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未成年を働かせる芸能事務所に対して、新聞・テレビが質問すべき10のリスト #ジャニーズ #日本 #アイドル #TOBE #ビジネス #仕事 #労働基準法



 平均年齢11.6歳の5人組のアイドルグループが結成された。
 全員が小中学生のwink firstだ。

 子どもたちにも、労働権はある。
 ただし、それはあくまでも「仕事上、心理的安全性や安心が確保されている」という条件が守られていればこそ歓迎されること。

 逆に言えば、労働基準法(労基法)では合法であろうと、児童福祉法や自治体の青少年健全育成条例などに抵触することもある。
(しかも、労基法自体の違反の疑いで、仕事をさせた側が書類送検されてしまう事件も、これまでに何度もあった)

 労基法では、15歳未満の児童の労働は基本的に違法になるものの、雇用契約ではない芸能の仕事については「労働者」として扱われず、「表現者」として特権的に夜9時までの深夜労働を一定の条件下で許可される。

 もっとも、たとえすべての法律に照らして完全に合法であろうとも、子どもの心身における健やかな成長を阻害してしまう問題は残る。

 冒頭で紹介したwink firstは、TOBEという会社の所属タレントであり、そのTOBEの社長は滝沢秀明さんだ。

 滝沢さんは、ジャニー喜多川の下で、ジャニーズジュニアを育成するジャニーズアイランドを社長として経営していた人だ。

 ジャニーズ事務所は今では「スマイルアップ」と社名変更されたが、子どもを被害者にしないために再発防止策を具体的には公表していない。

 その後、滝沢さんは独立し、TOBEという会社を作ったが、1000人以上もの子どもの被害者を出した人類史上最悪の凶悪事件が前の会社で起こった後でも、子どもを守るためのガイドラインすら公表しないまま、平均年齢11.6歳のアイドルグループwink firstを売り出し始めた。

 TOBEがジャニーズ事務所とは異なる方針で経営するなら、子どもを守るためのガイドラインをはっきりと示すことが、子どもを預ける親や、子どもに仕事を提供する取引先企業にとって安心材料になる。
(逆に言えば、「子どもを守るためのガイドライン」のない事務所の未成年タレントには仕事を依頼しにくい。そんな事務所に仕事を渡せば、依頼した放送局や企業の方が、書類送検されたり、不祥事として報道されるからだ)

 つまり、未成年タレントが活躍するためには、所属事務所が法を守るだけでなく、事務所自体が子どもを守るためにどんな努力義務を具体的に果たしているかを示すガイドラインを公開する必要があるのだ。

 だが、未成年タレントに仕事をさせる他の芸能プロダクションでも、子どもを守るためのガイドラインを明確に示している会社は極めて少ない。

 これは、特定の事務所の問題ではなく、芸能事業を営むすべての事務所で起こりかねない「子どもの人権」と健全なビジネスを危うくする問題なのだ。

 そこで、新聞社やテレビ局の報道記者(ならびにこども家庭庁や厚労省、各自治体にある労働基準監督局などの公共機関)は、子どもに仕事をさせている芸能プロダクションに対して、以下のような質問を行い、回答を集めてみてほしい。

2023年3月にBBCがジャニー喜多川の犯罪について報道した後、未成年タレントを被害から守るための具体的な対策を作りましたか?
 また、その対策を自社の公式サイトで公表しましたか?

未成年タレントとの契約は親権者(親)が代行しますが、子どもの労働で生まれた収入を、御社は子ども自身の口座に入金していますか? あるいは、子ども本人に手渡していますか?
 また、御社が未成年タレントに支払う方法は、給与制(定額賃金)ですか? それとも、仕事1本ごとに決済していますか?

親権者には、子どもの財産を管理する責任があります。
 そのために、一部の親は子どもが稼いだお金を勝手に使ってしまうことがこれまでも問題視されてきました。
 子どもが18歳の誕生日を迎えて成人すると、管理権は喪失し、親は管理していた子どもの財産の収支を明らかにし、残存収益を子どもに返還しなければならない義務があります。
 御社では、契約している親と未成年タレントの双方に対して、そうした民法上の義務を契約前に説明してきましたか?
 また、レッスンやオーディションを希望する子どもや親に対して、自社の公式サイトで親(親権者)の法的責任について説明し、御社と親権者の責任範囲を明確にしていますか?

未成年タレントが成人する前までに、確定申告の方法や経費として認められる範囲など納税に関する指導を、御社はタレントとその親に対してしてきましたか?
 また、18歳から年齢にふさわしくない大金が入る場合の金銭教育を、御社では行ってきましたか?
 そもそも、契約代行者の親どうしが情報交換し合える(御社から独立した)保護者会の結成を促したり、御社で定期的に親どうしが集まれる機会を作っていますか?

未成年の親と契約をする前に、未成年でも芸能人の場合は労働基準法の適用外となる「光GENJI通達」(芸能タレント通達)について説明してきましたか?

未成年は「性被害」や「虐待」を自覚したり、認めることが難しい傾向があります。
 御社では、2023年3月以降、何が「性被害」や「虐待」に相当するかをわかりやすく未成年タレントに説明してきましたか?
 また、未成年タレント自身に被害の心当たりがあれば、誰の許可も必要とせずに、子ども自身が警察(110)や児童相談所(189)などに相談・通報できることを教えてきましたか?
 あるいは、御社と未成年タレントとの間に深刻なトラブルが生じた際、未成年自身も裁判を受ける権利(訴訟権)があることを伝えてきましたか?
 そもそも、御社のスタッフや未成年タレントの保護者(親権者)、仕事先で出会う人たちなどによって未成年が虐待されたことがわかったら、福祉事務所や児童相談所などに通告する義務があるという法律知識を、経営陣・スタッフ・タレント・保護者(親権者)との間で共有してきましたか?

未成年タレントの場合、売れなくて芸能界を引退する子もいますが、彼らの顔と名前はインターネット上にデジタル・タトゥーとして残ります。
 芸能の仕事をしていたことで、その子が恐喝されたり、黒歴史として学校でいじめられたり、熱狂的なファンによるストーカー被害に遭うこともあります。
 御社では、契約中の未成年タレントがそのような被害に遭わないために具体的にどんな対策をとってきましたか?
 また、契約解除後にそうした被害に遭っても、事務所として対応できない旨を、契約前に親権者に伝えていますか?

学校の授業の出席率や、芸能の仕事時間、業務内容など、未成年タレントの業務を記録した日誌を、御社は残していますか?
 また、そうした情報を未成年タレントの親権者と共有していますか?

未成年タレントが御社との契約をどうしても解除したいと望んでいても、契約代行者の親が解除したがらない場合、子どもは御社との契約を解除できません。
 こうした場合、御社ではどのように対処していますか?

平均年齢11.6歳の小中学生アイドルグループを売り出すとしたら、御社はスタッフと未成年タレントと彼らの親に対して、最優先で何を指導すべきだと考えますか?
 また、日本版DBSの認定制度に御社も参加しますか?

 以上の内容は、子どもが安心して働ける環境を作るのに、大人が知っておくべき最低限度の知識であり、実際に働く子どもを守るガイドラインを作る上では、ほんの一部の知識にすぎない。

 以上の内容は、既にこども家庭庁や厚労省、新聞社やテレビ局などの報道機関に通達済み。
 学生なら、授業や研究、自主活動の一環として、上記の質問を芸能事務所にメールで尋ねてみてもいいだろう。

 芸能界で働く大人が法律を守ろうとしても、法律の不備や法律に対する無関心によって、子どもの労働権や安全は確保されないままだ。
 その現状を知ろうとする人が、1人でも増えてほしい。

 ジャニーズ問題は、性加害だけにとどまらず、子どもを守れない仕組みをたくさん残していることが露呈された問題なのだから。






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