3月21日(日)、千葉県知事選挙が行われ、熊谷俊人さんが当選。
ようやく、あまりにひどかった森田県政が終わりました。
森田健作さんが知事だった2020年1月、千葉県市原市で生後10か月の女の子が低栄養の状態で衰弱死し、母親が起訴されました。
この事件で千葉県は、母親の逮捕直後、報道機関の取材に対して県の児童相談所が関与していたかどうか明らかにしなかったばかりか、市原市に対しても情報を公開しないよう助言したのです。
県から「助言」されれば、市としては従わざるを得ません。
6月には、千葉県が以前から「虐待死の情報は一切、原則非公表」の方針を採用していたことが明るみになりました。
2019年1月に起きた心愛さんの虐待死事件後、新たな虐待死事件の情報は、県個人情報保護条例を理由に児童相談所の関与を含めて一切非公表とする方針を決定していたのです。
これでは、今後も黒塗りの情報しか開示されないことになります。
そこで僕(今一生)は、Change.orgで「虐待死の情報は原則公表」を求めるネット署名を始めました。
すると、ネット署名はたちまち1万票を超え、県議会でも県議による質疑が行われ始め、滝川伸輔・副知事から「公開すべき情報も」という言葉を引き出しました。
その後、「虐待死の非公表」は、千葉県の児童家庭課が、個人情報保護条例を所管する審査情報課に条例を適用できるか確認しないまま、独断で方針を決定していたことが明るみになりました。
こうした不祥事が次々に明るみになるにつれ、「虐待死は原則公表」を求めるネット署名も3万票を超えていきました。
そして、市原市の虐待死事件から約1年後の2021年1月、千葉県は「原則公表する」方針に改めたと発表しました。
個人情報保護を理由に非公表とした姿勢に批判が相次いだためで、県は「適切ではなかった」とし、新たな方針では、虐待の被害者が死亡した場合、「事実経過、児童相談所の関与の状況を公表する」とか。
朝日新聞の取材に答えた県児童家庭課の尾関範子・課長は、「個々のケースで配慮する情報があると思うが、死者の情報は極力出す方針だ」と話したそうです。
以上の顛末をふまえて、気づいたことは以下の通り。
① ネット署名は、県や市に署名を持参しなくても、署名が増えるにつれて、市民による批判が直接行政に向けられることが増え、方針転換を実現できたこと
② 千葉県が「原則非公表」の立場をとっていた頃は、滝川伸輔・副知事や加瀬博夫・健康福祉部長など男の名前(しかも実務上のトップ)が新聞に出ていたのに、「原則公表」に方針転換した後は、女性の県児童家庭課の尾関範子・課長が取材に応えていたこと
③ 方針転換後も、「虐待を受けた子どもが生存している場合には、県の条例で個人情報に該当するとして、原則として公表を控える」とし、個人情報が子ども本人に開示・不開示の範囲を選ぶ権利があることが関心外にされていること
朝日新聞2021年1月28日付の記事には、こう書かれています。
「心愛さんを診察した医師が、父親からの性的虐待の疑いがあり、『家族の同居は困難』と指摘していたにもかかわらず、県柏児相が父親の親族宅へ帰したことが報道機関の調査で明らかになった。
この事実について、県は『(死者の名誉に配慮し)事実を追認することはよくなかった』とする立場は崩していない。医師の指摘を踏まえずに心愛さんを親族宅へ帰したことについては、事件を検証した県の第3者委員会が『危機意識が不足していた』と結論づけるなど強い批判を受けていた」
ネット署名にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。
毎回、YouTubeチャンネル『一月万冊』で取り上げて下さった清水社長、ありがとうございました!
今後も、行政のおかしい言動については、声を上げていきましょう。
声を上げていけば、変えられるものもあるのですから。
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