歳
子どもが雇用されるには条件があるが、起業する分には該当する法令がない。
親から経済的に自立するなら、小学生の頃から自分で商品・サービスを作れる技術を実践的に学べるチャンスが必要。
自立さえできれば、子どもにとって親は不要になる。
48.20歳
貧困、遺棄、無関心、敵対その他の理由により、親権者及び親族からの協力が得られない場合、法テラスは弁護士費用等を援助する。
貧困、遺棄、無関心、敵対その他の理由により、親権者及び親族からの協力が得られない場合、法テラスは弁護士費用等を援助する。
法テラスは47都道府県のすべてにあるので、未成年は相談してみてほしい。
49.共依存
共依存は、心中のような関係を導きやすい。
依存症は「否認の病気」といわれる。
子どもを虐待する親も、「これはしつけだ」と自分自身の支配欲求を否定したがる。
子どもが弱い立場であるため、支配しやすいからだ。
依存症は、教育だけでは治らず、治療が必要。
50.経済的虐待
経済的虐待とは、本人の資産を本人以外が本人の了承なく管理・使用すること。
子どもの資産は、親権者に管理権があるため、養育目的以外に子どもから奪った金は、親が管理権を喪失した成人後に子どもに収支を明らかにする必要がある。
※この検定は、ライターの今一生が作成。
お問い合わせは、conisshow@gmail.com
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