少なくとも1000人以上の子どもを被害者にしたジャニー喜多川事件は、まったく解決されていない。
子どもの人権と命を大事にする文化を歴史的に持っていない日本社会では、大勢の人がジャニーズ問題に関心を持たず、テレビや新聞でも風化しつつある。
しかし、人々がどんなに忘れようと、被害者の方々は、忘れたくても忘れられず、今なお被害のトラウマに苦しみ続け、睡眠障害やうつ病などの精神病で働けなかったり、生活保護を受給しなければ生きられない人すら少なからずいる。
こうした深刻な現実があるのに、テレビ局や一部の企業は自社の収益を守るために、旧ジャニーズ事務所の人気タレントを使い始めている。
彼らは、どれだけの大金が欲しいのか?
スマイルアップも、1000人以上の被害者が出た人類史上最悪の凶悪事件である事実を記者会見で認めたのに、「犯罪会社」としての自覚がほとんどないのだ。
しかし、日が経つにつれて、事情は少しずつ変わりつつある。
たとえば、この動画(←クリック)で語ったように、旧ジャニーズ事務所の「秘密主義」によって、Reebok Japanの社長が「スタート・エンターテイメントがSMILE-UP.社から引き継ぐ権利や資産、各タレントの契約など何も聞かされていない」とX(旧twitter)で暴露したのだ。
しかも、キリンHDは、Snow Manの目黒蓮と広告出演の契約をする際、スタート・エンターテイメントとSMILE-UP.とは関係なく、「直接契約」をしたと発表した。
これは、既に目黒蓮がスマイルアップを退所(=マネジメント契約を解除)し、スタート・エンターテイメントと契約する前だから可能になった案件といえる。
テレビ業界でも、NHKとテレ東は、被害者補償と再発防止策などの課題が解決されていないと判断し、スマイルアップ所属のタレントとの新規の番組出演を見送り続けている。
このように、タレントたちがテレビや広告の仕事を奪われるのは、彼ら自身が契約した事務所側が「秘密主義」を貫いているからだ。
ファンをいくら大事にしようとも、ファンではない一般市民が納得できるだけの情報公開に努めない限り、ビジネスでは信用できるパートナーとはみなされない。
それは、多くの企業にとって当たり前の倫理だからだ。
だから、ジャニーズイズムを継承した滝沢秀明社長の会社「TOBE」も、子どもタレントの育成について疑問の声が上がっている。
再発防止策の無い組織には、必ず再犯が起こる。
僕ら大人は、子どもが傷つけられない社会を作ろうとしない限り、やがて大人になる子どもたちに軽蔑されるだけだろう。
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子ども虐待の現状と、新しい防止策