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親から虐待された当事者が望む防止策とは…

 これまで親から虐待されてきた当事者(=サバイバー)から話を聞いてきたが、彼らが望む虐待防止策と現実の防止策の間には、大きな隔たりがあった。

 長らく「児童相談所と警察の連携強化」や「施設養護から家庭養護(里親など)へ」のような行政主導の防止策が語られがちだったが、それらは主に児童福祉の専門家による提案だった。


 全国の児童相談所に寄せられる虐待相談の件数が28年間も増え続けているのを見ると、相談件数ばかりが増えて、虐待そのものは減らせていない。


 そこで、専門家による発想ではなく、虐待された当事者のニーズから発想された防止策へと、大きく方向転換する必要を感じる。


 当事者ニーズによる虐待防止策とは、以下のようなものだ。



★虐待・子どもの人権・親権について、学校で児童・親・保護者が学べる機会を作る

 そもそも、多くの人は「子ども虐待」とは何かを知らない。

 だから、未成年の時には虐待されていることを自覚できず、被害者の半数以上が30代以降になって初めて、自分の苦しんできた精神病が親子関係に由来するものだと気づく。

 そこで、自分を責めるばかりだった人生の時間のロスの大きさを悟るのだが、自尊心を回復させるには遅すぎる方も珍しくない。


 もし義務教育で発達年齢に合わせる形で毎年1回、「虐待とは何か」「子どもの人権とは何か」「親権という責任は何か」について教わるチャンスがあったなら、早めに被虐待を自覚し、児童相談所に保護されていたかもしれない。


 それどころか、親に虐待される痛みを理解する人が周囲に増えて、「自分のせいじゃない」「弱いからじゃない」という自尊心を守ることができる。

 こうした教育による取り組みは、公立校なら自治体の予算をつければ、すぐにでも可能なはずであり、政治マターなのだ。

★成人した被虐待経験者は、役所で自立支援金をもらえて家出できるようにする


 成人するまでに虐待されることによってうつ病や統合失調症などを患うと、働くことが難しくなり、自分を虐待し続ける親と同居をいつまでも余儀なくされる。
 これは、事故後の原発の建屋に防護服もないまま居続けるようなものだ。
(父親にレイプされ続けてきた少女を思い浮かべてみてほしい)

 だから、成人年齢になった瞬間に、医者の診断書で親子関係に起因する精神病であることが明記されたら、その診断書を役所に持参するだけで家を出て生活できるだけの当座の資金を得られる「自立支援金」の制度を作ってほしい。

 引っ越し代、部屋を借りる家賃、3か月ほどの生活費、家財道具の購入などを考慮し、50万円ほど支給されるといい。
 アパートなどの連帯保証人は自治体が肩代わりし、引っ越し作業にもソーシャルワーカーなどの人員を割くようにしてほしい。
(※作業そのものができない当事者も少なからずいる)

 こうした「自立支援金」は、自治体から後日、虐待した親の方へ請求するようにすれば、自治体は予算を最小化する形で制度化できるはずだ。
 もちろん、自治体は被虐待の当事者に対して、警察に「住民票の閲覧制限」をつけられることなど、住所を隠せる制度を丁寧に説明する。

★15歳以上が児相に保護されたら、親の知らない住宅が国から無償提供される


 児相に保護されるのは、虐待相談の6件に1件程度にすぎない。
 児相では、一時保護所の定員を超えるのをおそれ、中学生以上より小学生以下を緊急案件として優先的に保護してしまうからだ。

 そうなると、中高生の虐待事案は暗数になりかねない。
 父親からのレイプ被害を言い出せないまま、保護されず、家に帰されたら、その子の精神は狂ってしまう。
 これを防ぐには、せめて鍵のつけられる別宅を当事者の子にあてがう必要がある。

 そこで、自治体でも町営住宅などの既存の施設を児童養護に活用したり、国でも利用されていない国庫の住宅物件を活用するように努めてほしい。
 もちろん、親権の壁はあり、親が文句をつけてくれば、家に帰さざるを得ないが、それだけの権力が親権にあることを知らない親も多い。

 家に帰されたら、すぐ次の別宅に引っ越せるように準備すればいい。
 これは親権者との根競べだが、空き室の公庫物件がある以上、やらない手はない。
 自治体や国が子どもの味方にならずに、誰が子どもを公的に守れるだろうか?

児相に保護された15歳以上を、企業が親権者の同意なく雇えるようにする

 高校生以上なら、親権者と在校校長の同意で雇われることができる。
 そこで、せめて児童が親権を一時停止できた15歳以上の子どもの通う学校には、自治体から事情を連絡し、アルバイトの許可を出すように促してもらう。

 そして、自治体が仕事を提供したり、地元企業へ働きかけてアルバイト先を調達し、すぐに働けるようにしてほしい。
 子ども自身が安心して稼げるようになれば、親に進路を左右されることなく、高校を卒業する頃には、自分のお金で家を出て自立していける。

 経済的に自立してしまえば、親は不要になる。
 虐待の加害・被害の関係では、「金の切れ目が縁の切れ目」なのだ。

★被虐待児が家裁に行くだけで、国選弁護人が親への賠償請求をしてくれる


 未成年でも法定代理人を立てて裁判をすることはできるが、同居中の親を訴えることは心理的に難しい。
 そこで、未成年でも家裁に申し立てるだけで、家裁が国選弁護人をあてがい、未成年の身柄を、裁判が結審するまで安全な場所に移してくれるといい。

 安全な場所は、前述した町営住宅などの国庫物件でいいだろう。
 あとは、弁護士が民事裁判で虐待した親に損害賠償請求を行い、賠償金によって子どもが自宅から離れて暮らせるようにすれば、児童相談所の一時保護所の定員オーバーの問題も解決できる。

 少年事件の場合は、家裁送致によって国選弁護人がつけられないが、虐待事案の場合、刑事・民事で子どもが親を訴えることが困難なため、きわめて少ない。
 そこで、弁護士会と日本司法支援センター(法テラス)とが協力して行っている「少年保護事件付添援助制度」を利用し、子どもにお金がなくても親を裁判で訴える国選弁護人をつけられる制度へ改革してほしい。

 子どもが親を訴えられるようにすれば、親は虐待行為を社会的に罰せられる恐れから、虐待を自制させられる。それだけでも、司法による保護の充実は急ぐべきだろう。
 このように、子どもが親をいつでも訴えられる環境を作れば、親は子どもを容易に虐待することはできなくなる。

★親に虐待された人は、時効なしに親を相手取った損害賠償裁判ができる


 子どもの頃に親から虐待されても、時効になるケースがある。
 そこで、未成年に対する虐待には、刑事でも民事でも時効を設けないように制度改革をすれば、子どもを虐待した親は一生、「大人になったらいつか訴えられるのではないか」という不安に震えるだろう。

 子ども自身には法的な権利がないのだから、時効があること自体が不当なのだ。
 親権者としての責任を果たさないどころか、子どもを虐待することは、親権という権力の濫用になる。

 この濫用に対する抑止として、子ども時代の被虐待から時効をなくすことは、親子関係を人権的に対等にする。
 これは、国会議員にしかできない仕事の一つだろう。

★虐待による精神病は、診断書を役所に出すだけで全額返還され、親の負担に


 交通事故なら、加害者が被害者に医療費や慰謝料を渡すのは当然だ。
 しかし、親が子どもを虐待した場合、子どもが精神病を患っても、子ども自身が大人になってからも払い続けるということが珍しくない。

 しかも、精神病の場合、働くことも難しくなり、いつまでも親のために苦しめられてしまう。
 そこで、医者の診断書で親子関係に起因する精神病であることが明記されたら、その診断書を役所に持参するだけで、これまでかかった医療費と今後かかる医療費の全額が返金されるという制度を作ってほしい。

 これは、自治体でレベルでできる話だろう。
 自治体が負担したその医療費は、虐待した親に請求され、払わない場合は財産の差し押さえを強制代執行で行う。

 こうすれば、この制度ができた時点から親は子どもを虐待しにくくなる。
 一定以上の資産家の親で、医療費くらいすぐに払えそうな場合は、医療費以外に資産に応じた賠償を子どもに払う義務を附則につけておけばいい。

★児相に子どもが保護された親権者に無償のカウンセリングを義務づける


 子どもを虐待したことを認めない、あるいは認めても虐待する自分を変えられない親は少なくない。
 そこで、せめて児相に子どもが保護された親には、無償のカウンセリングを受ける義務を負わせたい。

 カウンセリングは医療行為ではないため、保険がきかない。
 そこで、行きたくても容易には行けない親は珍しくない。
 しかし、親自身が子ども時代に虐待されて育ったことに思い当れば、それだけでも自分がわが子にした虐待の重みに気づける。

 これも、カウンセリングにかかる費用を全額もしくは一部を自治体や国が負担したり、地元企業からの協賛による基金を立ち上げてもいいかもしれない。
 親に罪を気づかせれば、子どもは虐待されるリスクを減らせる。

★10歳以上に起業を学べる機会を提供し、自主避難の資金を作れるようにする


 統計では、10歳以下に虐待が多いことになっている。
 しかし、現実は10歳以上になると、虐待に耐える日常が当たり前になってしまうため、被虐待を自覚するチャンスを奪われてしまうのだ。

 そこで、商取引が可能とされる10歳ぐらいから、自分で商品・サービスを開発し、売る技術を実践的に学べるチャンスを提供しておきたい。
 15歳までは雇われないため、その年までは業務委託か、起業するしか、家を出て暮らすための収入手段が作れないからだ。

 15歳になれば、株式会社の社長になれる。
 その年まで稼げる技術を学んでおけば、社長になって本格的に稼ぎ始めた際、収益金を会社に貯めておける。

 親権者は子どもの個人資産をいくらでも収奪できるが、会社の金に手を付けることはできない。
 親の金に頼らずに生活していける自信こそ、虐待された人にとって確かな希望になる。
 売春や違法行為、危険なビジネスなどで飯を食う必要もなくなる。

★成人は、自分を虐待した親の介護・看護・扶養の義務を任意で破棄できる


 日本の民法は、おそろしい。
 親に虐待されても、その親を扶養・看護・介護する義務が子どもに強いられるからだ。
 あなたは父親からレイプされても、その父親を死ぬまで面倒みたいだろうか?

 そこで、成人したら、子どもの側から一方的かつ無条件に親族としての義務を破棄できるという制度に変えてもらいたい。

 介護する人が誰もいない孤独な老後を思えば、親は子どもを虐待しにくくなる。

 そのような「虐待の抑止力」となる政策を、国会議員に検討してもらう必要がある。

 子どもの自尊心と人生を守るには、それだけの制裁を明文化しなければ、子どもはやられっぱなしの一生になるのだから。

★児相に保護された未成年の親は、自動的に親権を一時停止される


 児童相談所が家庭裁判所に親権の一時停止を訴えても、その効力が生じるのは一時保護から数か月以上もかかる。

 その間、親権者は子どもを家に連れ戻し、虐待死させてしまうおそれがあるし、実際にそういう悲劇を僕らは何度も何度も見てきたはずだ。

 そこで、児相に保護されるレベルの深刻な虐待なら、家裁に連絡しておくだけで翌日には親権の一時停止を検討し始めたこととみなし、親権者が子どもを家に連れ帰る権利だけでも保留にされるという制度へ改革できないだろうか?


 これも、28年以上も虐待を減らせずにいる重みを、国会議員が知ることから始まる改革だろう。

 残念なことに、日本で子ども虐待防止策に成功した政策を議会にはかれた国会議員は、1人もいない。

★児相に虐待認定された親は、警察に逮捕され、留置場へ

 虐待された子どもが一時保護されると、通学を制限されたり、非行少年と同じ空間で暮らさざるを得ない状況を強いられる。
 しかし、そもそも被害者が保護の名の下に行動を制限させられるのは、おかしい。

 実際、一時保護所や児童養護施設で生活に不満を感じ、そうした施設を「刑務所のようだ」と指摘する子どもたちも少なくない。

 そこで、児相が虐待を認定した親は、児相から警察に通報し、ただちに逮捕してもらい、子どもの言い分との整合性を警察で検証している期間は、留置場に入ってもらう。
(※刑法犯の疑いがあれば、拘置所へ移送する)

 その間、子どもは児相から自宅・親族など子どもの住みたい場所へ避難させ、通学の権利と平穏な暮らしを守れるようにする。
 親権者には、虐待しなくなるまで無償で精神科治療やカウンセリングを提供し、医者のお墨付きと子どもの同意がなければ、子どもとの面会を許可しないこととする。

 親は会社を辞めざるを得なくなるかもしれないが、子どもの生活費や教育費は自治体や国が子どもの預け先に提供する。
 親権者による子どもへの虐待は、他人の大人に対する虐待より重い罪にすることも、制度化してほしい。

★親権を父母による独占から解放し、誰もが親権者になれるようにする

 
 よく「虐待する親から逃れてかくまえる安心の居場所を作りたい」という声を聴くが、現行法ではその居場所の運営者は、親権者から訴えられれば、誘拐罪(未成年略取)で逮捕されかねない。

 被虐待児を保護できるのは、児童相談所(警察・学校経由を含む)と親権者しか認められておらず、児相も全件保護ができないことは前述したとおりだ。
 そこで親権の一時停止を何か月も待つより、親権を父母以外でも持てるようにすれば、いつでも誰でも被虐待児をかくまえるし、いつまでも泊めておくこともできる。

 親権者は養育・教育の責任者なので、3人目の親権者がいれば、子どもの生活費・進学費などのコストや労力も3分の1で済む。
 4人の親権者なら、4分の1で済む(※これを僕は「親権シェア」と名付けた)。
 虐待しそうな親がいれば、子どもは虐待しない親の元へいつでも避難できる。

 NPOなどの法人も親権者になれるようにすれば、虐待されそうになったらNPOの施設にいつでも駆け込めるし、保護した人が逮捕されるようなバカなことはおきない。
 これを僕は「親権フリー」と呼んでいるが、実際にはあらかじめ役所に届け出ていた親権者候補リストから子ども自身が面談し、選べるようにすればいい。

 もちろん、産み育ての両親が恐怖や不安の対象にすぎないなら、子ども(※10歳未満なら法定代理人の弁護士)の判断で親権者から排除する権利も子どもに与えてほしい。
 この親権フリー&シェア制度は、LGBTがパートナーシップ条例で「みなし夫婦」になるのと同様に、自治体レベルで「みなし親子」と認定すれば、実現できるだろう。

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 「何が虐待か」「どんな家庭が安全か」を判断する権利は、児童相談所に独占されているが、「何が怖いか」「どれほど痛いか」は、子ども自身に判断する権利があるはずだ。

 支援や保護の名の下に子どもを支配するのではなく、子どもの自由と権利が最大限尊重される社会へ変えていくタイミングだろうと思う。

 上記のような虐待サバイバーのニーズに基づく虐待防止策については、直接、政治家に議会にはかってもらう必要がある。
 そこで、以下のイベント会場に政治家を招こうと、現地スタッフが動いている(注意:2019年度。2020年度はコチラ)。

●東京 11月 2日(土)開催NoMore Abuse Tokyo
●愛知 11月 9日(土)開催APU家族研究会 +なくそう虐待あいち
●福岡 1130日(土)開催ふくおかac 2019
●町田 1214日(土)開催る 町田
●大阪 1215日(日)開催Power to the Children in Osaka

 参加予約がすでに始まっているので、最寄りの会場の団体名をクリックしてみよう!
 あなたが虐待サバイバーなら、当日会場で、政治家にあなたの虐待防止策を提案してみてほしい。



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